2025年06月03日

なんでもがむしゃらにやったことが結果につながった でもしっかり休んで【26卒学生の就活ルポ34】

テーマ:学生の就活ルポ

 2026年卒学生の就職活動を適宜、「就活ニュースペーパー」で紹介するこのコーナー。今回は、地元のタウン紙に内々定した都内女子大のシュリさんが登場します。大手マスコミを志望していましたが、最終的に地元に戻りたいという気持ちを確認し、納得して就活を終えようとしています。就活を振り返ってよかったことは、「なんでもがむしゃらにやったこと」と話すシュリさん。会社から送られてくるメールだけではなく、SNSなどを検索して積極的に情報をさがしにいく姿勢が大切といいます。それでも、あまり根をつめすぎるとつらくなってしまうとも。適度な休憩を取ることも大切、とシュリさんはいいます。(編集部。・福井洋平)
(写真はiStock)

【都内女子大 文系学部3年 シュリさん】

■他業種受けてかえって本命への志望が強くなった
 4月に地元のタウン紙に内定をいただき、念願だった記者職にすすめることになりました。毎月オンラインで内々定者が参加する懇親会をやっているそうで、直近の回は出られなかったのですが、今後は参加してみようと思います。いまは週1~2回大学に通って、ゼミなどに参加しています。

 就活を振り返って、やってよかったと感じることは、なんでもがむしゃらにやってみようと飛び込んでいったことですね。第一志望には受からなかったですが、記者の道に入ることができました。ボランティアをやったりスカウトサービスをつかって他業種を受けたりもしましたが、記者になりたいという気持ちがずっと変わらなかったので、自信をもって、いまの選択をすることができたと感じています。

■SNSでだけ宣伝しているイベントもチェック
 最初に就活イベントに参加したのは2年生夏の短期インターンシップで、それからもひととおりマスコミ系の就活イベントには参加してきました。志望企業をマイページに登録するとイベントがメールで案内されたりしますが、たまにマスコミ合同の説明会をSNSでだけ宣伝していたり、就活サービス主催でイベントをやっていたりしていて、マイページだけでは拾いきれないイベントもあったりします。自分はいろいろな就活アプリもこまめにチェックしていて、3年春に開催されたマスコミ合同のイベントに参加できたことはよかったですね。

 イベント参加が就活に直接つながったわけではないですが、人事の社員や現役の記者とお話ができたのがとても参考になりました。自己アピールにもなり、名前や顔も覚えてもらえます。残業はどうか、仕事のやりがいはどんなことか、など気になっているけどオンラインだったら聞きづらいことも、対面のイベントだと比較的聞きやすく、それも就活には役に立ったと感じています。それでも最終的には、もっといろいろな機会をつかってOB・OGの人に会えていたら、面接で話せる内容ももっと増えていたかもしれないと考えています。

■ESは聞かれていることに簡潔に答える
 エントリーシート(ES)は先輩や家族、友達などたくさんの人に見てもらってブラッシュアップしました。漢字が違う、表現がわかりにくいという指摘もあり、やってよかったなと思っています。チャットGPTなどの生成AIに添削してもらうのもいいかもしれません。自分もどうしても一文が長くなってしまう癖があるので、文章を短縮したり、漢字のミスがないかを確認したりするのに「これは学生が○○新聞に提出するための文章です~」といったプロンプトを書いて使っていました。実はいまだにESのコツはつかめていないですが、後輩には「聞かれていることに簡潔に答える、一文は短くわかりやすくまとめる」とアドバイスしています。

■活動を紙に書き出して自己PRつくり
 自己PRは2年生で1デイインターンシップに申し込んだときにはじめて作成しました。自分の興味や関心があること、それまでの活動を紙に書き出したりスマホに打ち込んだりして、そこから「これは前から得意だった」「ピアノは何年も続けてきた」「大学で一番力を入れていることはこれだ」とピックアップしていき、それぞれを短い文章で説明し、つないで自己PRにしていきました。一番話しやすいと感じたエピソードは2年生からやっていた、ウェブ記事をつくるインターンシップです。インターンシップを通じてものを書きたいという意欲も強まりましたし、やってよかったと思います。

 エピソードはたくさんあるのですが、企業にあわせてどのエピソードを話すかは考えました。「就活会議」など、先輩の体験が見られるサイトやサービスを使って、この企業ならこういう方向のエピソードがささっている、ということを把握して面接にのぞみました。

■面接はカジュアル面談参加して場慣れを
 面接についてははやくから就活をスタートすると「カジュアル面談」という形でオファーをくださる企業が結構多いので、志望業種と違う会社でも積極的に受けていくと本番の面接練習になると感じました。「カジュアル」ということで、向こうもそこまで緊張感がなく軽い雰囲気でお話をしてくれるので、言葉は悪いですが経験を積むにはちょうどいいと思います。

 あとは、笑顔が大切ですね。そしてESと同じように、話すときも一文を短くするのが大切だと思いました。

■適度に休まないと体も精神ももたなくなる
 大学のキャリアセンターには助けられました。ESのチェックも面接対策もしていただきましたし、オンラインで何度も相談に乗ってもらいました。就活がうまく落ち込んでいるときに、「がんばっているから大丈夫だよ」と声をかけてくださったのが本当に印象的です。母親も、一番落ち込んでいるときに私の家まできて、なぐさめてくれました。友人やゼミの先生、周りの人たちに温かい言葉をかけてもらい、就活を乗り切れたと思います。

 後輩にアドバイスしたいことは、「適度に休憩はとったほうがいい」ということです。冒頭、がむしゃらにやったらいい結果が出たといいましたが、ずっとがむしゃらに続けていたら体力が持たなくなります。自分は3年夏にがんばりすぎて、秋に一度活動が落ちてしまいました。今日は一日がんばったから好きなおやつを食べようとか、友人や親に愚痴を聞いてもらったりとか、いろいろな方法で適度に休まないと体も精神ももたなくなると感じました。自分は一番落ち込んでいるときは、就活で使っていたスーツを思い切ってクリーニングに出したり、就活のパンフレットを捨てたりして、気分を切り替えていました。

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