何はともあれ、たくさんの方々の目に留まったことはうれしいですしありがたいこと。これからも気を引き締めて(でも楽しく好きなことを書いて)いきたいと思います。
今日は、最近気になる日本語、「大丈夫」についてとりあげます。日常の会話で、こんな言い回しを耳にしたり自分でしていることはありませんか?
「先週風邪気味だったみたいだけど、体調はどう?」
「大丈夫です!」
「このESと作文、週末までに仕上げられる?」
「大丈夫です!」
「今日時間あったらご飯でも食べに行こうか?」
「大丈夫です!」
「何が食べたい?」
「いや、友達と先約あるんで!すいません!」
前二つはさておき、最後のひとつはちょっと違和感を覚えませんか? 最近、「大丈夫」をこの「不要です(むしろNo,Thank You)」の意味で使っている人をよく目にします。
本来「大丈夫」は「立派な男子」という名詞です。そこから発して
<大辞林>
(1)危険や心配のないさま。まちがいがないさま
(2)きわめて丈夫であるさま。非常にしっかりしているさま
という意味になりました。一番最初の返答はまさにこれですね。「(体調は)問題ないです」ということ。
二つめの返答は本来の意味には無かったものです。あえて言うなら「可能の大丈夫」とでもしましょうか。「できます」ということですね。個人的には、返答として言う分にはあまり違和感を覚えませんが(おそらく、求められている事に対して「問題なく」対応出来る、という派生的な意味だからでしょう)、問いかけで使われると若干引っかかります。洋服店などで耳にする言葉がそれです。
「試着しても大丈夫ですか?」
何となく、責められないように予防線を張っているような印象を受けます。仮に拒否されても傷つきにくい。いかにも日本人的だなあ、とは思いますが。
最後のひとつはその延長線上……というかむしろ裏側でしょうか。「拒否の大丈夫」とでも言えばいいのかしら。ただ上記した通り、「可能」の方にとられる恐れがあります。誤解を避けるためにも、少なくともOB・OG訪問や面接の場では使わない方がいい表現ですね。
とは言うものの、本来「見事である」という肯定の意味だった「結構」が
<大辞林>
(1)すばらしくて難点がないさま
(2)満足できる状態であるさま。その状態で十分であるさま
(3)それ以上を必要としないさま。十分
という風に、「不要」の意味(3)も持つようになったのですから、いつかは「大丈夫」も同じ道をたどるのかもしれません。