なおこの就活道場 略歴

2015年06月03日

訛(なま)れ!(番頭フッキーの就活イヤァオ! その4)

 まいど! 「なおこの就活道場」番頭のフッキーです。(「ノブ&フッキー」の柳沢慎吾のモノマネをする方ではないですよ)毎回、就活生の陥りがちな悩みを「イヤァオ!」と一刀両断する言葉をお届けいたします。

 さて今回はちょっと趣向を変えて、東京・築地の道場を飛び出し眠らない街・新宿に足を運びました。お目当ては西口から徒歩8分のビル1階にあります「就トモCafe」。首都圏以外で就職活動をしている学生にとってはとても心強いスペースなのです。
 取材のきっかけは、京都で就職活動中の女子学生、ハンナリさんの悩み。マスコミ就職希望の彼女はどうしても東京での就職活動が中心になります。面接や説明会だけでなく、たとえばマスコミ就職塾のような集まりやOB・OG訪問、情報交換の場もほとんどが東京。何度も往復3万円近い新幹線代を払うわけにはいかず、上京時には様々な予定をやりくりして詰め込み、宿は東京の友人宅を転々。往復は高速バスの利用が基本です。
「就職浪人してるので親にも頼れないですし、新幹線なんてめったに使えへんのですね……(京都弁)」
 地方都市でも説明会をする大企業ならいいのですが、ベンチャー企業などはどうしても東京での選考が主体になります。そんな時にまず必要なのが「スペース」。「就トモCafe」を運営する人材会社「ネオキャリア」の篠原広高さんはこう語ります。

 「地方出身の学生は新宿駅前で高速バスを降りてカフェでESを書いて、公衆トイレの中で着替え、荷物はコインロッカーに預けたりしている。東京在住の学生にくらべてずいぶんハンデがあると思います」

 「就トモCafe」は2012年5月にスタートしました。高速バスのターミナルから近いこともあり、地方学生の利用が開設当初から多かったそうです。彼らの要望を受け、荷物預かり所や更衣室(2室)も設けました。

 事前登録(無料)すると、就活生なら3時間まで200円、3時間以上300円で施設を利用できます。荷物も1日100円(日をまたいでの預かり不可)で預けられ、Wi-Fiや共用パソコンもあるのでWEBテストをやったりエントリーシートの仕上げをして提出したり、必要資料をプリントアウトすることもできます。月に何度かは企業の説明会も開催。地方の大学を中心に19大学と「セカンドキャンパス 新宿校」という形で提携しており、その大学生なら無料で使用することもできます。
「開設4年目になり、先輩から後輩への口コミも広がって会員数は順調に増えています。これからも多くの学生たちに活用してもらいたいですね。」(篠原さん)
 今後は企業や社会人も巻き込んでのコミュニティーを作りたいと篠原さんは言います。大学1年生から参加でき、「働くこと」をより深く考え、実践できるコミュニティーが目標です。
 「①自分を知り、弱さ・強さと向き合うこと ②やったことがないことに挑戦をすること ③世の中が実際にどのように回っているのか実態を知ること。この3つがセットになった取り組みをしていきたいですね」

 そんな篠原さんに、就活に挑む地方の学生へのイヤァオ! な一言をいただきました。

 「訛りを消さないことです

 地方出身の学生、特に東北出身の学生は、言葉の訛りを気にすることが多いそうです。ですが、地方出身であることは立派な「個性」です。関西の学生で面接の場にスーツケースを毎回持ち込み、「今日は関西から来たんです」とアピールして内定を獲得した学生もいたそうです。これは極端な例かもしれませんが、地方からわざわざ東京に出てきて就活にはげんでいること自体、「やる気」「根性」のアピールポイント。地方特有の風習は、面接でのツカミネタとしても使えます。

 「『訛ってて逆にいいじゃん!』と開き直って、就活に臨んでください」
(写真は更衣室)
 現在では就活生向けのシェアハウスサービスも少しずつ広がっています。ただ、他人とひとつ屋根の下に暮らすのが苦手という人は友人とお金を出し合ってウィークリーマンションを借りるという手もあります。苦労すればするだけ、就活でしゃべれるネタが増えると思ってがんばりましょうね。

 次回はまた道場を飛び出して、「採用学」という新しい学問分野を提唱している先生に会いにいきます。

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