株式会社 バンダイ
2016シーズン 【第10回 バンダイ】
誰かの「好き」を追求できる人がいい 子供の笑顔のため頑張れる仕事
バンダイ人事部ゼネラルマネージャー 富樫憲(とがし・あきら)さん
2015年02月20日
――2014年と2015年入社の採用数を教えてください。
2014年度入社は45人、2015年度入社は44人です。
――2015採用では全体的には内定辞退が増えたと言われていますが、人気企業ですからほとんどないのでしょうね。
これまで最終面接日が5月中旬ごろと結構遅かったんです。この時期に受けるということは基本的には入る意思がある人しか受けないので、辞退率は低いんじゃないでしょうか。
――男女比は?
東京採用の総合職は、結果的に半々です。静岡にあるバンダイホビーセンターという部署では総合職と別に採用しているのですが、こちらは男性の比率が少し高いですね。
――男の子向け玩具と女の子向け玩具を両方作るために、バランスをとっているのですか。
不思議なもので、だいたい半々ですね。
――採用人数の増減傾向は?
ここ数年は45人前後ですが、2013年入社は30人前後で、2012年入社はまた45人前後です。人数の増減は景気の動向というよりその時の採用方針によるもので、それほど大きな意図はないと思います。
――総合職以外に、バンダイホビーセンターとボーイズトイの設計だけは別枠で採用するんですか。
バンダイの総合職は営業も企画もマーケティングもなんでもやるのですが、設計に関しては学生までの素養が大切ですので、そこは別で採用しています。
――それぞれ何人くらい採用しましたか。
ボーイズトイの設計が2人、バンダイホビーセンターが3人です。ボーイズトイの設計は近年採用枠を設定し、静岡は高校生も含めてほぼ毎年採用しています。
――なぜ、ボーイズトイの設計の採用を始めたんですか。
技術の伝承という意味で、このタイミングで新卒社員が必要だったということです。2016年度は採らない可能性もあります。おもちゃの設計市場ってそれほど大きくないし、車の設計をやっていていきなりおもちゃの設計をできるということでもないので、自前できちんと育てていきたいんです。基本的には大学で設計を学んでいた学生を採用します。
――ガールズトイの設計については?
ガールズトイは中国の工場で作ることが多く、設計も協力メーカーがやってくれることが多いんですが、内部でやっているものもあります。そこはキャラクターによって違うということです。
――大学名はチェックしますか。
ほとんど見ません。だからバラエティーに富んだ出身大学が並んでいると思います。
WEBテストやSPI検査をやっていますが、これは、あまりに大学名を見ないで募集をかけており、多少は学力をチェックする必要があるからです。特に成績で足切りすることはないんですが、それまでの選考結果を踏まえて当落線上の学生の当否を考える時に使いますね。
エントリーシート受付会で1分面談 雑なESは読まない!
――プレエントリーは何人くらいですか。
WEBでのプレエントリーは約2万人、本エントリーは約5000人です。最近この数字はあまり変わらないのですが、私が採用に携わるようになった2014年新卒の採用から、これまで郵送で受け付けていたエントリーシート(ES)を社員が直接受け取る「エントリーシート受付会」という方法に変えました。これで本エントリー数は500人くらい減りました。2015年新卒採用で2年目ですね。
――「エントリーシート受付会」とは珍しいやり方ですね。期間は?
