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IT系企業は
社長インタビューは、朝デジ会員にならないと全文が読めないものもあります。ピックアップして要点を紹介します。まずは、もともとITが中軸の企業から。
◆京セラ 谷本秀夫社長
現在、売上高に占める自動車関連の比率は2割弱。今後は、3割程度まで上がっていくと思います。研究開発費も増えていきます。自動車はどんどん電動化していくし、ソフトウェアが管理する部分も多くなる。部品単体ではなく、システムとして伸ばしていきたい。我々のようにディスプレーとカメラ、通信の技術を全部持っているメーカーはそんなにたくさんない。自動車分野では、そのすべてを盛り込んだものをやりたい。例えば市街地での自動運転などは将来的に、(わが社が持つ)センサー技術と通信技術を使ってできるようになるのではないかと思っています。
◆富士通 田中達也社長(写真)
さまざまな組み合わせを瞬時に計算でき、新素材の開発などに役立つとされる高速コンピューター「デジタルアニーラ」の開発では、研究で実績のあるカナダのトロント大学に拠点をつくり、ソフト開発に取り組むカナダのベンチャー企業に出資もしました。AI分野でも、研究機関との共同開発に取り組んでいます。アルゴリズムの研究に力を入れているフランスの国立研究機関に人材を送りました。現地企業とも連携することで、迅速に事業化につなげることができます。
研究者の役割変わる?
化学メーカーではAI活用で開発が早まり、その先の研究者の役割に変化が出ています。
◆旭化成 小堀秀毅社長(写真)
従来、研究者の知見に頼っていた材料や触媒の開発で、AIやビッグデータの活用を始めており、開発スピードが加速しています。今までは研究開発の段階で素晴らしいもの、いいものを考えていけば競争優位が取れました。しかし今は、各社がそこをAIにさせるようになり、スピード感が出て開発の早さに差がなくなってきました。
今まで以上に「ものづくり」で差別性を出していくことが重要。研究者が「こうすると何か面白くなるだろうな」と考えるだけでなく、何を作るか、何に使うかなど、「作る目的」を明確にすることがものすごく大事になってくる。よりクリエーティブさが求められる。例えば植物由来の新素材「セルロースナノファイバー」(CNF)の研究と生産は各社に広がり始めました。どんな用途に使ってどんな製品にするのか早く考えること、いち早く製品化に重きを置く生産プロセスが重要になる。その方向にこれから「ものづくり」は変わっていくし、そういう人材が必要になってきます。
安全、安心
◆日本郵船 内藤忠顕社長(写真)
新たな中期経営計画で「Digitalization and Green」を中心に据えました。デジタルと環境です。船にはたくさんのデータがあります。波、潮、風、水温といった自然条件のほか、船の性能や運航速度、ルートなどです。これらのデータを人工衛星を使ってリアルタイムに近い状態で把握したい。すでにエンジンなどの船内のデータを集め、不具合があればすぐに分かるようにしています。デジタル化は効率的で安全な運航につながる。近い将来、自律航行船も実現させたいと思っています。すでに海上にある船の多くのデータが陸とつながり始めています。日本郵船は世界の大手と比べてもその分野はかなり進んでおり、優位に立っていると思います。
デジタル技術が海運の安全と省エネにつながるんですね。警備の分野では、AIによる効率化を安全・安心の向上につなげようとしています。
◆セコム 中山泰男社長
東京マラソンでは、約130台の監視カメラを配置して警備にあたりました。AIを活用し、過去のパターンなどからカメラが映像から異常を感知し、警報が出るようにしました。転倒や不審物の疑いがあれば検知し、必要に応じて警備員が現場に急行します。その場の状況を判断するのは、人でないとできません。火災情報を提携先の顧客に伝達するサービスでも、AIを使っています。従来は、SNSなどのキーワード検索を人手で分析していましたが、AIで確からしさを事前にチェックすると、必要な人手が10分の1で済むようになった。技術で効率化が可能になりました。
介護分野でもIoT
ちょっと意外だったのは介護の分野。損保ジャパン日本興亜が中核企業のSOMPOホールディングスは、「ワタミの介護」を買収し介護業界で2位を占めています。IoTがこれからの介護のカギだそうです。
◆SOMPOホールディングス 桜田謙悟社長(写真)
介護業界は、規模が数人のものも含めて介護施設が日本中に点在しています。地方の高齢者の多くは都会の施設に入るより、やはり近くに住みたい。ただ人口減も進み、地方に次々と「ハコモノ」を作るのは賢くない。ヒントはデジタル化です。モノをインターネットにつなぐ「IoT」が広がれば、センサー技術も進みます。介護職員の負担を軽減するなどの目的で、入居者の排尿を見極めるセンサーを一部の施設に導入しています。
変わらないこと
最後に総合商社。ITがどんなに大事になっても、変わらないこともあります。
◆三井物産 安永竜夫社長(写真)
AIやIoTが加速度的に進み、商社でもかつては人がやっていたものを、高速、大量に多様な内容で処理できるようになった。例えばメキシコで運営する発電所の温度や音、振動を東京で常に把握し、メンテナンスすることなどに活用しています。オープンイノベーションをいくらでもできる点も強み。社内の多様な事業体がAIやIoTを活用し、様々な仕組みやソリューションを生み、スタートアップ(企業)との連携も最大化しようとしています。
ただ、三井物産はモノを生み出す目的で創業された会社。技術は、応用してモノを生み出すために使うもの。もともとはモノを生み出すために海外から技術導入し、売るために貿易を生業の基礎とした。事業投資なども得意ですが、我々の本質は、この国に必要な産業や事業を興すこと。今も昔も、そこを強化していることに変わりはありません。
志望する学生には、知的好奇心を持ち、常に追求する姿勢を持っていてほしい。技術でビジネスモデルは変わっても、地球の裏側まで行き、人を見る目とモノを見極める目の両方が必要なのは変わりません。最後は能動的に行動する力と知的な好奇心。何でも見て触り、多くの人と議論し、よりよくするために何をすべきかを考える。子どもみたいな「好奇心の塊」をずっと持っていてほしいと思います。
会社がこれから進む方向性を示すトップの言葉には企業研究のヒントが満載です。志望する企業の社長インタビューはじっくり読んでください。
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