どんな仕事がしたいか伝えるには
今回はとうまのお話です。ESに「どのような仕事がしたいですか」「仕事を選ぶ時、何を大事にしていますか」「あなたの仕事選びの軸を教えてください」という項目がよくありますよね。「何を書いていいかまったく浮かばない」。とうまは迷路に迷い込んでしまったようです。
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とうまが書いたESを見てみましょう。
◆あなたはどのような仕事がしたいですか?理由も含めて書いてください。
「ビジネスチャンスが無限に広がっている仕事」です。ビジネスチャンスが無限に広がっていれば、様々な人とボーダーレスにかかわる事ができ、その人々との関わり合いを経て無限に成長を目指し、人々に幸せを与える事ができるからです。また、世界を舞台に商品を製造・販売している貴社は自分の軸を満たし、なおかつ世界で新たな価値を創造し続ける貴社に大変魅力を感じました。
↑ここまで↑
いかがでしょう。「無限に広がる」「ボーダーレスに関わる」「無限に成長」「幸せを与える」「新しい価値を創造し続ける」……。すごくいい雰囲気のことを書いていますが、抽象的なので説得力がありません。
「人々を幸せにしたい」「自分が成長できる仕事がしたい」「海外で働きたい」などの表現も多くの学生のESでよく見ます。このような表現について、私はいけないとは思いません。例えば「人々を幸せにしたい」。これは「人を不幸にする仕事はしたくない」の裏返しですよね。仕事選びで重視することとして書いても問題ないと思います。ただ、「人を幸せにすること」は、極論でいえばまっとうに企業活動をしている会社ならどの会社も当てはまります。ではどうしたらよいのでしょう。ポイントは具体的に書きこむことです。このたとえであれば「どのような人を」「どのような手段で」幸せにしたいのか。なぜそう思うのか。そこにあなたの仕事観やあなたらしさが出ます。「自分が直接接客することで相手を幸せにしたい」「食べ物で幸せしたい」「病気で苦しんでいる人を幸せにしたい」「多くの人をいっぺんに幸せにしたい」。「学生時代にがんばったこと」などで書いたあなたならではの体験と結びついているとなおいいと思います。
ESでは、読み手を「なるほど、こういう仕事をしたいと考えているから、うちの会社に応募してきたんだな」と納得させられればいいのです。具体的に書きこむことで、その会社を志望する理由に説得力が出てきます。
世の中にはいろんな業種があり、たくさんの企業があります。また、ある企業に入ったとしても営業や企画、人事や総務など様々な部署があり、取引先や商品、勤務地などで仕事は変わってきます。あなたがESに書いた仕事と、実際にできる仕事があまりにもかけ離れていたら「うちの会社で採用しても希望の仕事はないからしょうがない」となるでしょう。
みなさんはどのような仕事がしてみたいですか?どのように働きたいですか?
「海外で働きたい」「他の会社の誰かが作った商品やサービスを売るのではなく、仲間の作った商品やサービスを売りたい」「個人でなく、チームで評価される仕事がしたい」「大都市で働きたい」「最新のものに常にふれていたい」「勤務時間が不規則な仕事はしたくない」「ぜいたく品ではなくだれもが使う消費財に関わりたい」など、いくらでも出てきます。漠然とした表現だけ終わらせることがないようにしましょう。ただ、ESに書くときは消極的にとられないように表現には気をつけましょうね。
それではまた。
なおこ