なおこの就活道場 略歴

2015年08月19日

人脈づくり? そんなことより「全力づくせ」!(番頭フッキーの「就活イヤァオ!」その9)

 まいど! 「なおこの就活道場」番頭のフッキーです(ノブ&フッキーの鈴木雅之のものまねをする方ではないですよ)。毎回、就活生の陥りがちな悩みを「イヤァオ!」と一刀両断する言葉をお届けいたします。

 今回は、前回お伝えできなかった「人脈づくり」のポイントについてみなさんにイヤァオ!をお届けいたします。就活において大切なのは会社内の雰囲気や選考スケジュールの進み方といった情報、それも友人や社会人の先輩、OB・OGさんからの「生きた情報」です。今年金融機関に多数内定をとった男子学生は友人とのLINEをフル活用し、オープン即締め切りとなるセミナーの情報を確実にゲットしていました。そういった情報をやりとりできるつながりこそが人脈。人脈づくりのスキルは社会に出てもすぐに役に立つことでしょう。
 ゴールドマン・サックス、マッキンゼーといったトップグローバル企業を経験し、ハーバード大のビジネススクールにも学んだコンサルタントの戸塚隆将さん。経歴の中で出会ったエグゼクティブたちの振る舞いを分析した『世界のエリートはなぜ、この基本を大事にするのか?』という本が2013年、ベストセラーとなりました。その第一章のタイトルはずばり、「人との『つながり』に投資する」。まさに人脈づくりの大切さを説いているのです。世界のエリートが実践する人脈づくりの基本、ぜひ就活生に伝授いただこうと戸塚さんのもとをたずねました。

 「学生は人脈を気にする必要はないんじゃないでしょうか」

 おっと、いきなりイヤァオ!なお答えをいただいてしまいました。その意をおうかがいしましょう。

 「そもそも、利益を目的にした人間関係は長続きしません。そういったものを目的にしないからこそ『人脈』になる。人脈はあくまで、副産物なのです」

 なるほど、作ろうと思って作った人脈に意味はないということですね。……となると、学生はいったい何をすればいいんでしょうか?
 「目的意識を同じくする時を過ごした『戦友』を見つけてください。そのためには何でも全力で取り組むことです。日本の就活で体育会系の学生が有利な一つの要因は、こういう『戦友』をたくさん持っていることではないでしょうか」
 人とつながろうと意識せずにつながるためには、同じ目的をもって何かに取り組む時間を長く過ごすことです。当たり前といえば当たり前ですが、なんでも全力で取り組むことはだからこそ大切なことでもあるわけです。器用すぎるよりも、不器用なほうが好感をもたれるともいいます。打算で何かを考えたり「こちらのほうが就職に有利そうだ」とつきあう人をころころ変えたりする人は信用されない、結局は必要な情報も手に入らないと戸塚さんは言います。

 「アメリカでもかしこすぎて転職を繰り返す人よりも、不器用でも一生懸命仕事に取り組む人のほうが最終的にはきっちりと専門領域を確立し、自分の市場価値を高められるということもあるんです」(戸塚さん)
 『世界のエリートは~』には、人とのつながりを強くするいくつかのポイントが提示されています。例えば以下のようなものです。
・人間関係は相手の名前を覚えることから。初対面の人の名前は自己紹介時、話の途中で質問をする際、別れの際の最低3回口に出すと覚えられる。
・相手に真剣に関心を抱く。そのために質問をする。出身地の質問は王道
・2回目に会うときはあえて違うシチュエーションで時間を共有する
・先輩や上司との飲み会を避けない
・どんなに多忙でも週1回は仕事以外の人と会う

 後半を見ていただいてもわかるように、これは何かと忙しい社会人向きのアドバイス。「名前を3回言ってみる」「相手に真剣に関心を持つ」といったコツは共有できそうです。ただ、そこまで多忙ではない学生時代に人脈作りに意識を向けることは、肝心の生きた人脈づくり自体を阻害することにもつながりかねません。

 「そもそも就活に時間を取られすぎないようにすること。自分の好きなことでもなんでもいいから、誰かと何か目的をもって始めてください。ゼミでも部活でも、目の前のサークルに飛び込むのでもいいんです。インターンなどで『人脈作りのために来ました』というような学生に私はあまり好感をもちませんし、一生懸命何かに取り組んでいる人には大人も自然と手をさしのべたくなるものです」(戸塚さん)

 

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