(写真はiStock)
- トップ >
- 就職最新情報を知る >
- 就活イチ押しニュース >
- 記事一覧 >
- 記事詳細
(写真はiStock)
イーロン・マスク氏「週40時間以上はオフィスで働け」
「お互いに教え合い、学び合うことがスムーズになる。協力やブレーンストーミング、発想が効果的にできる。そして、チームの結びつきが強くなる」
アメリカの大手企業で、テレワークをやめて出勤を増やす動きが目立ってきています(図表=朝日新聞社より)。コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーが2024年に行った調査では、アメリカの労働者の68%が最低で週4日間の出勤を命じられていたそうです。これは前年に比べ、34ポイントも増えています。電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスクCEOは2022年から、週に40時間以上はオフィスで働くよう命じました。彼は「オフィスに来ないのは働くフリだ」と発言しています。また、チャットGPTなどを手がけるオープンAIのアルトマンCEOも「テック業界の最大の過ちは完全在宅勤務を導入したことだった」と発言をしています。
出社で「セレンディピティー」生まれる
また、アマゾンのジャシーCEOは「画期的な発明は、ミーティング後に残って議論を続けたり、同僚と戻る途中で話し合ったりすることで生まれた」とも語っています。ミーティング外で自然発生的に生まれる会話がいわゆるセレンディピティー(幸運な偶然)を生み、創造性や問題解決につながるとされているのです。ミーティングはオンラインでもできますが、所定の時間がくれば会話を続けることができません。ミーティング後に廊下やエレベーターの待ち時間などでしゃべるちょっとした内容が、思いもかけないアイデア創出に結びつくということは、筆者にもいろいろと経験があります。かつて記者をしていた時代、上司から「取材が終わったあとに取材対象者とするちょっとした雑談が、企画を考える重要なヒントになる」と教えられたこともあります。
(写真・バスで出勤するアマゾンの従業員ら=米シアトル/朝日新聞社)
週5日出社は「安上がりなレイオフ」
一方で、在宅勤務にもさまざまなメリットがあります。なによりも、通勤の時間がなくなり、ワークライフバランスが大きく改善されます。会社側にとっても、出社する人数が減ることでオフィス面積を減らすなどコストを削減することができ、また家庭の事情で出勤が難しい人や地方在住者なども確保できるという利点があります。在宅勤務ができなくなると、特に女性の離職率が高まるという調査結果もあったそうです。
スタンフォード大の経済学者ニコラス・ブルーム教授は朝日新聞の取材に、アマゾンが週5日出社を求めた理由はむしろ離職の促進ではないかと語っています。アマゾンはコロナ禍で巣ごもり需要が膨らんだ時期に従業員を増やしましたが、これを解雇するとなると退職金などのコストがかかります。「出社の義務化で5~10%の従業員が自発的にやめることを期待した。これは安上がりなレイオフ(一時解雇)だ」とブルーム教授は推測しています。
ブルーム教授の研究では、完全在宅勤務では社員の生産性は10%ほど落ちましたが、在宅と出勤を組み合わせるハイブリッド勤務では毎日出社した場合と生産性は変わらなかったそうです。「週3日程度の出社で深いコミュニケーションは十分にとれる」とブルーム教授は語っています。
テレワーク実施率年々下がる
日本生産性本部がコロナ禍以降数カ月に1回働く人1100人を対象に行っているアンケート調査で、2025年1月の調査ではテレワーク実施率は14.6%で過去最低(2020年5月の第一回は31.5%)となりました。自宅勤務制度については23.3%が「制度を利用できる」と回答した一方で、「制度を利用できない」という回答は59.3%にのぼっています。アメリカの大企業がテレワーク縮小に動き出したことで、日本でも同様の動きが加速するかもしれません。
テレワークもオフィスワークもそれぞれ利点と欠点があり、業種、職種の違い、家族の状況によって適切なワークスタイルは働く人それぞれ異なります。会社を選ぶ際にその会社がテレワークに対してどのようなスタンスで運用しているかは、よりよい働き方を選択するうえで重要な情報になります。公開されている情報をチェックし、可能であれば説明会やOB・OG訪問で実際にどう運用されているのかを確認するとよいでしょう。
◆朝日新聞デジタルのベーシック会員(月額980円)になれば毎月50本の記事を読むことができ、スマホでも検索できます。スタンダード会員(月1980円)なら記事数無制限、「MYキーワード」登録で関連記事を見逃しません。大事な記事をとっておくスクラップ機能もあります。お申し込みはこちらから。
2025/04/18 更新
- 不正アクセスあったIIJ、複数省庁でも利用 総務省や財務省など(19:15)
- 「審判とプレーヤーが同じようなもの」 世界で強まる巨大IT規制(17:58)
- 飛ぶように売れる純金小判 有事に輝く金 史上最高値 活況の黄金展(17:00)
- 働き手を「悪魔化」した帰結としての世界危機 蘇った10年前の警告(16:00)
- 証券口座「乗っ取り」急増、2カ月半で1454件 金融庁が注意喚起(14:45)
※就活割に申し込むと、月額2000円(通常3800円)で朝日新聞デジタルが読めます。
就職最新情報を知る
企業と業界を知る
ニュースで就活力を高める
-
1
就活イチ押しニュース米関税引き上げ、世界に衝撃 就活への影響にも注意を【週間ニュースまとめ3月...
-
2
就活イチ押しニュース大阪・関西万博開幕 前回大阪万博ほどの盛り上がりはないが……【週間ニュース...
-
3
就活イチ押しニュース米アマゾンが在宅勤務を廃止へ 「脱・テレワーク」日本でも広がるか?【就活イ...
-
4
就活イチ押しニュース日本郵政、強まる官僚色 20年前の盛り上がりは何だったのか【週間ニュースま...
-
5
就活イチ押しニュースフジテレビ問題「業務の延長線上で性暴力被害」認定 すべての就活生に考えてほ...
-
6
就活イチ押しニュース「いやな点が少ない」会社を探すことでフィットする会社に出合える【26卒学生...
-
7
就活イチ押しニュース就活「解禁」でエントリー再開、会社は絞り込む【26卒学生の就活ルポ28】
-
8
就活イチ押しニュース商品券問題、インフレ進行……時代の変わり目感じ取るようにしよう【週間ニュー...