2014年は2月からはじめて3月上旬くらいまで。ここ東京・駒形の本社と、北海道、名古屋、大阪、福岡で開催しました。来場前に予約をしてもらうシステムです。
――学生が来たらどう対応するんですか。
まず自己紹介をしてもらい、ESを見て軽く会話して「ESでここは見てほしいというところはある?」と教えてもらう感じです。「ここを一生懸命書いたんです」というところをお互い共有できるので、その部分をあとでしっかり見ます。大勢来てくれるので、時間は1人1分半までで切り、質問は受け付けないようにしています。
――どうして「受付会」を始めたんですか。
一度学生と話してからESを読むと読みやすくなるんです。ESって、写真館で撮った普段とは違う装った写真が貼ってあったりする。でもそういう印象にとらわれず、実際にこういう人が書いたんだと知ってからESを見ないと、きちんと精査できないということです。時間は1分~1分半なので限られてはいますが、それでも会うと会わないとでは全然違います。直接会うのは、学生の「社員と会ってアピールしたい」という気持ちと、こちら側の「せっかく書いてくれた人の顔が見たい、そうしたほうが見やすい」という思いからで、選考とは無関係です。
――それでも本人に会うわけですから、そこで「×」をつけるということもありますか。
ESの見方には影響すると思いますが、ここは分母を多くとりたい場面なので、ESで通過を判断します。
■ES
――ESの中身について教えてください。
たとえば「これだけは人に負けないと思うこと」「バンダイの弱み、克服と解決策」「子ども時代で一番楽しかった思い出」「最も自分らしい写真」「自分の10年後」といった項目です。
なるべくシンプルにしています。うちはおもちゃ会社ですから、デザインはできないよりはできたほうがいいし、絵がうまい学生も多い。だからアイデアをプレゼンさせるような凝ったESにすると、どんなに企画がつまらなくても、そういうデザインや絵が上手な学生がよく見えちゃうんですよ。だから逆に、ESはシンプルにするようにしています。これでも、学生によって差はすごく出るんですよ。
――どんな差が出るんですか。
「10年後の自分」の欄に、絵をうまく入れてきたり、筆ペンを上手に使ってきたりする学生もいます。一方で小さくキャラクターを描いてきた学生がいましたが、会話があまり続きませんでした。
下手でもいいんです。大切なのは丁寧に書いているかどうか。字が下手でも丁寧に書いているかどうかはわかる。新卒で就活する機会は一生に1回ほどしかないので、そのESに時間を使って丁寧に書いてほしい。丁寧でない人は仕事も雑にしそうですし……。
――「子ども時代で一番楽しかった思い出」は、おもちゃメーカーらしい項目ですね。
ここは結構大事にしています。バンダイって結構忙しい会社なんです。これだけ物があふれている時代、「夢や感動を届ける」といってもそんなに簡単なことじゃない。そんなとき、子ども時代にこんなお菓子を食べて楽しかった、こんなクリスマスプレゼントをもらってうれしかったという「原体験」があると、どんなに忙しくてもそれを乗り越える原動力になるんじゃないかと思います。
――「負けないところ、強み」という欄はスペースが大きめですね。
「私は○○をやってました」「私の強みは○○です」みたいな、学生が事前に考える定型文があると思うので、それをここに自信をもって書いてほしい。
――「バンダイの弱み」という欄は何を見るんですか?
これは2015年新卒採用から設けた欄で、バンダイのことを調べてくれているかどうかを見ます。バンダイの人はポジティブだし、歯に衣着せないところがある。だから弱みはどんどん言い合い、改善していってくれないと困る。面接時に「弱みは面接官の前では言えません」という学生より、弱みをちゃんと言えるくらいの強いハートの人がいいと思いますね。
――「10年後の自分」を書かせる狙いは?
バンダイは5年に1回の目安でジョブローテーションをするようにしています。私たちエンタメ業界では、流行の動きが早く、5年先、10年先が見えなくもあります。そんな業界で闘っていくためには同じ業務をずっとやっていると難しい面もあって、人事部としてはジョブローテーションで変化に対応できる社員を育てたいと思っています。だから、「僕はAというキャラクターが好きで入ってきたんだ、10年後もAをやっていたい」という人の希望はバンダイではかなえられないという観点も選考過程では出てくる。できれば「私は企画も営業もやりたい」というオールラウンドなゼネラリストのほうが、バンダイには合っている気がします。一方で設計などのスペシャリストは別枠で採る、ということです。
――「自分らしい写真」という欄もありますね。
ここは結構人間性が出るんですよ。たとえば何かの集まりで友だちと撮った写真なら、この人友だちこれだけいるんだなとわかる。「サークルで優勝しました」という写真でも、写っている場所でその人の立ち位置がわかる。自分の家で自作の作品と自撮りする人もいます。写真を見ることで、人物が見えるんです。写真館で撮った建前の写真は伏せてこっちを見ますね。
あえて集団面接で学生比較 ファッションで個性見せて
――2015年新卒採用はどんな流れでしたか。
ESでの書類選考は、必ず何人通すとは決めていませんが、だいたい5分の1くらいに絞ります。4月に入ってからグループディスカッションを行いました。その後、連休前ごろにゼネラルマネジャー(GM、部長クラス)面接があって、連休後に役員面接をして終了です。
――グループディスカッションではどんなことをしたのですか。
例年同じです。学生4~7人くらいのグループを作り、たとえば「宇宙人のような架空の人物に売れる商品」といったテーマで商品を企画してもらいます。材料は特に提供せず、紙だけ。時間は計1時間くらいで、30分くらい考えてもらってから発表してもらいます。発表の形式などは自由です。
――どんなところを見るんですか。
簡単に言うと「イニシアチブ」を取れるかですかね。議論をリードできるというイニシアチブだけではなく、時間の管理や、発表は私がやるというイニシアチブもある。聞き上手で「うんうん、じゃあそれはこういう風に発表しようよ」と流れをまとめていく力もイニシアチブだったりします。それぞれ個性が出てくるといい。
人にはそれぞれ役割があるじゃないですか。全体のまとめ役だからいいということではなく、自分の役割の中でイニシアチブを取れることが大事。中にはグループディスカッション中なにもしゃべらない学生もいますからね。そういう学生は向いていないと思います。
■面接
――次の部長クラスの面接はどんな形式ですか。
集団面接です。日によって異なりますが、学生4人に面接官は3人くらい、時間は30~40分程度です。学生側からすると、個人でじっくり見てほしいと思うでしょうが、集団面接にすることで、学生同士を比較できるからです。
――この段階で見るポイントは?
