なおこの就活道場 略歴

2016年05月19日

もういちどおさらいしよう、志望動機の「3つのステップ」(番頭フッキーの「就活イヤァオ!」その29)

 まいど! 「なおこの就活道場」番頭のフッキーです。毎回、就活生の陥りがちな悩みを「イヤァオ!」と一刀両断する言葉をお届けいたします。

 技術系の仕事を希望している理系大学院の男子学生君ですが、5月中旬の段階でまだ1社も内定がもらえていません。

 「自己PRはかなり練れてきたのですが、志望動機を考えるのが大変です。研究もしているので、個々の会社について調べる余裕がなくて……」

 と、彼は悩んでいます。そこで、エントリーシート(ES)を出したある土木系の会社の名前を聞き、Googleのニュース検索にかけてみました。その会社が今回の震災でとある技術を使って活躍している、といったニュースがずらずらっと出てきます。彼の専攻分野にも関係のありそうなニュースです。

 「このニュース知ってる?」

 「いえ、知りませんでした。へぇ~すごいですね、こんなことしてるんですね」

 感心しきりの彼ですが、感心している場合ではありません。自分の関心分野にひきつけられそうな会社の動きは、志望動機をつくる上で最高の材料です。会社の動きやトピックは、Googleのニュース検索や朝日新聞の「聞蔵」(きくぞう)、「日経テレコン」などの新聞記事検索エンジン(大学の図書館などにあるはずです)をざっと検索するだけでもつかむことができます。会社のHPにある「ニュースリリース」「最新情報」といったページを見れば、さらに細かく動きをとらえられるでしょう。通学のついで、10分か20分程度でも十分に対応可能です。

 改めて、志望動機に必要な「3つのステップ」をおさらいしておきます。①なぜその業界がいいのか②なぜその会社がいいのか③自分はそこで何をしたいのか、この3要素がきちんと書ければ立派な志望動機になります。

 ①を書くためには、自分が志望している業界が社会に対してどんな価値を与えているのか、その業界でしかできないことは何なのか、自分はどの点に共感したのかを考える必要があります。特に「その業界でしかできないこと」「ほかの業界ではできないこと」を考えましょう。たとえば地方銀行を志望するなら「ほかの金融機関ではできなくて地銀にできることはなんだろう? 地域経済を活性化させること?」などいろいろ考えてください。

 ②を書くためには、上記のようなニュース検索などを通じて会社の研究をしっかりすることが必要です。同業他社についても調べ、その会社でしかできないこと、他の会社ではできないことを自分の言葉で語れるようにしましょう。「トヨタよりも日産でできそうなことは?」「三菱東京UFJ銀行よりも三井住友銀行でできそうなことは?」「三井物産よりも三菱商事でできそうなことは?」という問題意識で考えを深めてください。

 ①、②を考えていくと、③もおのずと生み出されてくると思います。「こんな特徴のある会社で、私は自分のこんな強みをいかしてこんなことがしたい」と書ければOKです。

 経団連加盟企業の面接が始まる6月まであと半月です。この段階で必要なのは、繰り返しになりますが、志望企業に刺さる志望動機づくり、そのための企業研究です。コンサルタントよろしく会社の財務状況から歴史まで完璧に調べる必要はありませんが、特に上記の①、②を固めるためのデータ集めは必須。そのためには、ニュース検索が欠かせません。「学業が忙しい!」「選考が立て込みすぎていろいろ考えられない!」という人は、まずスマホでちゃちゃっとニュース検索をすることから始めてください。

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