業界MAP

スポーツ・ゲーム・その他メーカー

用品やフィットネスなど多業種そろう
ITの巨人も競争に参入


 スポーツ業界には、スポーツ関連商品を製造・販売するスポーツ用品メーカーのほか、フィットネスクラブやスタジアムの運営など、さまざまな産業がある。ゲーム業界は主にゲームや玩具などのメーカーなどで、近年は「eスポーツ」でも盛り上がる。
 

キーワード


eスポーツ


対戦型コンピューターゲームを「電子機器を使った競技」と捉えた呼び方。ジャンルはサッカーや格闘技、カードゲーム、パズルなど多岐にわたる。

 

企業動向

●スポーツ用品業界はコロナ禍で暗転

 アウトドアブームやスポーツウェアを普段着として楽しむスタイルが定着したことから、スポーツ用品業界はシューズなどアパレル系の売り上げを中心に好調だったが、コロナ禍の影響によって赤字化するなど、暗転する企業が目立った。
 国内首位のアシックスは高機能ランニングシューズなどの海外販売が好調で2019年12月期連結決算では71億円の純利益だったが、コロナ禍により20年1~3月期連結決算で2億円の赤字に。20年3月期連結決算でミズノも14億円の減益、デサントも25億円の赤字となった。
 売り上げでは突出した規模を誇る世界的メーカーのナイキとアディダスも、ナイキが20年3~5月期決算で前年同期の1048億円の純利益から837億円の赤字に、アディダスが20年1~3月期決算で純利益が前年同期比95%減の36億円に落ち込んだ。

●IT大手参入でクラウドゲーム進化中

 ゲーム業界では、専用機ではないスマートフォンなどの機器でも、本格的な遊び方ができるクラウドゲーム市場に、IT大手が続々と参入。任天堂やソニーといった日本勢が存在感を誇ったゲーム市場で、新たな主導権争いが起きている。マイクロソフトは2019年10月から北米などで新サービス「Project xCloud」を開始。グーグルも同年11月から欧米14カ国で新サービス「Stadia」をスタートさせ、いずれもストリーミング方式でソフト自体を自分の端末にダウンロードしないで済む。アップルも有料ゲーム事業に参入している。

●フィットネスクラブ、シニア層 もターゲットに

 健康志向の高まりを受け、成長を続けてきたフィットネスクラブ業界。最近はシニア層を対象に、リハビリや介護予防を目的としたプログラムを提供する動きも出てきている。
 ルネサンスはスポーツクラブの運営だけでなく、リハビリ特化型デイサービス事業「元氣ジム」を展開。理学療法士と運動指導員が常駐し、認知機能や運動機能の向上をさせる、さまざまなプログラムを提供している。東急スポーツオアシスでも60歳以上専用のスタジオやクラスを設ける。

 

トピックス

★任天堂、外出自粛が追い風に

 任天堂の2020年3月期決算は、売上高は前期比9.0%増の1兆3085億円、営業利益は41.1%増の3523億円、純利益は33.3%増の2586億円となり、10年ぶりの高水準となった。外出自粛の影響で主力ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の需要が急増。人気ソフトの新作「あつまれ どうぶつの森」の大ヒットも本体の販売を押し上げた。