そもそもES提出の「受付会」では学生と1分くらいしかしゃべっていないので、まともに自己PRを聞けるのはここが初めて。ですから、ここで意外に優劣がつきます。ESがバンダイにぴったり合っていて、グループディスカッションでも活発に発言していたのに、いざ面接してみると期待通りではなかったという学生がいます。もちろん、期待通りの学生もいますよ。
――最後の役員面接は個人面接ですか。
役員面接もさきほどと同じ理由で集団面接にしています。学生6~7人に対して常勤の役員7人が全員向かい合わせに並んで、1時間くらいやります。よくバンダイの最終面接は特徴があるとか、「自分を動物に例えたら?」と聞かれるとか言われていますが、実際は「なぜバンダイに来たいのですか」といったシンプルな質問が多いし、そういう質問のほうが結構注目して見ていますよ。
――同じ質問をして全員順番に聞いていくんですか。
自己PRはそうですが、それ以外は挙手制が多いです。学生が7人くらいいると、自分の言いたいことを先に言われたりすると並び順で不利が出ますから。学生の中で「今回は僕」「次はあなたかな」とか、バランスを取り合って協調しています。
――富樫さんが見るポイントはありますか。
その人がバンダイで働いている姿が想像つくかというところを見ていますね。
――役員面接でも落とすんですよね。
半分まではいきませんが、多少落としますね。最終面接まで行けば合格というわけではありません。
――2016新卒採用は経団連の倫理憲章で選考時期が後ろにずれます。どんなスケジュールをお考えですか。
採用説明会は3月から、選考は8月を予定しています。
■服装は自由
――面接の案内に「服装は自由」と書いていますが、実際にはどんな服装で来る学生が多いのですか。
6対4で私服が多いですね。広報活動のときに結構伝えていますから。会社もノーネクタイでラフな格好の社員が多いので、本当に私服で来てほしいと思っています。
――就活スーツで来ると不利ですか。
不利ではありませんが、コンサバ(保守的)だなとは思いますね。学生も選考が進んでいくうちに違和感をもつのか、最終面接まで就活スーツという学生はあまりいないですね。
ファッションって個性じゃないですか。バンダイは選考の回数も多くないし、できるだけ個性がわかるようにして来てほしいということです。一般的なスーツだと個性が見えない。うちは企画会社で、アパレル事業部もあるし、ファッションに関しても様々な事業で頑張っているので、ファッションにも興味を持っていてほしいと思います。
――「服装は自由で」と強く言うと、奇抜な服装で来る学生はいませんか。
そういう学生はいません。
そして身だしなみは大事です。僕は清潔感を大事にします。我々は版権元からキャラクターをお借りして仕事をしている。不快を与える格好をしていたら嫌な気持ちになる取引先の方もいるでしょうから、清潔感は大事です。さきほど「字を丁寧に」という話をしましたが、身だしなみも同じこと。寝癖のままで面接に来る学生とか、結構いますよ。
前向きでチャレンジ認める会社 多趣味な人が合う
――バンダイはどんな会社ですか。
ポジティブで、前向きな会社だと思います。チャレンジすることを良しとするし、チャレンジしたくなる会社です。
おもちゃって、生活必需品ではない。世の中になくても困らない。そんな中でエンターテイメントを提案していくためには、常に前向きで、常に誰かに提案できるような姿勢が必要です。本当は必要ないものだとしても、前向きに提案されたらお客様だってほしがるでしょう? ダメだったとしても、もう1回新しいものを提案できるようなポジティブな人がいい。キャラクターもアニメも悪い結果が出ることがありますが、そういう時にいちいちネガティブになっていたらいいものはつくれないと思います。
――どんな社員が多いのでしょう?
