通信
新たな携帯事業者が登場
5Gが始動 広がる格安スマホ
通信は、携帯電話やスマートフォンなどの「移動通信」と、光回線などの「固定通信」に分けられる。サービスを提供する通信キャリアは、NTT、KDDI、ソフトバンクが3強。2020年4月、第4の通信キャリアとして楽天がサービスを本格的に開始した。
注目データ
スマートフォンを保有する世帯(2019年9月)
83.4%
19年に初めて8割を超えた。固定電話(69.0%)、パソコン(69.1%)を保有する世帯の割合を上回っている。個人の保有率は67.6%。(総務省の調査)
企業動向
●電気通信事業法改正と楽天モバイル参入
携帯電話料金の値下げに向け、電気通信事業法が2019年10月に改正された。通信料金と端末代を分離することで、複雑化していた料金を比較しやすくなり、携帯市場の競争を促す狙いだ。NTTドコモは、法改正にあわせ「2年定期契約」を途中解約した際の違約金を値下げ。auのKDDIでは動画配信サービスのネットフリックスとの料金がセットになった新プランを打ち出した。ソフトバンクも「2年縛り」を撤廃した。
一方、楽天モバイルが携帯事業者としてサービスを開始。自社が通信網を整備した一部のエリアでは、データ通信量を無制限とするなど、画期的なプランを打ち立てた。しかし、自社の通信網エリアを広げ、大手3社と対抗できるようになるまでには、時間がかかるともみられている。
また、次世代通信技術「5G」のサービスをNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社が20年3月から始めたが、全国的な通信網の整備には数年かかるとみられ、利用者が5Gのフル機能を実感できるのは23年以降とみられている。
●変化する「格安スマホ」の勢力図
大手キャリアから回線を借りて事業を展開するMVNO(仮想移動体通信事業者)の市場が拡大している。MM総研によると、「格安SIM」など独自サービス型SIMの回線契約数は2020年3月末時点で1500万5千回線。前年比14.3%増で、5年前の4.6倍と増加が続く。携帯電話市場全体では8.2%を占める。
事業者シェア1位は楽天モバイル。2位は「UQモバイル」のUQコミュニケーションズで、3位は「IIJmio」などを提供するインターネットイニシアティブ。しかし、21年3月末時点の独自サービス型SIM市場は、楽天の携帯事業参入や20年秋に予定されているKDDIのUQ統合で、統計開始以来初の純減となる1350万回線になる見通しだ。
トピックス
★成長路線のコラボ光
NTT東日本、NTT西日本は、「フレッツ光」の販売から、異業種に光回線を卸す「コラボ光」へと重心をシフトし、顧客層の開拓に成功している。MM総研によると、2020年3月末の光回線市場全体に占めるコラボ光の割合は42%。コロナ禍でのテレワークなどの需要の高まりもあり、さらに成長が予測されている。
★KDDI、「UQモバイル」を統合
KDDIは2020年5月、グループのUQコミュニケーションズが展開する格安携帯電話事業「UQモバイル」を、10月1日に自社と統合すると発表した。営業拠点や店舗を再編して効率化する。「UQモバイル」ブランドは今後も残し、サービス面で連携を強化する。統合で約200万人の利用者をauが引き継ぐ。
2024/10/13 更新
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