なおこの就活道場 略歴

2016年03月24日

グループディスカッションでは「SAY YES!」(番頭フッキーの「就活イヤァオ!」その24)

 まいど! 「なおこの就活道場」番頭のフッキーです。毎回、就活生の陥りがちな悩みを「イヤァオ!」と一刀両断する言葉をお届けいたします。

 3月に就活が解禁されたばかりですが、ぼつぼつ実質的な選考を始める企業も出てきています。そこで最初に皆さんが当たるであろう関門が「グループディスカッション(GD)」です。6~7人でチームを組み、与えられたお題に関して話し合い、何らかのミッションをクリアしたりプレゼンしたりするものです。

 他の就活ミッション同様、GDにも正解があるわけではありませんが、明確なNG行為はあります。最大のNGはしゃべらないことです。様々な企業の採用担当者が口をそろえて「評価を下げる(もしくは、評価できない)」と言うのがこれ。まあ、しゃべらなかったらそもそも何を見て評価すればいいのかわからないのですから当然でしょう。

 「そうか、だったらたくさんしゃべればいいのか!」と思いがちですが、そうではありません。しゃべりすぎは禁物ですし、場の雰囲気を知らずしらず壊してしまうことにもなりかねません。GDを課す企業の多くは、皆さんがチームで仕事をするにあたって能力を発揮できるかどうかをチェックしています。「この人と会議をしたら盛り上がるかどうか、という観点で見ています」と表現した採用担当者もいました。

 では、どうすればいいのか。まずは下の言葉をしっかり胸に刻み込んで下さい。

 「GDは『SAY YES』で始めよう!!」

 「SAY YES」と言われてもピンとこないかと思いますが、最近政府のお仕事もされているタレント・菊池桃子さんが1986年に発表したヒットソングのタイトルです。知っておくと入社後、年配社員との会話の糸口になるかも知れませんよ。(え? ほかにも同じタイトルの曲がある?)それはさておき、GDを乗り切る最大のコツは参加者の発言に対し、常に「イエス!」とポジティブな反応を返すことなのです。

 朝日新聞が主催する就活支援塾「朝日学生キャリア塾」(4月受講生も募集してますよ~)の東京会場では、2日間で模擬GDを2~3回行います。先日開催したキャリア塾の模擬GDに参加した女子学生が終了後、ぐったりした様子で私に話しかけてきました。

 「人生でここまで追い込まれたことはありません……」

 そのときのディスカッションのテーマに詳しい学生がグループにいたのですが、詳しいだけに他の参加者の適当な発言のアラが耳についたらしく、「それはどういう意味なの?」「違うでしょ、それは」と反論しつづけていたのです。女子学生はすっかり萎縮してしまったようで、意見もろくろく出せなかったと嘆いていました。
 GDに関しては、その学生が主導したおかげで出てきた結論自体は面白いものでした。ただ、他の学生の発言機会はかなり少なくなっており、中心役の学生も含めて全体的に印象はよくありませんでした。企業にもよりますが、特にチームワークを重視するタイプの企業の場合、おそらくこのチームは全員落ちるでしょう。

 こうならないためにはどうしたらいいか。「SAY YES!」です。

 まず、自分がGDのまとめ役や司会役に近い場合。こんな時に人の意見に対し「それは違うよ」「そんなわけないじゃん」と否定から入っていると、確実に意見そのものが出なくなります。参加者にまんべんなく活発に意見を「出させる」ことはGDの中心役が必ず意識すべきこと。どんなに内心「その意見は違うんじゃないか?」と思っても、まずは「なるほど、それは面白い意見だね!」「おお、新しい観点ですね」とポジティブに返答してみる。言いたいことはそのあとに、「ただ、こういう点が気になる……」といった形で付け加える。これを意識するだけでも、雰囲気は格段によくなるはずです。

 逆に、仕切りたがりの学生がグループにいる場合。これも内心のイライラをぐっとこらえて「SAY YES」です。「なるほど、それはいい意見だね!」「ああ、そのことは知らなかった」とポジティブなあいづちをうつことで相手の意見を受け止め、そのあとで自分の言いたいことを「あと、こんなことも考えてみない?」とつけくわえてみる。うまくいけば、場の雰囲気を崩さず方向性を修正することができるでしょう。うまくいかなくても、おそらく面接官はあなたのそういう気遣い、心遣いをしっかりチェックしているはずです。

 あいづちはとても大事です。GDが盛り上がっていない場合、それぞれの意見に対して誰もいいあいづちを打てていないことが非常に多いです。どんな意見でもまずその人を見て明るく「それはいい意見ですね!」とあいづちを打っていくことで、場の雰囲気が開き、意見が言いやすい雰囲気が生まれます。まず「SAY YES」から始めること。この心遣いを身につけると、社会に出ても間違いなく役に立つことでしょう。

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