2021年07月12日

西村大臣の飲食店締めつけ策撤回 銀行は企業の繁栄のために【週間ニュースまとめ7月5日~11日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 この週には、東京に4度目の緊急事態宣言を出すことが決まり、東京オリンピックはおおむね無観客で開催することも決まりました。新型コロナウイルスの感染が東京を中心に再拡大しており、ちぐはぐな政府のコロナ対策に国民のいら立ちが募っています。そんなところに政府の愚策が追い打ちをかけました。コロナ対策を担当する西村康稔経済再生大臣(写真)が打ち出した飲食店への締め付け策です。中でも営業自粛を守らない飲食店に金融機関から働きかけさせようとしたことに批判が集まりました。多くの飲食店は経営が苦しい中、銀行などの金融機関から融資を受けて資金繰りをしています。金融機関に融資を止められることは死活問題です。だから金融機関の言うことは聞くだろうという考えからこの締め付け策が出てきたのでしょう。ただ、これは力関係で上にある金融機関を使って、政府が「飲食店いじめ」をさせようとしているとみられても仕方がありません。こうしたことがまかり通ると、どんな企業でも政府に従わせることができることになります。さすがに金融機関からも「そんな自粛警察のようなことはできない」といった声が出るほど評判が悪く、西村大臣もこの締め付け策を撤回しました。社会に出ると、銀行などの金融機関が強い力を持っていることを実感すると思います。「銀行は天気のいい時に傘を貸し、天気が悪くなると傘を取り上げる」というよく知られた言葉がありますが、これも力の強い銀行への民間企業の恨み節です。その銀行よりもっと強いのが様々な権限を持っている金融庁、つまり政府です。こうした実態を踏まえたうえで、そうした力は一般の会社や店が繁栄するために与えられているものだということを忘れないようにしましょう。(ジャーナリスト・一色清)

【スポーツ】「歴史的」大谷32号を米メディア称賛 松井さんも祝福(7/7.Wed)

 大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手が7日、レッドソックス戦で今季32本目の本塁打を打ち、日本人選手のシーズン最多本塁打だった松井秀喜氏の31本の記録を超えた。米メディアも、大リーグの本塁打数争いを独走する活躍に称賛を送っている。テレビ中継では、大谷と松井両選手の写真を並べて、日本人最多記録が樹立されたことも紹介された。「まだシーズン終了に近づいてもいない。シーズン中盤なのに、2004年の松井秀喜の記録を超えた」と解説した。また「シーズン32本塁打は、大谷選手のような打者にとっては、ただの通過点に過ぎない。大リーグの常識を超えた唯一無二の存在だ」とする松井氏のコメントも紹介された。

【政治】「酒提供を一律停止」東京に4度目の緊急事態宣言を決定(7/8.Thu)

 菅義偉首相は8日、新型コロナウイルス対応の「まん延防止等重点措置」を適用している東京都に、4度目の緊急事態宣言を出すことを正式決定した。期間は12日から8月22日までで、酒類を提供する飲食店には再び休業要請する。7月11日が期限の沖縄県の緊急事態宣言と、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県への重点措置も8月22日まで延長する。北海道、愛知、京都、兵庫、福岡の5道府県は今月11日の期限で重点措置を解除する。緊急事態宣言の対象地域では、酒類やカラオケを提供する飲食店に休業を要請。重点措置の4府県も、飲食店に酒類の提供を行わないよう要請するが、感染状況に応じて知事の判断で、対策をとっている飲食店は午後7時まで酒類を提供できるようにした。一方で、特別措置法に基づく都道府県の命令に従わない飲食店には「何度でも過料することを含めて、厳しく対応する」(西村康稔経済再生相)との姿勢を示した。酒類販売事業者には、休業要請などに応じない飲食店との取引はしないよう求める。さらに、金融機関へは融資先の飲食店に対して、都道府県からの要請や命令は守るよう働きかけることを国が依頼する。(政府は9日、金融機関に事業者への働きかけを求めるとした方針を撤回。)

【社会】五輪、1都3県は一律無観客に決定 「完全な形」ならず(7/8.Thu)

 23日開幕の東京オリンピック(五輪)の観客の扱いについて、政府、東京都、大会組織委員会、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC>)の5者は8日、代表者会議を都内で開き、4度目の緊急事態宣言が出る都内の会場は無観客とすることを決めた。引き続いて開いた関係自治体との協議会で、まん延防止等重点措置が適用されている神奈川、千葉、埼玉の会場の無観客も決まった。(その後、知事の要請で、北海道、福島の会場も無観客となった。宮城、静岡、茨城は有観客となる。)

【経済】1部上場664社がプライム基準に届かず 東証市場再編
(7/9.Fri)

 東京証券取引所は9日、来春に予定する市場再編をめぐり、東証1部上場の3割にあたる664社が、新たな区分で最上位の「プライム市場」の上場維持基準を満たしていないと明らかにした。経過措置があり、いま基準に達していなくても当面はプライムに上場できる。ただ、将来的な「プライム落ち」を避けようと企業は対策に必死だ。現在五つある市場が三つに再編される。プライム市場は世界的に事業展開する大企業の上場を想定し、国内外の資金の呼び込みをめざす。市場に流通する株式(銀行や保険会社の持ち合い株など除く)の比率35%以上、流通株式時価総額100億円以上などの厳しい上場維持基準を設けた。

【科学】ヴァージンの宇宙船がテスト飛行成功 宇宙旅行が本格化(7/11.Sun)

 民間宇宙旅行を目指す米企業ヴァージン・ギャラクティック社が11日、飛行機型の宇宙船「スペースシップ2」の4度目の有人飛行試験に挑み、飛行は成功した。今回は創業者で英実業家のリチャード・ブランソン氏も乗り、来年にも始める商業飛行に向けて安全性をアピールした。スペースシップ2は11日早朝(日本時間11日夜)、双胴型の母船につるされた状態で米ニューメキシコ州の宇宙港「スペースポートアメリカ」を飛び立った。約1時間後に母船から高度約1万5000メートルで切り離され、ロケットエンジンに点火して上昇した。数分で高度86キロに達し、真っ黒な宇宙と丸い地球が見えた。スペースシップ2の船内はこの飛行で数分間、無重力になった。その後、グライダーのように下降し、通常の飛行機と同じように宇宙港の滑走路に着陸した。同社は1席25万ドル(約2700万円)で搭乗券を販売しており、すでに60カ国以上の約600人が予約済み。うち約20人は日本人とされる。

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