(写真は、富士フイルム本社=2018年5月、東京都港区)
(写真は、富士フイルム本社=2018年5月、東京都港区)
医薬品、半導体の材料…
富士とコダックの明暗
明暗を分けたのが米国のイーストマン・コダックです。かつて世界のフィルム市場のシェアを富士フイルムと争った2大メーカーでしたが、伝統のフィルム事業にこだわり続けてデジタル化の波に乗り遅れて破綻しました(その後、規模を大幅に縮小して再建)。当時の古森重隆・富士フイルムHD社長は「時代が流れる中で、コアビジネスを失ったとき、乗り越えることに成功した会社と乗り越えられなかった会社がある。当社は事業を多角化することで乗り越えてきた」とコメントしました。時代の変化に対応できない会社は生き残れない典型例です。
(写真は、かつてフィルムのシェア争いを繰り広げた黄色のコダックと緑色の富士フイルム=1997年、東京都渋谷区)
キリンは「発酵バイオテクノロジーの会社です」
キリンの主力事業は当面は酒類でしょうが、これだけに頼っていてはじり貧になりかねません。得意とする発酵技術を生かして、医薬や健康のヘルスサイエンス事業に進出しています。2019年には、医薬品の協和発酵バイオを子会社化したほか、化粧品・健康食品大手ファンケルと資本業務提携を結び、疲労回復につながるサプリメントなどを共同開発しています。もはや単なる「ビールの会社」ではないのですね。
●「多角化のキリン」VS「海外のアサヒ」 ライバルの違いを知ろう【イチ押しニュース】も読んでください
ソニーも任天堂も凸版印刷も…
今となっては、もともとの祖業のほうが意外な会社もありますが、それぞれ理由があって、もとの技術や理念をいかしての転換です。
・トヨタ自動車 自動織機→自動車→移動サービス
・マツダ コルク→自動車
・ブラザー工業 家庭用ミシン→プリンター→産業用印刷や工作機械
・任天堂 花札→ゲーム
・サンスター 自転車部品→オーラルケア製品
・IBM(米) 情報通信機器→クラウド
・ゼネラル・エレクトリック(米) 家電→航空機エンジンやエネルギー関連の販売と保守管理
・ノキア(フィンランド) 製紙、ゴム製品→携帯電話→通信インフラ
最近流れている凸版印刷のテレビCMが話題です。「凸版のこと、印刷の会社だと思ってません? ああ、思っちゃってる」「でも、名前が凸版印刷……」「名前で判断するんですか」「するでしょ、会社なんだから」「突破する会社ですよ。凸版だけに」「結局、名前じゃないですか」――。大泉洋さんと成田凌さんがコミカルなやりとりを繰り広げます。でも、じゃあ何の会社かは答えてくれません。凸版印刷に限らず、気になる会社の事業内容を採用ホームページやコーポレートサイトで調べてみましょう。意外なことをやっているかもしれませんよ。
(写真は、プレイステーション5と周辺機器=ソニー・インタラクティブエンタテインメントのユーチューブ動画から)
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2023/03/28 更新
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