私たちはメーカーですし、各部で商品の企画を考えて商品化していく事業部制を敷いています。常に各部署が新しいことを考えて提案してくことが必要なんです。だからエンターテインメントに敏感だったり、情報の感度をよくするために何をするかを考えたりしている社員が多いと思います。
バンダイ社員が働く様子を他社の方が見て、「社員がみんな笑顔ですね」と言われることがよくあります。自分たちが笑顔じゃないとユーザーの方に夢を与えられないので、相手が笑顔になれるように自分も笑顔で仕事をしようという意識はあると思います。
――学生にも「チャレンジ」や「ポジティブ」な姿勢を求めるんですか。
はい。基本的には学生にも求めています。ただ声が大きければいいということではなく、おとなしそうだけど内心に燃えるポジティブさを持っているなど様々なタイプがほしいですね。
――基本的には「おもちゃ好き」な学生が受けに来るんでしょうね?
嫌いな人はいませんが、違うところに関心のある方も結構います。バンダイはキャラクターを軸にいろんな事業展開をしているので、その事業展開の幅広さにひかれてくる、自分でビジネスをやりたいと言って入社する学生も結構います。
――バンダイの商品がすごく好き、キャラクターが大好きという学生も多いと思いますが、そういう学生はどう思いますか。
忙しい会社でもあるので、「自分の好きな物がある」というだけならユーザーのままでいてもらったほうがお互いのためになる。社員になるためには、「誰かに何かをしてあげたい」という気持ちがセットにないとダメなのかなと思いますね。
それと「ユーザー視点」が必要だと思います。自分が好きなものを好きなようにしたいということではなく、自分の隣にいるユーザーがどう思うのかを考えられるなら、好きなことは別にいいと思いますよ。
――いわゆるオタク系の社員は多いんですか。
「Aも好きだけどBも好き、Cも好き、Dも好き」という、一つだけじゃなくたくさん好きなものがある社員が多いですね。そこがいいところです。バンダイは趣味の幅が広い人のほうが合いますね。
――「好きなことを仕事にしたほうがいい」「しないほうがいい」両方の言い方がありますが、どちらが正しいと思われますか。
自分じゃなくて、周囲の人の「好き」を追求できるかどうかだと思います。自分が好きなものがあるからこそ、他人の好きなものもわかってあげられるという風になると一番いいと思います。そこは面接でもすごく質問しますね。
――バンダイのいいところってどんなところでしょう?
商品を提供するメインの対象が子どもっていうのは、すごくわかりやすくていいですね。
子どもにとってオンリーワンの価値を提供できる可能性があるので、何かあっても、仕事がきつくても立ち返れる。子どもの笑顔のために頑張っているって真剣に思える瞬間が、年に何回か本当にあるんですよ。そういう意味で、社員は「おもちゃ好き」より「子どもの笑顔を見るのが好き」が大前提だという気はします。
あと、人を喜ばせようとする社員が多い。学生にはよく、「サプライズパーティーをやりたがるタイプの学生がほしい」と言います。相手の予想を裏切って、相手が喜ぶ姿を想像していろいろできる人。その延長線上に私たちの仕事があると思います。
――内定が競合するのはどんな会社ですか。
同業他社よりも、ゲーム、出版社、広告代理店といったあたりです。海外在住経験があって、日本発のキャラクターが広がっていく課程を見てきた学生の中には、「ライツ(権利)ビジネスがやりたい」という希望を持ってくる人もいます。海外展開はまだこれからなので、そこにやりがいを見いだす学生もいますね。
■バンダイの仕事
――バンダイの仕事について教えてください。
基本的には「キャラクターマーチャンダイジング」なんだ、という説明は学生に必ずします。自社で生み出したキャラクターもありますが、基本的には映画会社や出版社などの版権元からキャラクターの権利をお借りして商売させてもらっている、ということです。そうしないと、弊社がキャラクターを作っていると勘違いしてくる学生も出てくるので。
――営業関係の仕事が多いのですか。
そんなことはありません。事業部は流通経路ごとに分かれています。トイ・おもちゃ流通、ホビー流通、お菓子の流通、トイレタリー、日用品流通、アパレル流通などに分かれて事業部制を敷いています。それぞれの部門に、営業、企画開発、広告宣伝、仕入などの仕事があります。
――2005年にテーマパーク運営などを手がけている「ナムコ」と経営統合し「バンダイナムコホールディングス」の傘下になりましたが、採用なども一緒に行っているのですか。
広報活動を一緒にやっています。
――合併前と後で変わったことはありますか。
事業の幅は広がりましたが、働き方はそれぞれの会社を踏襲しているのでほぼ変わりません。
――おもちゃ会社というと楽しいイメージですが、内実は大変なことも多いのでしょうね?
