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2016年12月02日

経済

あらゆるモノをつなぐIoT(アイ・オー・ティー)

ネットの概念が変わる

 「ネット上で○○が話題に!」「ネットで買い物する」――。
 これらの言葉から分かるように、「インターネット」といえばこれまで、パソコンやタブレット、スマホを通じて利用するもの、というイメージでした。

 ところが、この概念が大きく変わろうとしています。それが「IoT(アイ・オー・ティー)」です。英語でInternet of Thingsの頭文字で、日本語では「モノのインターネット」。建物、電化製品、自動車、医療機器など世の中のあらゆる「モノ」をネットでつなぎ、より便利にしよう!という考え方です。

 IoTの背景には、通信の高速化や、電子機器の小型化、コストダウンがあります。つまり、費用や場所をかけずに、いろいろなモノを簡単にネットにつなぐことができ、かつ大量のデータをスム―ズに通信できるようになったのです。

 IoTの基本については、「今日の朝刊」の「IoTってなんだ?身の回りのモノがネットにつながる!」を読んでください。

(写真は、2016年10月、千葉市で開かれた国内最大級のIT展示会「シーテック」の様子です。特別企画展示「IoTタウン」が注目を集めました)

生活どう変わる?

 たとえば、家庭ではテレビや冷蔵庫、エアコンなどの電化製品が外出先から操作できるようになります。医療現場では、病院や自宅にある医療機器がネットで接続されて患者の情報を共有できるようになって在宅医療や遠隔医療が進むといわれます。自動車に搭載されたセンサーや道路に設置されたカメラなどがネットでつながれば、渋滞など運転に関する様々な情報を共有できます。

 工場や産業用機器への応用も進んでいます。「生産量を自動で判断する工場」「不具合を自動で復旧する機械」というイメージです。

 具体的にどう生活が変わるのかは、次の「今日の朝刊」が参考になります。「食材が減ったら注文を促してくれる冷蔵庫」「歩行データを集めて健康管理に役立てるスニーカー」「走っている街の最新情報を教えてくれる車」など、夢が広がりますね。

 ●展示会に行こう!家電・IT見本市の主役はIoT

 ●未来の家電・車…「つながる○○」を考えよう

 ●家電からIoTへ…展示会で業界最新事情を知ろう

(写真は京セラが試作した、飲み物の残量を計測するシステム。ジョッキの底にセンサーがあり、店のスタッフは、飲み物がなくなりそうな客を把握して接客に生かせます)

あらゆる業界に関わるテーマ

 世の中のあらゆる「モノ」が対象なので、経済的な効果も期待されています。米国の調査会社IDCは、IoT関連の世界市場規模が、2014年の6500億ドルから、2020年までに1.7兆ドルに拡大する、と予測。世界中のIT企業や電機メーカーが開発にしのぎを削っており、各国の政府も支援しています。

 IT企業や電機メーカーを目指す人はもちろん、一見デジタルと縁遠い業種を目指す人も、これからは無縁ではいられなくなるかもしれません。自分の志望業界ではIoTを生かしたどんな新商品やサービスができるか、考えてみると面白いでしょう。志望動機にも使えますし、ESや面接、グループディスカッションで新規事業案などを問われたときのアイデアの一つになります。

 一方で、IoTが進めば進むほど、ひとたびトラブルがあったときの影響は大きくなります。意図的なサイバー攻撃などによって、生活のインフラが全面的に停止してしまうなどという事態が起きるかもしれません。インターネット、通信の安定やセキュリティを守る仕事も、ますます重要になりそうです。

(写真は、2015年10月にできた産官学連携の組織「IoT推進コンソーシアム」の設立総会の様子です)