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「管理職になりたい」日本の割合は突出して低い
管理職の「罰ゲーム化」はなぜ起きたのでしょうか。今回の記事で小林さんは、その理由のひとつは仕事の負荷が高くなりつづけていることだと指摘します。仕事の負荷が高くなった原因は以下のとおりです。
・バブル崩壊以降の「組織のフラット化」
フラット化とは、いわゆる中間管理職を減らして組織を平面的にすることです。意思決定が早くなるなどのメリットがあります。フラット化がすすんだことで管理職は減り、管理職一人あたりの部下の数は増えました。
・従業員の態様の複雑化
ダイバーシティーがすすみ、女性や非正規雇用の従業員が増えました。男性正社員が中心だったかつての組織にくらべ、気をつかうポイントが増え、マネジメントが複雑になりました。
・パワハラ防止の法改正と働き方改革
部下に対する言葉遣いや接し方に気をつかう場面が増えました。また、働き方改革は効率化ではなく「労働時間削減」だけに焦点があたり、しかもその対象が一般社員に限られ、管理職が「はみ出た仕事」を一手に担う形になりました。
20代からエリートを選抜し養成
ただ、記事で小林さんは真の問題は、こういった外部環境が厳しくなるなかで会社の経営、人事といった内部の判断が、管理職の負荷を上げるほうにばかり向かってきたことだと指摘しています。経営者は「管理職を鍛えあげればなんとかなる」とばかりに研修ばかり増やし、結果、管理職は人事評価でもトラブル対応でもあらゆることを担う「何でも屋」になると小林さんは言います。本来管理職は部下7人程度が限界といい、負担軽減のためには管理職を増やすことが必要と考えられますが、多くの企業は人件費が増えることをいやがり、管理職ポストをなかなか増やしませんでした。結果、管理職が「罰ゲーム」となったというわけです。
どうすればいいのか。小林さんは記事中で、
・研修対象を管理職だけでなくメンバーにもうけさせる
・社内でつながりを生むしかけをつくる
・20代のうちにエリート層を選抜し、選ばれた人に特別な経験や研修をする
といった策を提示しています。特に3番目の早期選抜は、女性の活躍を促すためには必須だと小林さんは語ります。
副部長になったが長時間労働に
朝日新聞デジタル版では今年2月、「『昭和98年』の女性登用 管理職はなぜ増えない?」という連載が掲載されました。政府は2003年に、企業の管理職らリーダー層を指す「指導的地位」における女性の割合を「20年までに30%程度にする」という目標を掲げましたが、いまだに達成できていません。
連載1回目では、3年前に女性初の副部長になった40代後半の女性(子ども2人)のケースをとりあげています。いわゆる「就職氷河期」世代で、システムエンジニアとして入社し20代は残業、休日出勤あたりまえの生活を送りました。34歳で第2子が生まれてからも仕事をつづけましたが、ここで出世コースから外れ、いわゆる「マミートラック」に配属され、以前やっていたようなクリエイティブな仕事を任せられない日々が続きます。
40歳になるころに人手不足もあり難しい仕事をまかされ、努力をつみかさねて副部長に登用されます。しかし、定時のあとに大事な会議が設定されたり、会社を出る直前に翌朝締め切りの仕事をまかされたりと、長時間労働に巻き込まれるようになり、仕事と家庭生活の両立が困難に。上司に相談しても「事情がある人は管理職にならなくていいんだよ」とまで言われ、約9カ月で管理職を降りたいと告げたそうです。
女性に希望とやる気をあたえる制度設計を
残念ながら、男性以上に女性にとって管理職は深刻な「罰ゲーム」となりうる環境がまだ残っているのが日本です。管理職を避ける社員が増えると組織から活力が失われ、やがては立ちゆかなくなっていくでしょう。男性も女性も、きちんと夢をもって管理職をめざせるような仕組みをつくることは組織生き残りのためにも重要な課題なのです。はやくからエリート層を選抜して管理職へのルートを意識させるという小林さんの案はかなり刺激的ではありますが、特に未来の展望を失いがちな女性に希望とやる気を与える意味ではたいへん重要な提案といえそうです。
人手不足もあり、早期に管理職となる若手社員もこれから増えてくると予想されます。自分は管理職になりたいのか、どういう管理職をめざしたいのか、会社は管理職を育てる意欲がきちんとあるのか。就活に際しても社会人になってからも、折にふれて考えたいテーマだと思います。
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