(写真・アクセンチュアが入るビル=2022年、東京都港区/朝日新聞社)
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(写真・アクセンチュアが入るビル=2022年、東京都港区/朝日新聞社)
戦略系から総合系が主流に
いまコンサル業界で需要が高まっているジャンルが、ITシステムの開発や運用を支援し、デジタル技術による業務改善=DXを後押しする分野です。戦略系の仕事にくわえてこのジャンルも手がける「総合系」と呼ばれる企業がいま、規模を拡大して多くの社員を抱えるようになりました。『業界地図』の分類ではアクセンチュアやデロイト トーマツコンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティング、ベイカレント、PwCコンサルティングなどが代表的な企業にあげられています。このほか、中小企業の事業再建や事業承継、M&Aなどに特化したコンサル企業もあります。
(写真はiStock)
東大生の就職先上位をコンサルが占める
なぜ、東大生のコンサル人気がここまで高まっているのでしょうか。東大生のコンサル志向について取り上げた週刊誌「AERA」(2024年10月21日号)の記事によると、東大生のコンサル志向が強まったのは2010年代中盤以降。終身雇用や年功序列が崩壊しつつあるなか、「社会でキャリアやスキルを磨くファーストステップとして、コンサルが有力な選択肢になってきている」という東大OBの分析を記事では紹介しています。
ひとつの事業に向き合い、若手時代は下積み経験を求められる一般的な企業と違い、コンサルタントの仕事はプロジェクトによってさまざまな業界に入り込み、一般企業の若手では扱えないような重要な経営課題とも向き合うことができるイメージがあります。転職がごくあたりまえの選択肢となっているいま、短期間でどこの業界でも通用できる力を身につけることができるコンサル業界の魅力は年々増している、と考えられます。もちろん、高年収も魅力となっていると思われます。
(写真はiStock)
コンサル業界で「俗化現象」が起きている
いまは花形業界となっているコンサル業界ですが、果たして今後はどうなのでしょうか。2025年2月7日の朝日新聞デジタル版で、コンサルの現状と未来について前述の堀紘一さんなど3人の識者にインタビューする「コンサル頼み?」という特集が組まれました。
堀さんは、いまのコンサル業界では「俗化現象」が起きていると指摘しています。かつてのコンサルは一流の経営大学院を卒業した精鋭がつき、それでも7年後には2割以下しか生き残れない厳しい世界だった、と堀さんはいいます。一方でいまは先ほど述べたようにコンサルの主流は戦略立案からDX推進などの業務を担う業務請負型へとシフトし、さらに競争が激しくなったことで価格破壊も起きました。「残念ながら質の低下は否めません」と堀さんは指摘しています。
いまはDX推進の需要が高まっていますが、いずれ落ち着くことも予想されます。コンサル業務の30~40%が生成AI(人工知能)に代替される、という見方もあります 。コンサル業界に入れただけで満足し、自分の質を高める努力をしなかったら、今後仕事が減ってしまう可能性も否定はできません。
「やたらコストカットや人員削減を求める、理論を振り回す、教え諭すのがコンサルだと勘違いしている――こうした能力不足のコンサルによって、かえって会社が方向性を見失い、組織がガタガタになる事態が起きています」と堀さんは記事中で指摘します。こういうコンサルにならないためには何を学ぶべきか、業界をめざす人は真剣に考える必要があるでしょう。
とりコンではなく「やっぱりコンサル」まで考えて
ある2026卒学生は、コンサル会社の内定を断り、ベンチャー企業への就職を決めたといいます。「若いうちにコンサルに入っても力をつけるのは難しい。むしろ事業会社に入ってしっかり事業と向き合い、さまざまな経験を経て実力をつけてからコンサルに移ったほうが好待遇を得られる可能性がある」とこの学生は分析しています。「とりコン」でコンサルをめざすのも悪くはないですが、コンサル業界の今後や自分のキャリアプラン、自分がコンサル業界で何を強みにしてどう生き残っていくのかを考え、「やっぱりコンサルに行こう」まで志望動機を高めてからコンサルに進んだほうがよいのではないかと思います。
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