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就活を終えた学生に自身の活動を振り返ってもらう「先輩に聞く!」。あしたからすぐに使えそうな就活TIPSが詰まったコーナーとなっています。 4回目は、大手IT企業の営業部門に入社を決めた都内有名私大情報系学部の女子学生、川上さん(仮名)に登場してもらいました。あれこれ対策を考えるより、数多く面接を受けて慣れていったという川上さん。面接のコツは「しゃべりすぎないこと」。相手が興味をもって質問してきたことに答えればいいと考えると、楽になったそうです。(編集部・福井洋平)
【お話をうかがった先輩のプロフィル】
川上さん(仮名、女性)……都内の有名私立大・情報系学部4年。2社に内定し、IT企業の営業部門に入社を決めた。
(写真=PIXTA)
●「先輩に聞く!① 大学のキャリア相談室はとにかくフル活用を!」 はこちらから
●「先輩に聞く!② 就活はなるべく早くスタートを ネガティブ情報に踊らされず」 はこちらから
●「先輩に聞く!③ 内定9社の女子学生 業種は絞らず、志望動機の書き方は「型」で はこちらから
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ESには数字を入れる インターンは練習と思ってたくさんエントリー
■就活スタート就活は1、2年生のときには全然考えていませんでした。1年のときに所属していたゼミの友人が就活を始めた影響で、3年の6月からインターンシップにエントリーをはじめました。企業名もCMで聞いたことがある 会社くらいしか知らず、最初は業種も特に考えないで金融や証券を中心に人気企業ランキングの上のほうから企業を選んでいきました。就活の練習と考えていたのでガンガンエントリーし、最終的に複数日、ワンデー含めて10~20社くらい選考を通過しました。通過した社の倍くらいは落ちた気がします。
私が入学したときにコロナ禍がはじまり、授業はほとんどオンラインだったので正直ゼミに入っていなかったら大学に知り合いがいなかったと思います。ただ、アルバイトはたくさんしていました。社会に出たら基本的にはひとつの業種しか体験できないので、できるだけ幅広い業種にチャレンジしようと接客業や家庭教師、そして接客業と正反対の仕事をしようと事務作業や映像作成のアルバイトまでしました。アルバイト経験を積んだことで、社会人をはじめいろいろなタイプの人としゃべることには慣れたように思います。
■ES
人に見せてブラッシュアップするということはやっていませんでした。X(旧ツイッター)で「インターンシップ」で検索するといくつか就活のノウハウを提供しているアカウントを見つけられて、それをフォローして参考にしたりしていました。
たとえば「数字を入れるといい」というのは参考にしました。自分は小学生から武道を習い、いまは指導する側にもなっているので、何年間武道を習っていまは何人くらいの生徒にどれくらい武道を教えているというように具体的に書くようにしました。またこれはESではないですが、性格テストは少し強気に出るように解答するといいというアドバイスもありました。
最終的には「数打ちゃ当たる」と考えて、とにかくたくさん書くように、ただ丁寧に書くことは心がけていました。
面接ではしゃべりすぎず、面接官から質問を引き出すように
■面接グループディスカッション(GD)は、最初は企業研究もしないで受けに行っていたので、うまくしゃべれなかったりして、選考情報を見てGDがあるところは避けていました。面接時に心がけたことは、「最初に結論を言うこと」「しゃべりすぎないこと」です。
自分は前置きが多くてついしゃべりすぎてしまうので、最初にまず結論をいうことは意識しました。また、たとえば自己紹介で自分の強みを羅列してしまうと、もう聞いてもらえなくなります。たくさんアルバイトをしたというアピールをする場合、アルバイト歴を羅列するのではなく「自分はアルバイトを4つやっていまして」「武道をやっていて」というくらいの情報を出す。向こうが興味を持ってくれると「4つも? 何をやっていたの?」「武道って何?」などと質問を返してくれるので、それに答えればいい。損保会社のワンデーインターンで、自己紹介で強みを羅列してそれはやめたほうがいいというフィードバックをされている人がいて、自分もそこに気をつけるようにしたんです。聞かれたことに答えればいいので気持ちが楽になりました。また面接官のことを考えても、たくさんの学生を相手にするのですから、一方的に話されるよりも自分が聞きたいことに答えてくれる学生のほうが印象に残ると思います。
