■採用実績
――2014年と2015年入社の採用数を教えてください。
2014年度入社は45人、2015年度入社は44人です。
――2015採用では全体的には内定辞退が増えたと言われていますが、人気企業ですからほとんどないのでしょうね。
これまで最終面接日が5月中旬ごろと結構遅かったんです。この時期に受けるということは基本的には入る意思がある人しか受けないので、辞退率は低いんじゃないでしょうか。
――男女比は?
東京採用の総合職は、結果的に半々です。静岡にあるバンダイホビーセンターという部署では総合職と別に採用しているのですが、こちらは男性の比率が少し高いですね。
――男の子向け玩具と女の子向け玩具を両方作るために、バランスをとっているのですか。
不思議なもので、だいたい半々ですね。
――採用人数の増減傾向は?
ここ数年は45人前後ですが、2013年入社は30人前後で、2012年入社はまた45人前後です。人数の増減は景気の動向というよりその時の採用方針によるもので、それほど大きな意図はないと思います。
――総合職以外に、バンダイホビーセンターとボーイズトイの設計だけは別枠で採用するんですか。
バンダイの総合職は営業も企画もマーケティングもなんでもやるのですが、設計に関しては学生までの素養が大切ですので、そこは別で採用しています。
――それぞれ何人くらい採用しましたか。
ボーイズトイの設計が2人、バンダイホビーセンターが3人です。ボーイズトイの設計は近年採用枠を設定し、静岡は高校生も含めてほぼ毎年採用しています。
――なぜ、ボーイズトイの設計の採用を始めたんですか。
技術の伝承という意味で、このタイミングで新卒社員が必要だったということです。2016年度は採らない可能性もあります。おもちゃの設計市場ってそれほど大きくないし、車の設計をやっていていきなりおもちゃの設計をできるということでもないので、自前できちんと育てていきたいんです。基本的には大学で設計を学んでいた学生を採用します。
――ガールズトイの設計については?
ガールズトイは中国の工場で作ることが多く、設計も協力メーカーがやってくれることが多いんですが、内部でやっているものもあります。そこはキャラクターによって違うということです。
――大学名はチェックしますか。
ほとんど見ません。だからバラエティーに富んだ出身大学が並んでいると思います。
WEBテストやSPI検査をやっていますが、これは、あまりに大学名を見ないで募集をかけており、多少は学力をチェックする必要があるからです。特に成績で足切りすることはないんですが、それまでの選考結果を踏まえて当落線上の学生の当否を考える時に使いますね。
株式会社 バンダイ
エントリーシート受付会で1分面談 雑なESは読まない!
■エントリー
――プレエントリーは何人くらいですか。
WEBでのプレエントリーは約2万人、本エントリーは約5000人です。最近この数字はあまり変わらないのですが、私が採用に携わるようになった2014年新卒の採用から、これまで郵送で受け付けていたエントリーシート(ES)を社員が直接受け取る「エントリーシート受付会」という方法に変えました。これで本エントリー数は500人くらい減りました。2015年新卒採用で2年目ですね。
――「エントリーシート受付会」とは珍しいやり方ですね。期間は?
2014年は2月からはじめて3月上旬くらいまで。ここ東京・駒形の本社と、北海道、名古屋、大阪、福岡で開催しました。来場前に予約をしてもらうシステムです。
――学生が来たらどう対応するんですか。
まず自己紹介をしてもらい、ESを見て軽く会話して「ESでここは見てほしいというところはある?」と教えてもらう感じです。「ここを一生懸命書いたんです」というところをお互い共有できるので、その部分をあとでしっかり見ます。大勢来てくれるので、時間は1人1分半までで切り、質問は受け付けないようにしています。
――どうして「受付会」を始めたんですか。
一度学生と話してからESを読むと読みやすくなるんです。ESって、写真館で撮った普段とは違う装った写真が貼ってあったりする。でもそういう印象にとらわれず、実際にこういう人が書いたんだと知ってからESを見ないと、きちんと精査できないということです。時間は1分~1分半なので限られてはいますが、それでも会うと会わないとでは全然違います。直接会うのは、学生の「社員と会ってアピールしたい」という気持ちと、こちら側の「せっかく書いてくれた人の顔が見たい、そうしたほうが見やすい」という思いからで、選考とは無関係です。
