
前の週に高市早苗氏が
自民党総裁に選ばれ、「女性初の首相誕生へ」と大きく報じられました。しかし、この週にはそれが怪しくなるニュースがありました。
公明党が自民党との連立を解消したのです。公明党は衆議院で24議席あり、196議席を持つ自民党とあわせれば220議席という勢力になります。衆院過半数の233議席には足りませんが、野党の
立憲民主党、
日本維新の会、
国民民主党の3党を合わせた210議席は上回ります。そのため、国会の
首班指名選挙で高市総裁が首相に選ばれる可能性はきわめて高いとみられていました。
しかし、公明党が自民党との連立を抜けると、野党3党の議席数は自民党単独の196議席を上回ることになります。野党3党がまとまれば、野党から首相が出ることになるのです。情勢が混とんとしてきたことから、首班指名選挙の日程もまだ決まりません。日本の政治は重大な岐路を迎えているといえます。政治の安定は必要ですが、安定がよどみを生んではいけません。政治には時々こうした緊張をもたらす不安定な局面も必要なのだと思います。政局はどういう形で落ち着くのか、関心を持ってみるようにしてください。(ジャーナリスト・一色清)
(写真・自民党の高市早苗総裁との会談後、記者会見で連立政権からの離脱を表明する公明党の斉藤鉄夫代表=2025年10月10日/朝日新聞社)
★【科学】ノーベル生理学・医学賞、阪大の坂口志文氏らに 制御性T細胞を発見(10/6.Mon)
スウェーデンのカロリンスカ研究所は6日、今年のノーベル生理学・医学賞を、大阪大の坂口志文(しもん)特任教授(74)らに贈ると発表した。業績は「免疫が制御される仕組みの発見」。病原体 を攻撃する免疫細胞の中に、免疫反応の暴走を止めるブレーキ役の「制御性T細胞」を発見した。この細胞の働きが弱まると、免疫細胞が体内の正常な組織を攻撃して自己免疫疾患などの病気になることも突き止めた。
スウェーデンの王立科学アカデミーは8日、今年のノーベル化学賞を、京都大の北川進特別教授(74)ら3人に贈ると発表した。地球温暖化の原因になる二酸化炭素の回収など、さまざまな環境問題の解決につながる可能性がある「金属有機構造体(MOF)」を開発した業績を評価した。(10/8.Wed)
★【国際】ガザ和平案の第1段階で合意 「まもなく人質解放」とトランプ氏発表(10/8.Wed)
トランプ米大統領は8日、パレスチナ自治区ガザでの戦闘をめぐり、イスラエルとイスラム組織ハマスの双方が「我々の和平案の第1段階に合意した」とSNSで発表した。「全ての人質がすぐに解放され、イスラエルはまず、合意されたラインまで軍を撤退させる」としている。ハマスは9日、ガザでの戦争終結とイスラエル軍の撤退、支援物資の搬入、収監されている人らの交換の合意に達したとする声明を発表した。トランプ氏や仲介国に対して感謝を示す一方で、イスラエルが合意を破ったり遅らせたりすることなく、完全に履行するよう要請した。
★【政治】公明党が連立政権離脱、26年の自公協力に幕 政治とカネ「限界」(10/10.Fri)
公明党の斉藤鉄夫代表は10日、自民党の高市早苗総裁との党首会談で、連立政権からの離脱を伝えた。自民派閥の裏金問題を受けた企業・団体献金の規制強化に、自民が応じないことなどを理由に挙げた。1999年の自民、自由党、公明の連立政権発足以来、26年間続いた自公関係は解消された。約1時間半の会談後、高市氏は記者団に対し「一方的に連立政権からの離脱を伝えられた」と述べた。斉藤氏は高市氏と別に会見し、今後の自民との選挙協力を含む関係について「白紙とする。区切りをつける」と語った。
★【政治】石破首相、戦後80年の所感発表 「なぜ戦争を…」個人の立場で検証(10/10.Fri)
石破茂首相は10日、戦後80年の節目にあわせ、歴史検証と教訓をまとめた首相個人の所感を発表した。戦後50年以降、歴代内閣が10年ごとに閣議決定してきた首相談話の歴史認識を引き継いだ上で、「なぜ、あの戦争を避けられなかったのか」を首相個人の立場で検証した。石破首相の所感では、歴史認識に関する歴代内閣の立場を「引き継ぐ」とした。そのうえで、「過去3度の談話においては、なぜ、あの戦争を避けることができなかったのかという点にはあまり触れられていない」とし、「戦後80年の節目に、国民の皆様とともに考えたい」として検証した。
★【国際】トランプ氏、中国に追加関税「100%」11月から 輸出規制に対抗(10/10.Fri)
トランプ米大統領は10日、中国に対して100%の追加関税を課すと自らのSNSに投稿した。11月1日から実施するとしている。中国が同日から大規模な輸出規制を検討していることが判明したためという。計画していた中国の習近平(シーチンピン)国家主席との会談についても、「そうする理由がない」などと投稿しており、米中関係は緊張している。米国は現在、中国に30%の関税をかけている。またこれとは別に24%の発動を猶予している。100%の上乗せが実現すれば、対中関税は今春時点の累計145%に匹敵する水準まで高まる可能性がある。
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