
「ミスタープロ野球」といわれた読売ジャイアンツ・終身名誉監督の
長嶋茂雄さんが死去しました。長嶋さんがプロ野球選手として活躍した時代は、戦後の
高度経済成長(1960~73)期とほぼ重なります。経済がどんどん成長し、貧しかった人々が豊かになっていった時代。公害などの問題も発生しましたが、基本的に「今日より明日がよくなる」という明るさがありました。長嶋さんのプレーや人柄にも明るさが満ちていて、時代とマッチしていたところにも人気の理由があったと感じます。
高度経済成長が実現した要因のひとつが、若い労働力です。「
団塊の世代」といわれた戦後のベビーブーマーたちが労働力として社会に出てきたのがこの時期でした。それにより生産も消費も拡大していったのです。この週には2024年の日本人の出生数も発表されましたが、統計がある1899年以降最少の68万人台でした。これは団塊の世代の出生数に比べると、約4分の1です。出生数の減少は長く続いていて、若い日本人の労働力は年々減っています。外国人労働者を受け入れて補おうにも、限界もあります。今や、労働力不足は日本経済の最大の問題になりつつあります。経済成長のためには、省力化や働き方の効率化がカギになるでしょう。社会に出てからは、そのことにぜひ心をくだいてください。(ジャーナリスト・一色清)
(写真・「東京写真記者協会創立70周年記念スポーツ報道写真展」に来場し、自身の現役時代の写真を見る長嶋茂雄さん=2018年3月3日、東京都港区/朝日新聞社)
★【スポーツ】元白鵬の退職、相撲協会の理事会で報告 退職理由は「聞いていない」(6/2.Mon)
日本相撲協会は2日、宮城野親方(元横綱白鵬)が退職することを発表した。東京・国技館で臨時理事会を開き、9日付の退職届が提出されたと報告があった。協会は昨年2月、弟子の暴力行為に関する報告を怠ったなどとして、宮城野親方を委員から最下位の年寄へ2階級降格と減俸処分を科した。宮城野親方は部屋の運営を担う師匠の立場を外され、部屋は閉鎖状態に。弟子たちを連れて同門の伊勢ケ浜部屋へ転籍した。宮城野親方はモンゴル出身で、2000年に15歳で来日。現役時代は史上最多の優勝45度を誇り、通算1187勝、幕内1093勝も歴代最多。2007年から歴代最長の14年以上にわたって69代横綱として角界を牽引(けんいん)し、2021年9月に引退した。
★【スポーツ】長嶋茂雄さんが死去、89歳 「ミスタープロ野球」の元巨人監督(6/3.Tue)
プロ野球の読売ジャイアンツ(巨人)で、9年連続日本一の原動力になるなど「ミスタープロ野球」として広く国民に親しまれた元巨人監督の長嶋茂雄(ながしま・しげお)さんが3日午前6時39分、肺炎のため東京都内の病院で死去した。89歳だった。1958年に巨人に入団。デビュー戦で国鉄(現東京ヤクルトスワローズ)の金田正一投手(故人)に4打席4三振を喫したが、1年目から活躍、新人王に。王貞治さんと共に「ON」時代を築いた。昭和天皇ご夫妻が観戦した1959年6月の天覧試合、阪神タイガース戦(後楽園球場)で、村山実投手(故人)からサヨナラ本塁打を放つなど、記憶に残る数々のプレーで「燃える男」と呼ばれてファンを魅了した。
★【経済】トヨタや創業家など、4.7兆円投じて源流の豊田自動織機を非公開化(6/3.Tue)
トヨタ自動車グループの源流企業である豊田自動織機は3日、トヨタなどによる株式公開買い付け(TOB)を受け入れ、株式を非公開化すると発表した。非公開化には、総額4兆7千億円を投じることを見込む。豊田織機は1926年創業で、繊維機械が祖業。現在は、フォークリフトや自動車部品、車両製造などが収益の中心だ。トヨタのほか、デンソー、アイシンなどの株を多く保有しており、株式持ち合いの解消や株主還元の強化などを、株主から要求されてきた。
★【社会】出生数70万人割れで過去最少、出生率も1.15で過去最低を更新(6/4.Wed)
2024年に国内で生まれた日本人の子ども(出生数)は68万6061人で、初めて70万人を下回り、統計がある1899年以降で過去最少となった。1人の女性が生涯に生む見込みの子どもの数を表す「合計特殊出生率」は1.15で、統計がある1947年以降で過去最低。少子化は加速度的に進む。厚生労働省が4日、人口動態統計を発表した。出生数は前年より4万1227人(5.7%)減った。2022年に80万人を下回ったばかりだった。
★【国際】「大統領の責任は国民統合」 韓国大統領当選確実の李氏、未明に演説(6/4.Wed)
3日に投開票された韓国大統領選で当選が確実になった、進歩(革新)系最大野党・共に民主党の李在明(イジェミョン)前代表(60)が4日未明、ソウル市内で演説した。「大統領の責任は国民を統合させることだ」などと述べ、韓国で深まる政治や社会の分断の克服に向けて決意を示した。非常戒厳を出した尹錫悦前(ユンソンニョル)大統領の弾劾(だんがい)・罷免(ひめん)を受けた大統領選に臨んだ李氏は、最初の使命として「内乱の克服」を挙げ、「軍事クーデターをなくし、民主主義を回復し、国民が主権者として尊重される世界をつくる」などと訴えた。
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