2021年07月05日

熱海で大規模土石流 防災に関わる仕事ますます重要に【週間ニュースまとめ6月28日~7月4日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 この数年、7月上旬になると大雨による大災害が起こっています。2017年、九州北部豪雨で約40人の命が奪われました。2018年には250人以上の命を奪った西日本豪雨があり、2020年の熊本県を中心とした豪雨では80人を超える人が亡くなりました。今年もこの時期に大きな災害が起こりました。静岡県熱海市土石流が発生し、多くの建物が流され、犠牲者が出ています。5日の時点では、まだ被害の全容がわかっていませんが、一般の人が撮った映像で土石流のすさまじさに驚いた人も多いと思います。日本は自然災害の多い国です。地震、火山の噴火、台風が過去に多くの大災害をもたらしてきました。最近ではこれらに7月上旬の大雨を加えないといけません。なぜこの時期に大雨が降るようになったのかについては、地球温暖化と関係があるとみている専門家が多いようです。もともとこの時期は梅雨前線が日本付近に停滞する時期ですが、大気が暖かくなると水蒸気をたくさん含めるようになります。そうなると、雨が降る回数は減りますが、降る時には一度に大量の雨を降らせることになるのだそうです。地球温暖化対策には世界が取り組んでいます。しかし、当面は温度の上昇スピードを鈍らせるくらいの効果しかないでしょう。こうした豪雨災害はこれからも起こることを覚悟しないといけません。災害に強い国土づくりやシステムづくり、温室効果ガスを出さない仕組みづくりなどは、とても重要な仕事になってきます。土木や建設の分野だけでなく、IT、交通、エネルギー、素材、メディアなど幅広い業種が防災対策とかかわりを持ちます。(ジャーナリスト・一色清)

(写真は、土石流が発生した伊豆山地区。下は東海道新幹線=2021年7月4日、静岡県熱海市、朝日新聞社ヘリから)

【国際】中国共産党が100周年式典 習氏「小康社会」実現宣言(7/1.Thu)

 中国共産党の結党100周年を記念した式典が1日午前8時ごろ(日本時間9時ごろ)、北京の天安門広場で始まった。式典では習近平(シーチンピン)国家主席が重要演説を行い、歴代指導部の目標だった「小康社会(ややゆとりのある社会)」を全面的に実現したと宣言した。中国を世界屈指の大国に導いたとして、共産党の功績や体制の優位性を大々的にアピールする構えだ。習氏は1日、天安門の楼上から演説を行い、侵略により「半植民地」状態だった中国を経済大国に導いたとして「共産党がなければ新中国もないということを、100年の歴史が証明している」と党の実績を強調。その上で「党と人民を切り離そうとするいかなるたくらみも実現しない」と団結を誇示した。台湾問題にも触れて「祖国の完全統一は決して志を変えることのない党の歴史的任務だ」と強調。また香港に対して「全面的管轄権を行使する」とも語り、外国からの圧力に屈しない姿勢を示した。

【経済】三菱電機社長、引責辞任を表明 問題続き「責任を痛感」(7/2.Fri)

 三菱電機の杉山武史社長は2日、検査不正問題を受けて会見し、引責辞任を表明した。辞める時期や取締役にとどまるかどうかは未定だという。鉄道向け空調設備やブレーキなどに使われる圧縮機で、検査データの偽装などが見つかっていた。三菱電機によると、鉄道車両の空調設備と、ブレーキやドアに使う空気圧縮設備で検査の偽装があった。ともに長崎製作所でつくっている。性能や寸法などの検査で、仕様書とは異なる方法で試験をしたり、架空のデータを記入したりしていた。1985年ごろから続いていたとみられる。複数の関係者によると、この不正をめぐっては架空データを自動的につくる「専用プログラム」が使われていた。適正な検査をしているように見せかけようとしていたとみられる。組織的な不正が続いていた疑いが強まっている。

【経済】「東北全域をカバー、経営基盤を強化」 3地銀が統合へ(7/2.Fri)

 荘内銀行(山形県鶴岡市)と北都銀行(秋田市)を傘下に抱えるフィデアホールディングス(HD、仙台市)と、東北銀行(盛岡市)が2日、経営統合に向けて基本合意した。地域経済が縮んでいく中で超低金利も長引き、経営環境は厳しい。各県で2、3番手の銀行同士が、生き残りをかけて広域再編に乗りだす。両社は株式交換によって統合し、フィデアHDの傘下に東北銀が新たに入る。2022年2月までに交換比率を決め、同10月の統合をめざす。両社は2018年に包括的な業務提携を結び、ATMの相互利用や共同店舗を開くなどの協業を進めてきた。両社の支店は計149あり、統合により岩手、秋田、山形3県を中心に東北全6県に店舗をかまえることになる。東北銀行の村上尚登頭取は「東北全域をカバーし、3行がノウハウを共有することで、ビジネス拡大や経営基盤の強化を見込める」と語った。地域的な広がりを、M&A(企業合併や買収)や人材紹介などのビジネスにいかす考えだ。

【社会】静岡・熱海で土石流が発生 2人が心肺停止、20人不明(7/3.Sat)

 3日午前10時半ごろ、静岡県熱海市伊豆山で大規模な土石流が発生した。県によると、複数の家屋が流されたほか、2人が心肺停止、約20人が安否不明といい、現地で消防などが被害を調べている。県は同日正午、災害対策本部を設置し、自衛隊に救助を要請した。政府は4日午前、首相官邸で大雨に関する関係閣僚会議を開き、3日に静岡県熱海市伊豆山で起きた大規模な土石流について、菅義偉首相はこれまで19人を救助する一方、死者と負傷者はそれぞれ2人を確認し、建物被害は130棟に及ぶ可能性に言及。「安否不明の方も複数いる」と述べ、二次災害に注意したうえで救助活動や被災者支援にあたるよう閣僚らに指示した。熱海市の斉藤栄市長は、5日朝に開かれた市の災害対策本部会議で、同市伊豆山地区の被災地に住むとみられる人で安否がまだ確認できていない人が113人いると明らかにした。

【政治】自公、都議選過半数届かず 政権のコロナ・五輪対応響く(7/4.Sun)

 東京都議会議員選挙(定数127)は4日投開票され、自民党が第1党となったが、選挙協力した公明党と合わせても過半数に届かなかった。新型コロナウイルスの感染状況が悪化する中、ワクチン接種の遅れや東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの観客問題で自公政権への批判が高まったことが影響したとみられる。投票率は42.40%(前回51.28%)。菅義偉首相は4月の三つの国政選挙での「全敗」に続き、都議選でも伸び悩んだ。次期衆院選を控え、党内では危機感が強まっており、菅首相の求心力が低下するのは避けられない情勢だ。自民は前回2017年の選挙で、小池百合子知事が率いた地域政党「都民ファーストの会」の躍進で、歴史的大敗を喫した。今回、「国政選挙に直結する大事な選挙」(菅首相)と位置づけ、政党で最多の60人を擁立。議席が増えることは党内で想定内で、「自公で過半数」を最低ラインの目標としていた。だが、自民は33議席にとどまり、40年ぶりに第1党の座を失った2009年の38議席を下回った。2009年の都議選後の衆院選では、自公が政権から陥落している。1993年以降、全員当選が続く公明は告示前と同じ23人を擁立し、今回も23人全員が当選した。

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