2025年12月29日

内々定率すでに3割、内々定獲得後の「中だるみ」どうする? 年末年始に考えてみよう【就活イチ押しニュース】

テーマ:就活

 2025年も残りわずかとなりました。就活生のみなさんにとって今年はどんな1年でしたでしょうか。4年生の皆様は、就職活動本当におつかれさまでした。

 学情の調べでは11月末時点での2027卒生の内々定率は29.3%と昨年同時期を12.4ポイントも上回って3割に迫るなど、就活の早期化はいよいよ進んでいます。ただ、年明けから本格的に選考をはじめる企業も多く、内々定がまだない就活生も不必要に焦ってはいけません。
「就活ニュースペーパー」では、2027年卒の学生6人の就職活動を随時ルポしています。4人が内々定を獲得しましたが全員が就活を続行、まさに佳境にさしかかってきているところです。みなさんもぜひ6人の活動を参考にしながら、今年1年を振り返り2026年の動きを考えてみましょう。
「就活ニュースペーパー」の今年の更新はこれが最後です。2026年は1月5日から更新を再開いたします。(編集長・福井洋平)
(写真はiStock)

迷ったら説明会、インターンシップに飛び込んでみる

 都内の私立女子大、文系学部3年生のカレーさんは、11月に大手の素材系メーカー(システム部門)から内々定を受けました。

 実は夏ごろは、「深い迷いに陥っていて、1~2週間はあまり就活のことを考えられなかった」といいます。社会人の先輩から、しっかりキャリアプランを考えたほうがいいと言われ、自分は本当に何がやりたいんだろうと考え込んでしまったのです。迷いが晴れたきっかけは、夏の終わりに参加した大手メーカーの5daysのインターンシップでした。もともとなんとなくエントリーした企業でしたが、実際にクライアント企業への営業提案を考えるというプログラムを体験するなかで「営業は人とコミュニケーションを取ることが好きな自分に向いている、やりがいのもてる仕事」と感じるようになりました。結果的にこの企業とは違うシステム系の職種で内々定を獲得しましたが、よく知らない企業でも積極的にインターンシップなどに飛びこんでいくことで、就職活動が大きく前進したのです。ただ、内々定をとっても「半年の活動だけで人生を決めていいのか」という迷いがあり、まだ就職活動は続けるといいます。

 就職活動を続けていくなかで、自分の軸は何なのか、本当は自分は何をしたいのか、迷って考え込んでしまうことも多いと思います。いろいろな対処法があると思いますが、時間が許す限りいろいろな会社の説明会やインターンシップに飛び込んでみることは、迷いを晴らす大きなきっかけになる可能性が高いと思います。よく知らなかった業界、興味の薄かった業界にも、もしかしたら自分の進路を決めるヒントがあるかもしれません。「迷ったときは行動する」ことは、就活では大切なポイントです。

就活長期化、内々定獲得で中だるみ……好きな業界にチャレンジも

 地方の国公立大文系学部の男子、サッカーさんは、年明け以降にスタートすると思っていた本命の地元金融機関2社から12月初旬立て続けに、選考をスタートするという連絡を受けました。就活を続けていくなかで「自分は人として信頼される人間になりたい」という将来像が見えてきたといい、その軸をしっかりと面接で伝えられるように急いで準備をしていきたいといいます。

 この例に象徴されるように、いまの就職活動は全体的に前年より1カ月程度ははやくなっているようです。「早期化」は、確実に進んでいるのです。内々定出しのタイミングもこれまでになく早くなっている、と感じます。

 1社でも内々定を取った就活生は「焦りがなくなり、安心して就活に臨めるようになった」「内々定をとった会社よりいい会社に絞って就活できるようになった」といったメリットがあると語ります。一方で、やはり内々定を取ることで一気に気が抜け、中だるみになってしまう就活生も。10月に内々定をとった都内の女子大文系学部ウェストさんは「エントリーシートの作成や面接の準備をするのが面倒で、内々定でほっとしたところから力尽きてしまった」と語っていました。

 そんなウェストさんですが、自分の好きなキャラクターをつくっている会社の説明会に参加し、IPビジネスへの興味がわいてきて、また企業研究をはじめました。正直、年明けから採用活動を本格化させる企業も多く、よほど行きたい企業から内々定をもらったのではない限り就活を続けるのは悪い選択ではありません。正直気持ち的には中だるみしてしまうと思いますが、ウェストさんのように自分がもともと興味があったこと、好きなことを扱っている業界、業種にチャレンジすることで、ふたたび就活への気持ちを取り戻すのはいい方法だと思います。

就活は自分と向き合うチャンス、前向きにとらえて

 まだ内々定をもっていない地方公立大理系学部女子学生のアニマルさんは、就活を通じてまいにち自分と向き合い、自分が何をしたいか、どういう人間なのかを掘り下げていく作業が楽しくなってきた、「就活をしなければこういう機会はありませんでした」と語ります。

 売り手市場とはいえ、長期化する就活に疲れてしまうこともあるでしょう。ただ、就活というイベントがあるからこそ、普段なかなか向き合う機会のない自分と向き合い、キャリアを真剣に考えることができる、ともいえます。ぜひ前向きな気持ちで、これからの就活をがんばってほしいと思います。

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