(写真は、いずれも3月1日に各地で開かれた合同企業説明会の様子。会場は黒スーツで埋まった)
(写真は、いずれも3月1日に各地で開かれた合同企業説明会の様子。会場は黒スーツで埋まった)
「黒じゃないと不安」「違いを出すチャンス」
記事からスーツに関する就活生や新入社員の声を紹介します。
【黒スーツ派】
◆「(朝日新聞社の宣言は)担当者の思いつきで、社の正式見解とは違うかも」と不安になり黒スーツにした(面談に来た女子学生)
◆「(黒ではない)スーツで来ていたら不安だったはず。採用担当者に変に思われて、自分の話を十分聞いてもらえなくなったら怖い」(都内の合説に参加した学生)
◆「まわりと同じだと考えなくて良いので楽。服装よりもっと大事な面接対策に時間を割きたい」(同)
【脱スーツ派】
◇持っている私服で最も「フォーマルな感じ」のジャケットとパンツで就活中。スーツでないと減点するような会社で働きたくない(上智大4年生)
◇「周りが全員黒スーツという状態は、むしろ違いを出すチャンスだと思いました」。濃紺の無地やストライプなど「金融マン」的なスーツを着て、第一印象の好感度アップを狙った(今年、大手金融に入社した元慶応大生)
服装から個性や人柄を見たい会社
【カルビー】1次面接から「ぜひ私服でお越しください」と言っていますが、他社の面接とも重なるためリクルートスーツの人が7~8割ですね。2次以降は私服が増えます。ファッションセンスではなく、その人らしさを見ます。学生も私服のほうがリラックスして面接を受けているように感じます。私は悩みましたが、ブラウスに膝丈スカートという清潔感のある服装にしました。(冨永玲奈さん)
私が受けたときは「あなたらしい格好で来て」と言われました。学生時代、テニスに打ち込んでいたのですが、人事担当から「テニスの格好でもいいですよ」とちょっとあおられたので、ウィンドブレーカーにラケットバッグを背負って行きました。でも、本当に普段の通学着で来てもらえれば大丈夫です。みんなが部活着で来たり、相撲部の人がまわしで来たりしたら困りますから(笑)。だいたい、みなさん生活感のある服装ですね。(小池美帆さん)
【バンダイ】6対4で私服が多いですね。会社もノーネクタイでラフな格好の社員が多いので、本当に私服で来てほしい。(就活スーツだと)不利ではありませんが、コンサバ(保守的)だなとは思いますね。学生も選考が進んでいくうちに違和感をもつのか、最終面接まで就活スーツという学生はあまりいないですね。ファッションって個性じゃないですか。バンダイは選考の回数も多くないし、できるだけ個性がわかるようにして来てほしいということです。一般的なスーツだと個性が見えない。うちは企画会社で、アパレル事業部もあるし、ファッションに関しても様々な事業で頑張っているので、ファッションにも興味を持っていてほしいと思います。
【電通】リクルートスーツじゃない服装で来る子には注目しますね。上下白のスーツで来た男子がいました。丈の短いバミューダパンツで来た男子は、2次面談員が高い評価をして、「次は一応スーツで来た方がいいよ」って言ったとか。本当はリクルートスーツは禁止にしたい。ただ、うちの選考だけじゃなく、他社選考にその足で向かう学生に負荷がかかるため、やりませんが。
リラックスさせ素を見たい会社
【ソニー】(私服面接の)趣旨は、自分のありのままの姿を一番アピールできる状態で面接に臨んでもらいたい、その一点です。そのための会社側からの提案です。奇抜な服ではなく、ふだん着ている服で普段どおりに話してもらえれば、と願っています。もちろんスーツを着てきても全く問題ありません。自分に合った身だしなみで面接に臨んでもらえればと思います。
【カゴメ】役員面接を除き、選考には私服で来ても良いことにしています。リクルートスーツを着たら緊張してしまい自分らしさを見せられないということなら、「私服で来てリラックスした状態であなたらしさを教え下さい」と会社説明会で話をしています。その人の個性を「より見える化」するための手段として、私服、普段着はいい。素を見るのに効果的です。最初は悩む学生も多くてスーツが多いのですが、選考が進んで周りに私服が増え、私服の人が自分らしく振る舞っているのを見ると、切り替える人が増えてきます。私自身もかつてジーパンにパーカーで面接を受けました。スーツよりリラックスできて相手との距離も近くなった気がするし、背伸びしたり着飾ったりする必要を感じませんでした。
【講談社】(採用HPに面接時の服装は自分で考えて、とあります)私服もいますが、就活スーツが多いですね。服装はほぼ見ていませんが、私服でいいと言うと学生は私服じゃなきゃいけないと思うかもしれない。そうすると、うちの会社の前後にスーツでないといけない会社の面接があった場合、両方持っていかなきゃいけませんよね。我々が重視していない部分(服装)で学生を振り回すのは本意じゃないので、スーツでも私服でもお好きにどうぞと言っています。ファッション誌の志望でも同じです。
朝日新聞社も「リラックス」を強調しているので、②ですね。一方で「RSでもまったくかまいません。せっかくRSを買ったので、もったいないから着たい。他社のイベントがあるから、途中で着替えるのが面倒。むしろRSの方が就活モードにスイッチが入ってやる気が出る。そもそもRSのデザインが好き。服についてあれこれ考えるのが面倒だから無難なRSで行きたい。まったく問題ありません」とも言っています。
「会社にふさわしい服装」は社員にヒントあり
ただ、業種や仕事内容によって、スーツとの距離感は違います。入社したら毎日スーツでお客さんに対応する会社が多いとは思いますが、ふだんはラフな格好で仕事をする社員が多いマスコミや、営業以外はネクタイなしが普通のIT系ベンチャーのような業界もあります。これまでに参加した説明会やOB・OG訪問、面接で聞いた話や社員の格好などに、「会社にふさわしい服装」のヒントがあるはずです。
身だしなみに注意
最後に、「身だしなみ」について。
【バンダイ】身だしなみは大事です。僕は清潔感を大事にします。我々は版権元からキャラクターをお借りして仕事をしている。不快を与える格好をしていたら嫌な気持ちになる取引先の方もいるでしょうから、清潔感は大事です。寝癖のままで面接に来る学生とか、結構いますよ。
朝日新聞社のFBでも「マナーは少しだけ意識してください。社員になったら取引先や取材先に気を配れる人なのかどうかは見極めさせていただきます。シワシワのシャツで来られると『だらしない人なのかな』と思ってしまいます。奇をてらうのも逆効果です」と言っています。
正解はありません。今日の話を参考に、自分らしくいられる服装を目指してください。
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