面接解禁の6月に入り、学生から続々と内々定ゲットの報告が届いています。今年は例年以上に、インターンシップ経験者からの採用が増えている感触です。インターンシップが浸透したこと、今年から選考期間が短くなりいち早く学生を囲い込む必要が出てきたことが原因と思われます。インターンシップ組を先に選考して内々定を出し、そのあとで一般組の選考が始まるという光景が例年以上に目立ちました。インターンシップの重要性が高まったことで、実質的には就活時期は延びた、とも言えそうです。
そんな中、内定をたくさん獲得する学生と一つもとれない学生の差も広がっているようです。今回は、金融系2社とメーカー1社に内定をもらい就活を終了した都内私大女子学生Aさんの「就活のコツ」を皆さまにお伝えします。
留学経験のあるAさんは当初メーカー志望でしたが、就活を続けるうちに「そこまでメーカーに興味がない!」ということに気づき、地元で働ける金融機関に志望を切り替えました。その切り替えた時期が5月でしたが、そこから一気に志望理由を固めて面接を乗り切ったのです。
変化のきっかけは、ノート作りでした
「心配性で就活では何をすればいいかいつも悩んでいましたが、このノートを作るようになってから面接ラクショーになりましたよ!」(Aさん)
というノートは2冊。1冊は「企業」、もう1冊は「自己分析」用です。
「企業」ノートにはまず、志望企業のエントリーシートと自分の回答をはりつけました。それから企業ごとに「志望動機」「入社してからやりたいこと」「就活で大切にしている軸」の3点を自分のエピソードにつなげられるように考えて記入。何度も推敲し、面接前に暗記するほど読み込み本番に臨んだそうです。
「面接で聞かれるのはだいたいこの3点。1社しっかり考えれば、使い回せる部分も出てくるので楽です。特に銀行の場合は『なぜ銀行なのか、ほかの金融機関ではないのか』という質問もしょっちゅう出てくるので、これも考えて書き込んでおきました」
OB・OGを訪ねる機会があれば、このノートを持っていって「こんなことを考えていますが、大丈夫でしょうか」と意見を聞き、さらにブラッシュアップしていったそうです。リクルーターの面談などで聞かれた質問があれば、それも追加して書き込んでいきました。
さらには市販の面接対策本を1冊買ってOBやOGに見せ、「これは聞かれるかも」と言われた質問を抜き出してその回答も準備しておいたといいます。
「『犬派ですか、猫派ですか?』という質問も、ありそうだというので答えを準備しておきました。人に寄り添う犬が好きです……といった感じで、自己PRにも結びつくようにしておきました」
さらに、面接の定番とも言える「逆質問」のパターンまで準備していました。具体的な質問内容はあえて伏せておきますが、「たいていどの面接担当者も熱く語ってくれるような内容にしました。逆質問は、相手が熱く答えてくれそうなものを選ぶといいと思います」だそうです。
もう1冊のノートには、面接で話せる自分のエピソードを整理して書き込みました。「留学」「アルバイト経験」「家族関係」などいくつかのトピックごとに、それぞれ何をがんばったか、その経験からどんなことを得たかをこれも詳細に書き込んでいきました。
面接では、質問をうけてから即答しないようにも心がけていました。
「いかにも事前に準備していました、と思われないようにですね」
みんながみんな、ここまで準備したほうがいいとは思いません。あまりに準備をしすぎて「とりつくろっている」と思われたら逆効果の場合もあります。ただ、事前に聞かれそうな質問について一度しっかり考えておくことは必要でしょう。想定問答を書き込んでいくことで、自分の頭が整理されていくという効果もありそうです。
大手企業の採用活動は終盤ですが、就活全体を見回せばまだまだこれから採用活動を控えている企業はたくさんあります。結果が出ずに焦っている方がもしいたら、ぜひAさんのノートづくりを参考にしてみてはいかがでしょうか。