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現在折り返し地点を迎えている2024年卒(大学4年生)の就職活動。内定をとれる学生ととれない学生の二極化が進んでいるといいますが、その違いはどこにあるのでしょうか。2024年卒ですでに意中の企業に内定を得た大学生2人に、自身の就活を振り返ってもらう企画の2回目をお届けします。就活は「なるべく早く」スタートすることが何よりも大切、とのことです。(編集長・福井洋平)
【お話をうかがった先輩のプロフィル】
大川さん(仮名、男性)……首都圏の国立大法学部4年生。1年留年し、外資系金融機関に内定。
鈴木さん(仮名、男性)……首都圏の私立大理工学部4年生。自動車メーカーに内定。
(写真・PIXTA)
●「先輩に聞く!① 大学のキャリア相談室はとにかくフル活用を!」 はこちらから
●「先輩に聞く!③ 内定9社の女子学生 業種は絞らず、志望動機の書き方は「型」で はこちらから
●「先輩に聞く!④ 大手IT内定女子学生 面接は「しゃべりすぎない」のがコツ はこちらから
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大川さん(仮名、男性)……首都圏の国立大法学部4年生。1年留年し、外資系金融機関に内定。
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OB・OG訪問で会社の実態知る
■OB・OG訪問大川 OB・OG訪問は10人くらいにしました。ダイレクトリクルーティングのサービスを使ったり、サークルの先輩にお願いしたりして相手を探していました。サークルのつながりにはすごく助けられたと思います。
説明会だけだと、志望業界の内情は上澄みのことしかわかりません。でもOB・OGの方とお話することで、実際は飲み会で泥臭く仕事とったりするんだよとか、あまり表に出てこない実態も率直に聞くことができて、ありがたかったです。
鈴木 私は3人くらいにしました。ウェブのサービスは使わなかったですが、大学が合同説明会のようなものを開催してOB・OGを呼んでくださるので、そこで名刺を交換した方にお願いしたり、あとは大学の就職課で連絡先を入手したりしていました。
実際の働き方に加えて本選考の流れや、自分の大学からそこの企業に何人くらい入社しているのか、選考倍率も表に出ていないことが多いので人事に聞いてみてほしいとか頼んでいました。ESの添削もお願いしています。オンラインが一般化したので、むかしよりお願いがしやすくなったかもしれませんね。企業によってはリクルーターとして業務の一環でOB・OG訪問を受けているので、それも助かりました。社会人とお話するのはもともと好きだったので、楽しかったです。
(写真・大川さん 撮影=編集部)
志望企業の中期経営計画を並べて比較
■業界研究鈴木 志望各社のIR資料をコピーしてチェックしていました。売り上げのデータは余り気にせず、企業理念や中期経営計画などの部分を見ていました。
そうすると、たとえば死亡事故をゼロにするという目標の到達年度が会社によって違っていることがわかったりする。そういう点をチェックして、OB・OGの方に質問したりしていました。複数社の中期経営計画を比較するのは企業研究のうえで大事だと思います。
大川 僕の場合は、市販されている「業界本」でひととおり各社の情報を見て、あとは中期経営計画をチェックしたりしていました。ただ金融の場合は計画を見ただけではよくわからないこともあるので、正直にOB・OGの方に「ここがわかりません」と聞きに行ったりしていました。たとえば、(結局あまり聞けませんでしたが)年収とかですね。ほかには初任給とか福利厚生とか。OB・OGの方には、初任給も大事だけどそこからどういうカーブで昇給するのかを見ておかないと、今後大変になるとはアドバイスされました。
あとはOB・OG訪問で、どんな社員がいるのかというのは確認していました。説明会に行くと会社によってアグレッシブな人が多かったりまじめそうな人が多かったり、ということはわかるんですが、それが本当に会社全体の傾向なのかはわからない。なのでOB・OGの方に説明会でこういう社員さんが多かったのですが、それが実際に社風なのか、それともたまたまそういう人が集まっていただけなのか、ということは確認していました。
