
イスラエルと
イランが事実上の交戦状態に入り、世界情勢がきな臭さを増しています。イスラエルとイランは敵対関係にあり、これまでにも攻撃の応酬はありましたが、今回のような激しい戦闘は初めてのことです。この交戦が長期化すると、世界経済に影響を与えるのは確実です。
中でも心配されるのが、イランが
ペルシャ湾の
ホルムズ海峡を封鎖することです。ホルムズ海峡はイラン、
サウジアラビア、
アラブ首長国連邦(UAE)といった産油国の原油を積んだタンカーの出入り口になっています。ここを封鎖しても直接イスラエルが困るわけではありませんが、世界経済に打撃を与えることでイランの重要性を世界に見せつけることができるというわけです。日本が輸入する原油の約8割がホルムズ海峡を通ります。封鎖されれば、この地域の原油を日本まで運ぶことはできません。日本には約200日分の石油の備蓄があるとはいえ、ガソリンなどの燃料の値段はたちまちはね上がるでしょう。交戦の長期化は、世界不況につながりかねません。もちろん就職戦線にも影響します。中東情勢に注目してください。(ジャーナリスト・一色清)
(写真・イスラエルによるイラン攻撃を受けて開催された国連の安全保障理事会の緊急会合=2025年6月13日、米ニューヨークの国連本部/朝日新聞社)
★【経済】日野自と三菱ふそう、経営統合に最終合意 26年4月に新会社上場(6/10.Tue)
トラック大手の日野自動車と三菱ふそうトラック・バスは10日、経営統合に最終合意したと発表した。2026年4月までに日野の親会社であるトヨタ自動車と、三菱ふそうの親会社の独ダイムラートラックが新たな持ち株会社を設立し、統合する2社を傘下に置く。統合後、国内の商用車メーカーは日野と三菱ふそうの両社のほか、いすゞとその子会社のUDトラックスによる陣営の二つに再編される。電動化、自動化で多額の開発費がかさむ中、経営規模を拡大し、世界市場での生き残りを図る。
★【社会】男女平等、日本は前年と同じ118位 G7で最下位 政治分野で後退(6/12.Thu)
世界各国の「男女平等」の達成率を指数化した2025年版「ジェンダーギャップ報告書」を、世界経済フォーラム(WEF)が12日に発表した。日本は調査対象の148カ国のうち前年と同じ118位だった。経済分野で改善したが、政治での後退が響いた。世界でも格差是正の進捗(しんちょく)は遅く、WEFは今のペースでは、男女の完全な平等実現には123年かかると試算している。改善に寄与したのは経済分野だ。女性の労働力率の上昇などが後押しする形で、達成率は4.5ポイント改善の61.3%となった。一方で政治分野は、過去最高だった前年から3.3ポイント悪化して8.5%に後退した。
★【国際】イスラエル軍、イランの核関連施設など空爆 革命防衛隊トップら殺害(6/13.Fri)
イスラエル軍は13日、イランの核関連施設などを空爆し、精鋭部隊「革命防衛隊」トップのサラミ総司令官ら軍高官を殺害したと発表した。イスラエル軍によると、イランは同日、イスラエルに向けて100機以上のドローン(無人機)を発射。中東の軍事大国同士による報復の連鎖が続き、大規模な衝突に発展する恐れもある。
イラン側も報復として、イスラエルに対して数百発の弾道ミサイルを発射した。攻撃の応酬が続き、事実上の交戦状態となっている。(6/14.Sat)
★【政治】「大人に2万円、子どもに4万円の現金給付」 首相、参院選の公約に(6/13.Fri)
石破茂首相(自民党総裁)は13日、物価高対策として国民1人あたり現金2万円を給付する考えを表明した。住民税非課税世帯の大人とすべての子ども向けに1人あたり2万円を上乗せする。自民と公明党が参院選の公約として掲げる方針だ。首相は野党が訴える消費税の減税について、実施までに時間やコストがかかり、高額所得者への支援が手厚くなるため「適切ではない」と主張。「ばらまきではない給付金を公約に盛り込む」とねらいを語った。
★【経済】日鉄のUSスチール完全子会社化をトランプ氏承認 米政府には黄金株(6/14.Sat)
日本製鉄による米同業 USスチールの買収計画で、日鉄は14日、両社のパートナーシップ(提携)についてトランプ米大統領の承認を取り付けたと発表した。日鉄によると、USスチールの経営の重要事項について拒否権がある黄金株(拒否権付き種類株式)を米政府に発行する一方、USスチールの普通株は日鉄が100%取得し、完全子会社とする。計画の発表からおよそ1年半。株式の取得だけで約140億ドル(約2兆円)を費やす大型再編は、新旧の米大統領がともに反対に回る逆風をはねのけ、成立にこぎ着ける見通しとなった。
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