志望動機についてはインターンシップ面接の時は、社会貢献をしていない会社はないのでまず「社会貢献をしたいです」と言って、それから具体的にその企業がどのように社会貢献しているかを「肌で感じたいです」と説明していました。これで、幅広い業種に対応できました。
もともと年上の人と話すのは好きだったので面接について緊張はしなかったんですが、もっと経験を積まないと、と思いまして、インターンシップが落ち着いた3年秋に友人から紹介をうけて(オファーボックス)ダイレクトリクルーティングのサービスに参加しました。そこで地方の中小会社も含めて20社くらいのオファーを受け、面接にのぞみました。最終的に入社を決めた会社も、結局このサービス経由で選考に入りました。よく「社会人と学生との一番大きな違いは何ですか、社会人になるにあたってのアドバイスは」という逆質問をしていましたが、「正解はありません。社会人になる正しいルートがあるわけではありません」という答えが一番印象に残っています。
会社の事業内容は詳しくチェック 入社決め手は社風
■企業の絞り込み企業研究については3年冬ごろから始めました。あまり口コミには頼らず、IR資料などを見てその会社がどういう事業内容かを重点的にチェックしました。一番打ち出している事業内容とは違う事業がメインだったり、ITに手を広げていたりと、実態がわかったほうがいいと思います。
チェックする内容は最初、給料が大事だと思っていたのですが、だんだん新卒で月給が高い会社は激務で怖いんじゃないかと思うようになってきて、最終的には社員の雰囲気や社風を、できるだけ社員さんにもお話をうかがってチェックするようになりました。自分は武道をやっていたので体育会系に見せようと思っていたのですが、社風が体育会系で熱さを売りにする業界や企業は肌にあわなくて、自分はそうじゃないんだと気づきました。むしろ会話をしているときに落ち着いているか、というところを気にするようにしました。
■入社の決め手
入社を決めた会社はまずワンデーインターンに応募し、そのあと1次面接が免除になって2回面接を受けて内定しました。面接は2回とも30分程度で、学生1に対して社員2人でした。接した社員のみなさんはいい感じで肩の力が抜けていて、そこがいいなと感じたことが決め手になりました。女性社員は愛想笑いをしがちで、 なかには女性社員がすごく愛想笑いをしている会社もありましたが、入社を決めた会社は必要以上の愛想笑いをしていないと感じて、そこも気に入りましたね。ITは特に詳しくないですが、知らないからこそやってみたいし、幅広い業界と接点を持てるという気持ちもあって飛び込もうと決意しました。いまは文系学生であってもSEなどIT企業を志望する学生は多いと感じます。2月ごろにここの内定が出て気が抜けてしまい、ほかの就活はそこで止めました。
内定をもらった会社のほか、大手損保会社も選考が進んでいました。2デーの夏インターンに参加し、冬インターンにも参加できました。参加者とグループを組んで新規プロジェクト案をつくるという内容でしたが、18時までという決まりなのにみんな20時くらいまで話し合っていて、「こうやって大人は残業するんだ……」と思いました。ここはそれ以降も月1回面談をしてくれてみなさんフィードバックもたくさんしてくれ、一時期は本命企業にしていましたが、結局本選考には進みませんでした。インターン後に模擬面接の誘いがあったのですが、それに応じていたら早期選考に進めていたようです。
ほかに人材系の会社にも内定をもらっていました。最終面接で「こういう社会をつくっていきたい」と志望を語ったら「それはうちの会社では実現できない」と言われて軽く討論になったんですが、内定はいただけました。
とにかく就活は早めにスタート!
■後輩にアドバイス就活ははやくから始める、ということだけですね。
いくらESをこう書け、こういうふうに面接をやれと言っても、本番を体験しないと上達はしません。グループディスカッション対策も含め、はやくから就活を始めることをおすすめします。また、ウェブテストの対策もはやめに済ませましょう。インターンシップの段階でクリアしておけばあとの選考でテストが不要になることも多いので、はやめに対策をすませておけばほかの対策に時間を割くこともできるようになります。
オンライン面接に際してはライトが必須です。また、スマホを固定するスタンドもあると面接が断然やりやすいです。
(写真は、ESを書くときなど就活中に自分を奮い立たせるために聞いていたCD=川上さん提供)
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