サプライズパーティーも年に1回ならできますが、365日やれと言われると大変ですよね。同じものではサプライズにならないし、お客様の期待を毎日越えていかないといけない。そこが厳しいところです。一つキャラクターがブレークしても、同じようなものを出して売れ続けるということはない、「昨日見たよそれ」となってしまう。だから手を変え品を変え、周りから情報を集め、失敗することも多いのでポジティブに発想していかないといけない……。仕事の難易度が上がっていくのを乗り越えるのが大変だと思います。
――かなり忙しい?
企画という仕事には際限がないんですよね。何か考えはじめると「もっと、もっと」となってしまって、午後5時半で仕事を終わらせるのが難しい、自分で忙しくしてしまうということはあります。
それでも、「仕事は限度をもってやろう」という意識がだんだん浸透はしてきています。また、忙しさは季節によってもかなり変わります。
――みなさん、情報はどうやって集めるんですか。
各自それぞれですが、街に出かけたり、マスメディアから情報を得たりしていると思います。人が好きで、取引先やグループの人の衆知を集めるのがうまい社員も多いと思います。
――新聞を読んでいるかどうかは大事ですか。
新聞を読んでいるか、面接で直接聞くことはありません。ただ、世の中の動向はもちろん、仕事に使えそうな新しい情報や、世間ではやっている面白いものを見つけたりするために、新聞などを使ってアンテナを張ってほしいですね。
――冨樫さんご自身の就活を振り返ってください。
私は17年前に就活したのですが、ちゃんと自分のやりたいことを明確にせず、周りの人が受けていた会社をなんとなく受けていました。バンダイを受けたのは、「楽しそうなことができて自分の思いが形にできる仕事だ」と思ったからです。
履歴書に変なエピソードをいっぱい書きました。「ママチャリで軽井沢まで20時間かけて行ってケツずれがした」とか。そこが評価されたんでしょうか(笑)。
――これまでの仕事歴と、印象に残っている仕事を教えてください。
最初はキャラクターもののシャンプーを売る仕事を5年間。そこから「トイ部門」、さらに「ショップ事業」に移りました。おもちゃ離れする9歳以上の女子にターゲットを広げようと、渋谷で子ども向けの化粧品のショップをやったり、小学館さんと一緒にブランドを作って子ども服を売ったりしていました。そのあと人事に来ました。
この「ショップ事業」はずっと赤字だったんですが、私はその間に昇格できました。本当は売上や利益が大事なんですが、そこだけを評価すると社員がみんな売れ筋のキャラクターだけに集まってしまう。そうならないよう、チャレンジすることを是とする、歯を食いしばって頑張っている社員を悪いようにしない、という会社の風土を感じましたね。バンダイイズムの一つに「仕事の報酬は仕事」という言葉があって、チャレンジし続けると「もっとやれよ」と新しい仕事をもらえるんです。
――子どもの喜んでいるところを直接見ることはよくありましたか。
僕は映画などではほとんど泣いたことがないのですが、仕事やイベントでは何回も泣きました。版権元さんとか出版社さんとチームワークができて、最後に子どもが行列していたりすると、感極まります。
みなさんに一言!
バンダイはキャラクターマーチャンダイジングをビジネスの根幹としていますが、キャラクター以外にも様々なビジネスがあって何にでも挑戦できる会社です。幅広い事業をしているので、社内の異動が転職に近いくらいのインパクトがあります。自分の可能性を決めきれず、いろんなことにチャレンジしたい人はぜひ、バンダイという会社を一回見てもらいたいと思います。
株式会社 バンダイ
【レジャー・エンターテインメント】
バンダイは企業スローガンとして「夢・クリエイション~楽しいときを創る企業~」を掲げています。使命は世界中のお客様に夢や感動を体験していただける商品・サービスを生み出していくことです。バンダイが展開するキャラクターマーチャンダイジングというビジネスモデルは、そのノウハウはもちろん、事業領域の広さでも世界に類を見ない極めてユニークなものです。しかし現在、我々を取り巻くメディア環境は相当なスピードで変化しています。こうした状況を踏まえて、さまざまなメディアとの連動を軸にしたこのビジネスモデルをさらに進化させていくことが大変重要です。また、日本だけでなくグローバルに展開することで、世界におけるバンダイの存在感を高めていきたいと考えています。
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