言葉マイスター ナカハラハラハラ 略歴

2015年11月25日

正解は手書き? 電子データ? ~外国人タレント&ホリエモンのツイートから考える~

 前回に引き続き、「手書き」の話です。今回取り上げるのは、最近ネットをにぎわした著名人による「手書き派vs.電子データ派」のバトルについてです。ご存じの方もいるかもしれませんが、なかなかに考えさせられる問題なのでまとめてみました。

 事の発端は10月上旬。アメリカ人のお笑い芸人・厚切りジェイソンさんがツイッターでフォロワーからこんな質問(嘆き?)を寄せられたことに始まります。

 「就活の履歴書で、最後の一文字でも間違えたら書き直し。修正テープはNGがマナー。最後ぐらい許してと思うのですが」

 これを引用する形で厚切りさんは

 「手書きは効率悪いよね。もうこの時代で電子データでいいはず。アメリカで手書き履歴書は聞いたことない。だってメリットないダロウ」

 と手書きを全否定するツイートで回答。いちアメリカ人の言い分と言ってしまえばそれまでですが、日本語に堪能で、「Why Japanese people?」と日本文化や言葉に対してキレながらツッコミを入れる(=裏を返せば日本文化や言葉を熟知していないとできない)芸が持ち味な人だからこそ、なるほどと思わされる面もあります。しかも厚切りさん、実は東証マザーズの上場のITベンチャーの取締役という「ビジネスマン」の顔も持っています。それこそ皆さんが外資系やIT企業を受ける際、「(ワードなど)電子入力でもいいのかな?」と考えるきっかけになるでしょう。

 そんな厚切りさんに、こんな反論ツイートが。

 「『字は性格を表す』と言われるように、筆跡は人となりを判断する助けになると思うので、私は手書き賛成派」

 これを投稿したのは日本人ではなく、厚切りさんと同じく外国人タレントのフィフィさん。エジプト国籍を持つとはいえ、2歳から名古屋で暮らし名古屋の大学を卒業、テレビやコラムなどでの率直な物言いで知られています。なお、このツイートには続きがあって

 「ちなみに筆跡の良し悪しで判断したいのではなく、個性を見たいという意味で」

 と補足されています。

 このお二人の投稿を受け、ネットでは賛否両論がわき起こりました。なかでも厚切りさんの投稿を取り上げた記事を受ける形で元ライブドア社長の堀江貴文さんが

 「ずっと言ってるよ俺」

 とコメントしたことは大きな反響を呼びました。確かにこの論争の起きる前、今年3月に堀江さんは

 「手書きはやめて欲しいね。履歴書が手書きの奴は採用候補に入れたくない」

 とバッサリ。反論するツイートに対しても

 「手書き文字で人となりが分かるんだ。へー笑」
 「手書きだと誠意なんだ。へー笑」

 と一顧だにしませんでした。

 なお、どちらが正しいかをここでは断ずるつもりはありません。皆さんはどう思いますか? 自分の頭で考えてみてください。

 「とは言ってもなぁ……」という嘆きが聞こえてきそうです。では次回、「正解」ではないですが「こう言うときには手書き/電子データがいいかもね」という(あくまで)目安というか、考え方のヒントをお伝えしたいと思います。

おまけ ~ジェイソン×ホリエモン対談なるか?~

 堀江さんの「ずっと言ってるよ俺」ツイート。厚切りさんもちゃんと気づいたようで、お礼の意味も込めて(?)

 「いつか対談させてください!」

 とのリプライをとばしていました。一方の堀江さんも

 「やりましょ!」

 と即答。現在のところまだ実現していないようですが、もし対談があったらこの話題が再びネットを熱くすることは想像に難くありません。怖いような楽しみなような……(苦笑)。どうせなら、フィフィさんも呼んであげてほしいですね。