■情報収集
鈴木 「みんなの就職活動日記」は参考になりました。選考時期はいつから始まるとか、この時期でここまで選考が進んでいる人はたぶんインターンシップの早期選考だろうとか、そういったことがわかるので参考になりました。
大川 「外資就活」「オープンワーク」といったサイトはよく見ていました。いま自分が受けている面接はどこの段階なのか知るとモチベーションにもつながるので、面接があと何回あるのかといった選考フローを過去の体験記などでチェックしていました。
鈴木 企業の仕事内容を紹介している動画などは、コメント欄を見て信憑性をチェックしていました。サムネイルと動画の内容が違うこともあるので、見るなら最後までちゃんと見た方がいいと思います。
大川 面接のコツなどを教えてくれる動画もありますが、それが自分にあてはまるかどうかはわからないから、私は直接会って話してくれるOB・OGやリクルーターさんの話を参考にしていました。あと、外資系の就活生が集まるチャットがあってそこに福利厚生や家賃補助についての質問があり回答が載っていたりするんですが、そういった内容には噓もあるそうで、リクルーターの方数人から疑問があったら直接自分たちに聞いてほしいと言われました。
就活は運も大事 ダメでもすぐ切り替える
■自己分析、アピールポイント鈴木 自分の長所はこういう点で、短所はこれで……ということは事前に考えてある程度の形はつくりました。ただ、そこまでがっちりはやらず、面接の雰囲気にあわせて話すことを心がけていました。
大学のサークルでは、グループで一つのものを作り上げていくんですが、いざこざもあるなかで自分の意見をいいつつ相手も尊重しながら最終的にまとめていくという経験を重ねて、柔軟性が身についたのかなと思っていまして、そこも面接ではアピールしていました。
大川 私もひととおりやりまして、面接やESで使えるエピソードを探すのには役に立ちましたが、役に立ったかというと正直微妙です。
■就活で一番大切なこと
大川 就活がうまくいくかどうかは、運も大事と思います。自分とフィットする「雰囲気」を持っている会社を探すのが大切。努力すれば点数があがるというテストではないので、ダメでもどんどん切り替えていったほうがいいと思います。
鈴木 ESは結論から書く、ということです。あとは、相手の共感を得ることが大事だと思いました。自分の場合は自動車が好きで、ここが自動車づくりのうえで大変ですよね、といった話をして、自分も相手も共感して話ができるように心がけていました。
大川 就活がうまくいくときは、社員さんが自分のファンみたいになってくれます。僕の推しは君だから、みたいな。そういう方は面接のフィードバックもしてくれたりするので、自分を推してくれる社員さんをつくることですね。
後輩にアドバイス!
鈴木 就職活動は、1年でもいいから早めに行動するべきです。もっと早く就職活動を始めていれば志望企業に内定をとれたはず、という同期がいます。選考スケジュールには絶対早めに乗ったほうがいいです。
大川 本当にそうですね。早めに就活をスタートすれば、面接などにも早く慣れます。それに、より幅広い業界に触れることも可能になります。
鈴木 面接の手応えが全然なくても気にせず、次のことを考えて切り替えるのも大切だと思います。
大川 内定をとれるかどうかは運みたいなこともありますし、入社してもすぐに辞める人もいるわけで、もし落とされても自分が否定されたなんて思わずに就活を続けたほうが絶対いいです。
鈴木 それと、あの企業は○○大学以上しか採用しないとか、自分の身の丈にあった企業を受けたほうがいいとかいう人もいますが、そういう情報は気にせず希望する会社はガンガン受けたほうがいいと思います。私もそういう噂のあった企業にチャレンジして内定をもらいましたので、情報に踊らされないようにしてください。
(写真 鈴木さん 撮影=編集部)
2024/11/23 更新
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