なおこの就活道場 略歴

2016年04月27日

最終面接で「他社に内定もらったらどうする?」にどう対応するか(番頭フッキーの「就活イヤァオ!」その27)

 まいど! 「なおこの就活道場」番頭のフッキーです。毎回、就活生の陥りがちな悩みを「イヤァオ!」と一刀両断する言葉をお届けいたします。

 選考が進むにつれて浮上してくる悩みが、「ほかの選考を続けるかどうか問題」です。他社の選考を辞退させる、必ず入社するという誓約書を書かせるといったいわゆる「オワハラ」は論外ですが(念のためですが、この手の誓約書を書いても就活を続けることにまったく問題はありません)、「うちが内定出したらほかの選考はどうする?」「うちと同業他社と両方内定したら、どっちに行く?」といった質問は面接が進んでいくとほぼ間違いなく受けることになります。選考する立場からすると、少なからぬ時間を使ってチェックし内定を出した学生になんとしても入社してもらいたいと考えるのは、ごく自然でもあります。

 「ある大手新聞社の面談で『うちと別の大手新聞社、両方内定したらどうする?』と聞かれました。なんと答えたらよかったのか、今でも悩んでます」

 と言うのは、都内の私立大学生。「面接官との相性をみて考えます」と返事したそうですが、「こういう場合、どこまで本当のことを言っていいんでしょうか」と考えこんでいます。

 このテーマは昨年7月29日の「イヤァオ!」でも触れましたが、大切なことなので改めて繰り返します。最終面接でのウソは「あり」です。本命企業が別にある場合でも、内定をもらう段階では「御社が第1志望です」と言い切って構いません。日本の就職活動は企業側のもつ情報と学生側のもつ情報に大きな差があることが多いです。採用基準や採用手段を明確に公開している企業は少ないし(されていたとしても、実際はリクルーターなどの裏ルートを使って採用しているケースが多いですよね)、採用人数だって会社の方針によってコロコロ変わります。そのうえ、学生側が就職活動を終えるタイミングまで企業に主導権をゆだねる必要があるでしょうか。内定はとれるだけとり、そのあとで自分の行きたい会社をしっかり考えればいいのです。

 ただ、その「ウソ」の度合いは受ける企業によって微調整が必要です。

 企業の規模が小さかったり待遇が同業他社と全然違ったり、あるいは選考時期が非常に早かったりするため、学生が自社以外の選考を受けていることを「当然」と考える企業があります。この場合、「御社以外は受けるつもりはありません!」といった心にもないことをいうと面接担当者にいろいろつっこまれて見透かされる可能性があります。そういう時は冒頭の大学生のように、「これからいろいろ企業を見た上で、面接担当者との相性を見て考えたいと思います」「御社にぜひ入りたいと思っていますが、その思いをはっきりさせるために他社の選考も進めてみたいと考えています」といったたぐいの「方便」を使うとよいでしょう。

 では、企業規模や社風などからみて「自社以外の選考を進めているなんてけしからん!」といいそうな企業の内定を得るにはどうしたらいいでしょうか。ここは真剣にウソをつかなければいけません。そのためには、「その会社に行きたい理由」をしっかり考えましょう。その企業のよさ、他社とは違う点、共感できるところを会社HPや最近の取り組みを見ながら30分くらい考えて、1分くらいでしゃべれるように組み立ててみるのです。本命企業の志望動機作りに向けての練習にもなりますし、本命企業の同業他社であればなおのこと効果的です。

 それに、しっかりその会社のことを調べていくうちに、「意外にこの会社もいいかも……」と思えてくるかもしれません。何度も繰り返しますが、最終に近い段階での「御社が第1志望です!」というウソはありです。そしてこれも繰り返しですが、内定を辞退するときは誠心誠意、できれば直接会って謝りましょう。