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コロナ禍があけ、人手不足を背景に学生優位の「売り手市場」といわれる2024年卒(大学4年生)の就職活動。一方で、内定を複数とれる学生とまったくとれない学生の「二極化」が進んでいるともいいます。その違いは、どこにあるのでしょうか。就活を終えた学生に自身の活動を振り返ってもらう「先輩に聞く!」の3回目は、9社に内定を得て化学メーカーに入社を決めた都内有名私大の女子学生に話を聞きました。決めてはとにかく、幅広く行動すること! でした。(編集部・福井洋平)
【お話をうかがった先輩のプロフィル】
太田さん(仮名、女性)……都内の有名私立大・経済系学部4年。9社に内定し、化学メーカーに入社を決める。
●「先輩に聞く!① 大学のキャリア相談室はとにかくフル活用を!」 はこちらから
●「先輩に聞く!② 就活はなるべく早くスタートを ネガティブ情報に踊らされず」 はこちらから
●「先輩に聞く!④ 大手IT内定女子学生 面接は「しゃべりすぎない」のがコツ はこちらから
【お話をうかがった先輩のプロフィル】
太田さん(仮名、女性)……都内の有名私立大・経済系学部4年。9社に内定し、化学メーカーに入社を決める。
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「義務感」で3年夏から就活スタート
■学生生活出身は西日本ですが、大学進学で上京しました。大学では高校の先輩が立ち上げた、伝統芸能とパフォーマンスを組み合わせたサークルに所属し、学園祭や学外のイベントなどでパフォーマンスを披露していました。変わったサークル活動なので、就活の面接で話すときのエピソードづくりには役立ったと思います。アルバイトは、家の近くの百貨店地下食品売り場で寿司の売り子をしていました。
■就活を始めた時期
1年生のときは、就活に関しては何も考えていませんでした。就活を始めたのは3年生の6月ごろ、2年後期から入っていたゼミの同級生たちが就活を始めたのを見て、私もやらなければと思って始めました。
正直、就活開始時は、どこに就職したいとか、社会に出て何をやりたいという希望や興味は全然なかったです。実は最終的に入社を決めるときまで、何を優先して会社を選ぶべきかぎりぎりまで悩んでいました。就活を始めたのは「やらなければいけない」という義務感からでした。
■インターンシップ
特定の志望業種があったわけではないので、たくさん申し込もうと思いまして60社くらいエントリーし、4割くらい選考通過しました。適当に、X(旧ツイッター)で「ただの元人事」さんなどの就活情報アカウントをフォローし、「締め切り間近」と出てきたところで大企業っぽいところに片っ端から申し込んでいました。
志望動機の書き方には「型」がある
■ES対策「エンカレッジ」という就活支援のNPO団体に登録して、1つ上の先輩にいろいろと相談し、ガクチカは添削してもらいました。また、ワンキャリなどからも情報を得ていました。
志望動機の書き方については、たくさん書いているうちに「型」があると気づきまして、それにあてはめるように書くようになりました。
1 最初に、自分が社会に出て実現したいことを「抽象的に」書く
たとえば、「住む地域・生活環境を問わず、たくさんの人の生活や産業を支えたい。」といったことを書いていました。
2 その理由を書く(自分の原体験と絡めて)
たとえば、「田舎から上京してきて東京で生活をした経験から、東京に住む一部の人に価値を提供できるものではなく、幅広い人のためになる仕事をしたいと思った。」といったことを書いていました。
3 上記の実現したいことを一番達成できるのは御社だ、と書く
4 私はこれまでこういったことをしてきた、こういう人間だから御社にふさわしい、ということを書く
同業他社との違いも意識して話せるようにしておきました。主に説明会や座談会で聞いた社風の違い、中期経営計画などから感じたビジネスの方向性の違いなどを話せるようにしました。