――それでも本人に会うわけですから、そこで「×」をつけるということもありますか。
ESの見方には影響すると思いますが、ここは分母を多くとりたい場面なので、ESで通過を判断します。
■ES
――ESの中身について教えてください。
たとえば「これだけは人に負けないと思うこと」「バンダイの弱み、克服と解決策」「子ども時代で一番楽しかった思い出」「最も自分らしい写真」「自分の10年後」といった項目です。
なるべくシンプルにしています。うちはおもちゃ会社ですから、デザインはできないよりはできたほうがいいし、絵がうまい学生も多い。だからアイデアをプレゼンさせるような凝ったESにすると、どんなに企画がつまらなくても、そういうデザインや絵が上手な学生がよく見えちゃうんですよ。だから逆に、ESはシンプルにするようにしています。これでも、学生によって差はすごく出るんですよ。
――どんな差が出るんですか。
「10年後の自分」の欄に、絵をうまく入れてきたり、筆ペンを上手に使ってきたりする学生もいます。一方で小さくキャラクターを描いてきた学生がいましたが、会話があまり続きませんでした。
下手でもいいんです。大切なのは丁寧に書いているかどうか。字が下手でも丁寧に書いているかどうかはわかる。新卒で就活する機会は一生に1回ほどしかないので、そのESに時間を使って丁寧に書いてほしい。丁寧でない人は仕事も雑にしそうですし……。
――「子ども時代で一番楽しかった思い出」は、おもちゃメーカーらしい項目ですね。
ここは結構大事にしています。バンダイって結構忙しい会社なんです。これだけ物があふれている時代、「夢や感動を届ける」といってもそんなに簡単なことじゃない。そんなとき、子ども時代にこんなお菓子を食べて楽しかった、こんなクリスマスプレゼントをもらってうれしかったという「原体験」があると、どんなに忙しくてもそれを乗り越える原動力になるんじゃないかと思います。
――「負けないところ、強み」という欄はスペースが大きめですね。
「私は○○をやってました」「私の強みは○○です」みたいな、学生が事前に考える定型文があると思うので、それをここに自信をもって書いてほしい。
――「バンダイの弱み」という欄は何を見るんですか?
これは2015年新卒採用から設けた欄で、バンダイのことを調べてくれているかどうかを見ます。バンダイの人はポジティブだし、歯に衣着せないところがある。だから弱みはどんどん言い合い、改善していってくれないと困る。面接時に「弱みは面接官の前では言えません」という学生より、弱みをちゃんと言えるくらいの強いハートの人がいいと思いますね。
――「10年後の自分」を書かせる狙いは?
バンダイは5年に1回の目安でジョブローテーションをするようにしています。私たちエンタメ業界では、流行の動きが早く、5年先、10年先が見えなくもあります。そんな業界で闘っていくためには同じ業務をずっとやっていると難しい面もあって、人事部としてはジョブローテーションで変化に対応できる社員を育てたいと思っています。だから、「僕はAというキャラクターが好きで入ってきたんだ、10年後もAをやっていたい」という人の希望はバンダイではかなえられないという観点も選考過程では出てくる。できれば「私は企画も営業もやりたい」というオールラウンドなゼネラリストのほうが、バンダイには合っている気がします。一方で設計などのスペシャリストは別枠で採る、ということです。
――「自分らしい写真」という欄もありますね。
ここは結構人間性が出るんですよ。たとえば何かの集まりで友だちと撮った写真なら、この人友だちこれだけいるんだなとわかる。「サークルで優勝しました」という写真でも、写っている場所でその人の立ち位置がわかる。自分の家で自作の作品と自撮りする人もいます。写真を見ることで、人物が見えるんです。写真館で撮った建前の写真は伏せてこっちを見ますね。
――プレエントリーは何人くらいですか。
WEBでのプレエントリーは約2万人、本エントリーは約5000人です。最近この数字はあまり変わらないのですが、私が採用に携わるようになった2014年新卒の採用から、これまで郵送で受け付けていたエントリーシート(ES)を社員が直接受け取る「エントリーシート受付会」という方法に変えました。これで本エントリー数は500人くらい減りました。2015年新卒採用で2年目ですね。
――「エントリーシート受付会」とは珍しいやり方ですね。期間は?
