今朝いつもより早い5時に起き、朝刊を取りに外へ出たら、あいにくの雨だったので傘を取りに戻り、それから再び外に出たらまだ朝刊が来ていなくて、少し立腹しながら家に戻ったらタイミング悪く配達の人がやって来て、もう一度外に出て新聞を受け取ったが、なぜか広告が挟まっていなくて、慌てて配達の人を追いかけたが、すでにバイクで走り去った後だったので、やむを得ず部屋に戻ってパソコンを立ちあげ、販売店の電話番号を調べたが分からなかった。
これは日本語が「膠着(こうちゃく)語」であることが理由です。「膠着語」について細かく語ると長くなるので割愛しますが(関心のある人は調べてみて下さい)、大まかに言うと接頭語や接尾語、助詞を使い、独立した単語をつなぐ言語のことです。
当然ながら、この例文は悪文です。日常のおしゃべりならまだしも(それでもちょっと嫌だな)、ESや面接でこんな書き方(話し方)をしたら一発アウトです。以前も書いた通り短文を重ねるのが基本。
加えて、うまい文章は接続詞をあまり使いません。言い換えれば「ここ一番」の時だけ使うのが正解です。
特に単なるつなぎ(順接=だから・それで・ゆえに……など)の大半は「要りません」。文脈がつながっているのだから、わざわざ書く必要はないのです。
一方逆接はうまく使うと効果的です。前提条件をひっくり返すことで、読み手(聞き手)にインパクトを与えることができます。それだけに取り扱いを誤ると逆効果になることもあります。次の文章を見てみましょう。
・私は甲子園常連の高校で野球部に入りました。しかし私は中学時代野球部ではありませんでした。しかし皆の10倍の練習メニューをこなした結果、レギュラーになれました。
短文を積み重ねているのは良いです。しかし(あ……笑)、逆接を2回使うことで何が言いたいのか分かりにくくなっています。減らしましょう。
・私は中学時代に野球部の経験が無いまま、甲子園常連の高校で野球部に入りました。しかし皆の10倍の練習メニューをこなした結果、レギュラーになれました。
文章構成を変え、一番伝えたい「努力の結果レギュラーになれた」という驚き(意外性)の箇所だけに逆接を使うことで目を引くことができました。
もうひとつ気をつけたい逆接の助詞に「が」があります。冒頭の「悪文」のように、文章が長くなるおそれがあります。
・リレーのレギュラーメンバー入りにはまだほど遠いが、今日は自己ベストを3秒も更新できたので、届かない目標ではないと思う。
このままでも悪くはないですが、「しかし」に置き換えるとすっきりします。
・リレーのレギュラーメンバー入りにはまだほど遠い。しかし今日は自己ベストを3秒も更新できたので、届かない目標ではないと思う。
そもそも逆接は上記したように、インパクトを与える半面、読み手(聞き手)に頭を使わせるものです。過剰なストレスにならないよう、うまく工夫しましょう。
ちなみにこの「が」は曲者で、順接の意味もあるんですね。
・大学に入ってから一日5キロのウォーキングを欠かしていませんが、おかげで風邪一つひきません。
この「が」は単なるつなぎの意味しかありません。まさに先ほど書いた「要らない」助詞の典型です。
・大学に入ってから一日5キロのウォーキングを欠かしていません。おかげで風邪一つひきません。
何の問題もありませんね。順接の「が」は使いやすさ(言いやすさ)から使われがちなので、気をつけましょう。