なおこの就活道場 略歴

2016年03月16日

ESの欄で語るエピソードはぐっと絞る!(番頭フッキーの「就活イヤァオ!」その23)

 まいど! 「なおこの就活道場」番頭のフッキーです。毎回、就活生の陥りがちな悩みを「イヤァオ!」と一刀両断する言葉をお届けいたします。

 就活もいよいよ佳境ですね。そんな折、金融機関を志望している都内の女子私大生からこんな相談を受けました。

 「エントリーシート(ES)のどの項目に、どのエピソードを書くのがいいのか、わからないんです」

 中学・高校時代は文化系のサークル、大学ではなぜかラグビー部のマネジャーになり、アパレルショップでアルバイトの経験もあります。ESには自己PRやら志望動機やら学生時代に力を入れたことやらいろんな欄がありますが、どこに何を書くのが正解なのか、と彼女は悩んでいます。できれば、あれもこれも会社にアピールしたい……という思いが迷いを生んでいるのでしょう。

 理想論を言えば、「その会社に受けそうなエピソードを選んで書いていく」というのが答えになります。「それは難しい!」という人は、思い切ってこうしてみてはどうでしょうか。

 「全部の項目を、ひとつのカテゴリーのエピソードでまとめてみよう!」

 彼女の場合でしたら、例えばアルバイトの話や高校時代の話は捨てて、ラグビー部のマネジャー話一本に絞ってどの欄にもその話を書くということです。

 例えば自己PRの欄には、

 「ラグビー部のマネジャーとして部員のモチベーションを高める力とともに、一人ひとりの健康管理にも気をくばる細かな観察力を身につけました」

 学生時代力を入れたことには、

 「まったくラグビーを知らなかったので一からルールを勉強し、最後には完璧なスコアをつけて部員に感謝されるまでになりました」

 志望動機には、

 「ラグビー部で学んだ『all for one, one for all』の精神を御社のメイン事業である法人営業部分で特に活かしたい」云々

 どの欄にもラグビー部での経験を入れてみる、という手です。この作戦にはいくつかのメリットがあります。

①読み手の印象に残りやすい
 あれこれ違うシチュエーションのエピソードを盛り込むよりも、すべての欄に共通するテーマを持たせて書いたほうが、単純に読み手の心に残る可能性が高まります。

②「継続性」をアピールできる
 多くの企業は、何かひとつのことをしっかり継続して取り組める人材を求めています。すべての欄に共通して一つのカテゴリーの話が出てくれば、「この学生はしっかりこのカテゴリーに打ち込んできたんだな」という印象を与えやすくなります。

 一方で、「ほかにネタはないのか」「幅が狭い人間に思われるのでは」と思われる危険性もあります。そのために大切なのは、語るカテゴリーは一緒でも各欄ごとに違った切り口、視点のエピソードを盛り込むこと。そしてメインカテゴリーの話以外のエピソードも少し(全体の2割程度)触れておくことです。

 選ぶネタは学業でもアルバイトでもサークルでもよいかと思いますが、ES全体を貫くテーマをつけると、ESが書きやすくなるのではないでしょうか。ESのネタ選びに困っている方は、思い切ってエピソードのカテゴリーを一つに絞ってみましょう。

 ちなみに私の知るある学生はテレビ局のESの各欄を「時代劇を作りたい!」というテーマに絞って書き、見事某キー局の内定をゲットしました。ある大手出版社の人は、ESのすべての欄に好きだった歴史小説に絡めた表現をいれて内定したといいます。ちなみに私も、趣味のプロレスの話を各欄に入れていました。いずれもマスコミというやや特殊な業界の話ではありますが、参考にしてみてください。