2025年07月07日

チベットのダライ・ラマ 今後2人誕生する可能性も【週間ニュースまとめ6月30日~7月6日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 仏教には、生命が死後に新たな存在として生まれ変わる「輪廻転生」という考え方があります。ヒマラヤ山脈北側のチベット地域で発展したチベット仏教ではこの輪廻転生という考え方に基づき、歴代の最高指導者であるダライ・ラマの死去後に生まれ変わりの少年を高僧らが探し、後継者にするという伝統を続けてきました。

 現在のダライ・ラマである14世は90歳の誕生日を前に、自身の死後もこの制度は存続するという方針を表明しました。チベットには1950年代に中国が進駐して自治区とし、その後、中国化を進めています。ダライ・ラマ14世は中国の進駐によりインドに亡命し、今もチベットの高度な自治を求めて中国と対立。後継者となるダライ・ラマ15世は中国以外から探すことを強く示唆しています。それに反発する中国政府が独自にダライ・ラマ15世を擁立する可能性もあり、2人のダライ・ラマ15世が誕生するという事態も考えられます。中国とチベット仏教との関係がこれからどうなっていくのか、世界が注目しています。(ジャーナリスト・一色清)
(写真・ダライ・ラマ14世=2018年11月、インド北部ダラムサラ/朝日新聞社)

【経済】トランプ関税の影響読み切れず 日銀短観、先行きの景況感は悪化(7/1.Tue)

 日本銀行が7月1日に発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、代表的な指標となる大企業・製造業の業況判断指数(DI)が2期ぶりに改善した。ただ、トランプ米政権の関税政策の影響は織り込み切れておらず、先行きを含めて不透明感は強い。大企業・非製造業は長引く物価高などが響き、2期ぶりに悪化した。今回は、4月以降に米政権が追加関税を発動して初の調査となった。大企業・製造業は3月の前回調査から1ポイント改善してプラス13。業種別では鉄鋼や紙・パルプなどの素材業種の景況感が大きく改善し、全体を押し上げた。一方、25%の追加関税を課された自動車は5ポイント悪化してプラス8だった。

【社会】路線価、東京8.1%増で全国トップ 平均も4年連続で上昇(7/1.Tue)

 国税庁は7月1日、相続税贈与税の算定基準となる2025年分の路線価を公表した。全国平均は前年比2.7%増で、現在の算出方法になった2010年以降で最大の上昇率。コロナ禍からの回復基調が見られた2022年から4年連続で上昇している。都道府県別の平均路線価は、35都道府県(前年は29都道府県)が上昇した。トップは、東京で8.1%増。沖縄(6.3%増)、福岡(6.0%増)、宮城、神奈川、大阪(いずれも4.4%増)が続いた。愛知は2.8%増だった。

【国際】ダライ・ラマの輪廻転生、中国外の可能性 14世が声明、制度存続へ(7/2.Wed)

 チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世(89)は7月2日、亡命先のインドで後継者選びに関する声明を発表し、自身の死去後に生まれ変わりを探す「輪廻(りんね)転生」の制度を存続する方針を示した。14世は3月刊行の自伝で中国政府のチベット統治を厳しく批判し、「新たなダライ・ラマは自由世界から生まれる」と述べて中国外で15世が選ばれる可能性を強く示唆している。ダライ・ラマ14世を「分裂主義者」とみなす中国政府はこの日、「転生は中国政府に承認されなければならない」と反論。亡命政府側が選ぶ後継者を中心に、中国政府によるチベット統治のあり方に批判的な活動が続くことを強く警戒している。

【政治】参院選公示「与党で過半数」めぐり攻防 野党、議席増で勢力拡大狙う(7/3.Thu)

 参院選が7月3日、公示された。石破茂政権の実績や政治姿勢の是非が問われ、自民、公明両党が参院全体の過半数(125議席)を維持するかが焦点だ。物価高対策では、自公が掲げる現金給付か、野党の減税かが争点となる。期日前投票は7月4日から始まり、20日に投票、即日開票される。裏金問題や石破首相(自民党総裁)自身の商品券問題などを受けて自民への風当たりは強く、6月の東京都議選での獲得議席は過去最低。こうした状況も踏まえ、首相は参院選の勝敗ラインを「非改選を含めて与党で過半数」とする。昨秋の衆院選で少数与党となった石破政権が参院でも過半数割れとなれば、政権運営は行き詰まる。首相退陣論や連立組み替えの動きが強まる可能性があり、与野党には「今回の参院選は事実上の政権選択選挙」とする見方もある。

【国際】マスク氏が新党「アメリカ党」結成、減税めぐりトランプ氏と関係悪化(7/5.Sat)

 米起業家のイーロン・マスク氏は7月5日、X(旧ツイッター)で新党「アメリカ党」を結成したと明らかにした。マスク氏は、トランプ米大統領と親密な関係を築いて政権の一角も占めたが、トランプ氏肝いりの減税法案をめぐって関係が悪化していた。マスク氏は5日、「あなたたちの自由を取り戻すためにアメリカ党を結成した」とXに投稿。「無駄遣いや汚職が国を破産させることについて、私たちは民主主義ではなく、一党制に生きている」とも述べた。

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