2014年は2月からはじめて3月上旬くらいまで。ここ東京・駒形の本社と、北海道、名古屋、大阪、福岡で開催しました。来場前に予約をしてもらうシステムです。
――学生が来たらどう対応するんですか。
まず自己紹介をしてもらい、ESを見て軽く会話して「ESでここは見てほしいというところはある?」と教えてもらう感じです。「ここを一生懸命書いたんです」というところをお互い共有できるので、その部分をあとでしっかり見ます。大勢来てくれるので、時間は1人1分半までで切り、質問は受け付けないようにしています。
――どうして「受付会」を始めたんですか。
一度学生と話してからESを読むと読みやすくなるんです。ESって、写真館で撮った普段とは違う装った写真が貼ってあったりする。でもそういう印象にとらわれず、実際にこういう人が書いたんだと知ってからESを見ないと、きちんと精査できないということです。時間は1分~1分半なので限られてはいますが、それでも会うと会わないとでは全然違います。直接会うのは、学生の「社員と会ってアピールしたい」という気持ちと、こちら側の「せっかく書いてくれた人の顔が見たい、そうしたほうが見やすい」という思いからで、選考とは無関係です。
――それでも本人に会うわけですから、そこで「×」をつけるということもありますか。
ESの見方には影響すると思いますが、ここは分母を多くとりたい場面なので、ESで通過を判断します。
■ES
――ESの中身について教えてください。
たとえば「これだけは人に負けないと思うこと」「バンダイの弱み、克服と解決策」「子ども時代で一番楽しかった思い出」「最も自分らしい写真」「自分の10年後」といった項目です。
なるべくシンプルにしています。うちはおもちゃ会社ですから、デザインはできないよりはできたほうがいいし、絵がうまい学生も多い。だからアイデアをプレゼンさせるような凝ったESにすると、どんなに企画がつまらなくても、そういうデザインや絵が上手な学生がよく見えちゃうんですよ。だから逆に、ESはシンプルにするようにしています。これでも、学生によって差はすごく出るんですよ。
――どんな差が出るんですか。
「10年後の自分」の欄に、絵をうまく入れてきたり、筆ペンを上手に使ってきたりする学生もいます。一方で小さくキャラクターを描いてきた学生がいましたが、会話があまり続きませんでした。
下手でもいいんです。大切なのは丁寧に書いているかどうか。字が下手でも丁寧に書いているかどうかはわかる。新卒で就活する機会は一生に1回ほどしかないので、そのESに時間を使って丁寧に書いてほしい。丁寧でない人は仕事も雑にしそうですし……。
――「子ども時代で一番楽しかった思い出」は、おもちゃメーカーらしい項目ですね。
ここは結構大事にしています。バンダイって結構忙しい会社なんです。これだけ物があふれている時代、「夢や感動を届ける」といってもそんなに簡単なことじゃない。そんなとき、子ども時代にこんなお菓子を食べて楽しかった、こんなクリスマスプレゼントをもらってうれしかったという「原体験」があると、どんなに忙しくてもそれを乗り越える原動力になるんじゃないかと思います。
――「負けないところ、強み」という欄はスペースが大きめですね。
「私は○○をやってました」「私の強みは○○です」みたいな、学生が事前に考える定型文があると思うので、それをここに自信をもって書いてほしい。
――「バンダイの弱み」という欄は何を見るんですか?
これは2015年新卒採用から設けた欄で、バンダイのことを調べてくれているかどうかを見ます。バンダイの人はポジティブだし、歯に衣着せないところがある。だから弱みはどんどん言い合い、改善していってくれないと困る。面接時に「弱みは面接官の前では言えません」という学生より、弱みをちゃんと言えるくらいの強いハートの人がいいと思いますね。
――「10年後の自分」を書かせる狙いは?
バンダイは5年に1回の目安でジョブローテーションをするようにしています。私たちエンタメ業界では、流行の動きが早く、5年先、10年先が見えなくもあります。そんな業界で闘っていくためには同じ業務をずっとやっていると難しい面もあって、人事部としてはジョブローテーションで変化に対応できる社員を育てたいと思っています。だから、「僕はAというキャラクターが好きで入ってきたんだ、10年後もAをやっていたい」という人の希望はバンダイではかなえられないという観点も選考過程では出てくる。できれば「私は企画も営業もやりたい」というオールラウンドなゼネラリストのほうが、バンダイには合っている気がします。一方で設計などのスペシャリストは別枠で採る、ということです。
――「自分らしい写真」という欄もありますね。
ここは結構人間性が出るんですよ。たとえば何かの集まりで友だちと撮った写真なら、この人友だちこれだけいるんだなとわかる。「サークルで優勝しました」という写真でも、写っている場所でその人の立ち位置がわかる。自分の家で自作の作品と自撮りする人もいます。写真を見ることで、人物が見えるんです。写真館で撮った建前の写真は伏せてこっちを見ますね。
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2024/11/21 更新
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