ガクチカとして、ほかの人があまり言わないところをアピールできたことがよかったのかなと思っています。サークルの話とアルバイトの話を中心にしていました。アルバイト先ではポイントをスマホを使ってためる仕組みだったのですが、高齢者のお客様が多かったので、スマホを使うのが苦手な方が多いと考え紙のポイントカードを復活させたという話から、「日常見過ごしてしまいがちなことをに目をつけて疑問に思う癖がある」「なんでも当たり前と思わずに、注意深く観察する」というアピールに結びつけていました。あまりこういう話をする人は多くなく、そこが印象に残ったのかもしれないと感じています。
自分の強みは、ESをたくさん書いていくなかで見つけていきました。特に自己分析をやったということはないです。
面接官が求めていることを考えて答える
■面接実は特に面接対策はしていなくて、数をこなしていくことで慣れていきました。すごく緊張するタイプなので最初はうまくいきませんでしたが、経験を重ねて慣れていくことで通過できるようになっていきました。
愛想良く、笑顔で振る舞うことは気をつけました。あいづちを打つときも「へぇー」と声を出したり。 いい人に見えるように振る舞おうと思っていました。
極端な言い方かもしれませんが、正直すぎる人は就活で苦戦すると思います。面接は、自分の思っていることを全部言う場ではなく、面接官が求めていることを考えて答える場です。仮にその企業を強く志望していなくても、面接のときは志望動機をちゃんと固めていえるようにしておいた方がいいと思います。
■OB・OG訪問
それほど多くはやっていないです。大学のキャリアセンターや、就活サービスサイトで見つけたりインターンシップ先の企業から紹介された方に会ったりしていました。聞いた内容は業務内容や、他社と違う自社の強み、就活生のとき面接で一番気をつけていたことなどです。あと、「いま就活生に戻ったら何をしますか?」という質問もしていました。あんまりアドバイスは覚えていないんですが、業務内容の理解にはつながったと思います。
企業研究のためには採用ページをよく読んでいました。職種ごとの社員インタビューなど、業務内容がよくわかるので助かりました。IR情報まで読み込む時間は正直なかったです。採用ページをしっかり読めば、志望動機は固められると思います。
業種は絞らず幅広く見る まずは行動しよう
■内定をとるコツ自分が一番役にたったアドバイスは、「業種を絞らずたくさん見て回ったほうがいい」でした。化学メーカーも最初はまったく意識していなかったのですが、今回内定した会社とは違う化学メーカーのインターンシップに参加したときに、こういう仕事をやりたいと強く惹かれるようになりました。
自分は、世の中に必ず必要とされるものに携わって働きたいと考えていましたが、化学素材は多くの製品の根幹を支える重要な役割を果たしているとインターンシップで知りました。また、インターンでは化学製品を使ってどう社会課題を解決するかというテーマで話し合ったりしたのですが、自分の知識でもいろいろ貢献できることがわかり、興味を持つようになりました。最終的には給料のよい金融会社とどちらに進むか迷ったのですが、細かい数字を扱うのは苦手ですし、自分がやりたいと思った仕事に進むべきだと考えました。インフラ企業とも悩みましたが、インフラ企業にいくとインフラ業界でしか転職できない、メーカーで仕事の経験値を上げた方が転職の選択肢が広がると考えて、最終的に化学会社に決めました。
■後輩にアドバイス
なんでも行動に移すべきです。興味のないインターンに参加することも大事だし、OB・OG訪問も自分でしたいと思ったら自分で行動に移すことです。したいという感情をそのままにしておかないようにしましょう。私の場合、NPOの先輩が後押ししてくれたと感じています。たくさんインターンにエントリーしたからこそ、最初は特に何にも興味のなかった自分が「ここが向いているな」「ここが違っているな」ということをわかっていき、いまの企業にたどりつけました。
就活時でも友達と会う頻度は少なくならないように、息抜きの機会は定期的に持とうと心がけていました。
(写真は、就活のときに身につけていたお守り)
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