2025年11月17日

高関税→物価高でトランプ支持率低迷、行方の注視必要【週間ニュースまとめ11月10日~16日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 アメリカのトランプ大統領による自動車への高関税の影響で、日本の自動車メーカーの業績が悪化しています。トランプ政権は今春、日本からの自動車に27.5%の関税をかけました。9月には15%に引き下げたものの、もともとの関税は2.5%だったので、依然高い状態といえます。

 関税が高くなると、基本的にアメリカ国内での販売価格が上がります。トランプ大統領は日本からの自動車だけでなく、世界中からの多くの輸入品の関税を上げました。結果アメリカの物価全体が上がり、その影響で景況感が悪くなっていて、トランプ大統領の支持率も下がっています。大統領任期は3年以上残っていますが、早くも失速の気配です。トランプ政権の弱体化は世界にも日本にも影響を与えるはずで、行方を注意深くみる時期に来ています。(ジャーナリスト・一色清)
(写真・自動車運搬船が停泊するふ頭には、輸出を待つ自動車が並んでいた=2025年4月2日、愛知県東海市/朝日新聞社)

【経済】自動車大手3社が赤字転落・4社減益、米国関税が打撃 9月中間決算(11/10.Mon)

 自動車大手7社の2025年9月中間決算が10日、出そろった。米国の高関税政策などによって利益が下押しされ、最終的なもうけを示す純損益は4社が減益となり、3社が赤字に転落した。各社は収益体質を改善して挽回(ばんかい)しようとしているが、半導体の供給停滞が影を落としている。

【国際】米史上「最長」の政府閉鎖終結 強制休業は65万人、市民生活に傷痕(11/12.Wed)

 米連邦議会下院は12日、政府機関の一部閉鎖を終わらせる「つなぎ予算」案を賛成多数で可決した。トランプ大統領が同日夜に法案に署名。史上最長の閉鎖は43日目に終了した。政府機関は再開する。法案は賛成222、反対209の僅差(きんさ)での可決となった。下院で多数派の共和党のほぼ全員が賛成したほか、民主党からも6人が賛成に回った。予算切れによる政府機関の一部閉鎖の長期化に伴い、市民生活への影響は各地で拡大した。主要空港では発着便の遅延や欠航が相次ぎ、低所得者向けの食費補助の減額・遅れへの懸念も広がった。こうした不満が妥協を促す圧力となった。

【経済】ニデック、800億円超の損失や債務を計上 相次ぐ不適切会計問題で(11/14.Fri)

 グループ内で不適切会計の疑いが相次いで発覚したモーター大手のニデック(旧日本電産)は14日、2025年9月中間決算で計876億円の損失引当金などを計上したと発表した。9月に設置した第三者委員会の調査対象に含まれるか、その可能性のある事案の影響。今後の調査次第では、業績の虚偽表示と判断される可能性があるとした。ニデックは5月以降に不適切な会計処理が疑われる事案が次々と見つかり、監査法人の適正意見が得られないまま2024年度の有価証券報告書を3カ月遅れで提出した。10月28日には内部管理体制などの改善が必要として、日本取引所グループが特別注意銘柄に指定していた。

【労働】大学生の就職内定率は73.4%、10月時点 続く売り手市場
(11/14.Fri)

 来春卒業予定の大学生の就職内定率は、10月1日時点で73.4%だった。前年同期より0.5ポイント高い。文部科学省厚生労働省が14日に発表した。企業の強い採用意欲が内定率の高さにつながっているとみられる。就職内定率は就職希望者に対する内定者の割合を示す。調査対象は国公私立大62校の計4770人。文理別では、理系73.6%(前年同期より0.5ポイント増)、文系73.4%(0.6ポイント増)。性別では、女性75.8%(1.3ポイント増)、男性71.5%(変わらず)だった。

【政治】中国、日本渡航自粛を呼びかけ 高市首相発言で安全に「重大リスク」(11/14.Fri)

 中国外務省は14日夜、中国国民に対して当面日本への渡航を自粛するよう呼びかけた。「日本の指導者が台湾に関して露骨に挑発的な発言をした」と指摘しており、台湾有事が「存立危機事態」になり得るとの見解を示した高市早苗首相の国会答弁への対抗措置とみられる。事態はビジネスや観光の往来の減少など、実質的な影響が出かねない段階に発展した。日本政府観光局によると、今年1~9月の中国人訪日客は約748万人と、国・地域別で最も多い。

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