2025年06月26日

最初に内定くれた会社に決める 成長実感できるところがいい【26卒学生の就活ルポ35】

テーマ:26卒学生の就活ルポ

 2026年卒学生の就職活動を適宜、「就活ニュースペーパー」で紹介するこのコーナー。今回は、内定をキープしながら現在も就活を継続しているケイジさんが登場します。1社、最終面接まで進んだ会社がありましたが、残念ながら内々定はならず。すでに内定を得ている会社のイメージもよく、これできっぱりと就活を終了し、その会社に進むことを決めました。就活を振り返ってのアドバイスは「数撃ちゃ当たる」。「この会社は高望みすぎる」といったことを考えず、とにかく淡々とエントリーしていくことで、チャンスをつかむことができるといいます。(編集部・福井洋平)
(写真はiStock)

【都内私立大法学部 3年男性 ケイジさん】

■ゆるく働く会社より成長できる会社で
 3月から就活を再開しましたが、残念ながら最終面接まで進んだ大手通信会社で内々定を得ることはできず、昨年内々定した大手IT会社に進むことに決めました。最終面接で「他社に内定している」と言ってしまい、それでも選考を受けている理由を聞かれてうまく答えられなかったのがいけなかったのかな、と思っています。最終面接の前から、この会社にもし内定しても、進むのはすでに内々定している大手ITかな……と思っていました。もしかしたら、そういう気持ちが表に出てしまったのかもしれません。

 大手IT会社のほうが規模が大きく、仕事の幅も広いです。転職を視野に入れると、若いうちにハードに働くことができる大手IT会社のほうが自分の市場価値が高められると考えました。大手通信会社にいった友人も、「この会社はゆるく働けてしまうので、他社でいろいろ経験を積んだほうがいい」と言っていました。それと、インターンシップで出会った社員が尊敬できる人で、こういう人のようになりたい、と感じられたことも大きかったです。

■最後は「内定者の懇親会に出て決める」
 大手IT会社は6月1日に内定者懇親会が本社でありました。立食パーティーで300人くらい同期が集まり、班にわかれて自己紹介をしたり、会社に関するクイズ大会があったりしました。会社からは、入社までにITパスポートを取ってほしいと言われました。合格したらいくらか補助金が出るそうです。

 内定者たちといろいろ話をしたのですが、3割はまだ進路を決めかねている、といっていました。ほかのIT会社や通信会社と迷っている人が多かったです。最終的には、誰と働くかを見極めて決めるという人が多いですね。「内定者の懇親会に出て決める」という人も多くいました。自分はこの会社は体育会系で押しが強い人ばかりかと思っていたのですが、インターンシップで出会った社員もこの懇親会で会った同期もそんな印象はなく、全体的に「明るい人が多い」と感じました。ここに限らず、通信系の会社は明るい人が多いですね。

■秋以降は就活中だるみ
 就活を振り返って、改めてはやめに就活をスタートしたこと、たくさんの場数を踏めたことがよかったと思います。OB訪問もわりと頑張って、就活したときにどんな質問をされたか聞いたり、志望動機を添削してもらったりと面接準備につなげることができました。エントリーシートはAIをつかって添削したのがよかったです。

 ただ、昨年秋に1社内々定をとったことで、そこから3カ月くらい就活に対するやる気があまり上がりませんでした。この時期にインターンシップに参加したり、もっとOB・OG訪問を重ねたりしていれば、もっと内々定を取れたかもしれないと思っています。ただ、就活期間が本当に長くなっているなかで就活を続けていくためには、友達と遊んだりアルバイトをしたりいろいろなことと並行しながら、気負いすぎずダラダラと続けるという意識も大切だなと感じています。自分はそこまで就活にのめりこんだとは思っていませんが、1つの会社に対して10人くらいOB・OG訪問をしている就活生もいました。

■エントリーしなければ何も始まらない
 これから就活をする人には、「数撃ちゃ当たる」というアドバイスを送りたいです。新卒採用は全員にチャンスがあります。こんな会社は自分にとってレベルが高すぎる、といったことは考えず、とりあえずエントリーしてみる、ESを出してみるという姿勢が大事です。エントリーしないことには、何も始まりません。淡々とエントリーし続けると、最終的に自分の力につながると思います。

 もし選考で落ちても、自分は縁がなかっただけと考えるようにしていました。面接でも自分はできるだけ自分の気持ちに正直に話すようにしていました。それでもし落ちたのなら、それは向こうが求める人材像と、本当の自分がマッチしなかっただけということです。落ちたということを連絡しない「サイレント」も経験しましたが、そういうときにも「しかたない」と考えて、気持ちを切り替えるようにしていました。

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