SDGsに貢献する仕事

三和シヤッター工業株式会社

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三和シヤッター工業〈後編〉なくてはならない「毎日をつくる会社」【SDGsに貢献する仕事】

2025年12月17日

 SDGs(持続可能な開発目標)関連の業務に携わっている若手・中堅社員に直撃インタビューする「SDGsに貢献する仕事」の第30回。シヤッターやドアなど、製造から取り付けまで手がける国内最大手企業、三和シヤッター工業(「ヤ」は大文字)の後編をお届けします。設計からメンテナンスまで一気通貫で提供する三和シヤッター工業の強みは、人のつながりを大切にしていること。ESG推進に携わる担当者に就職活動の振り返りや、会社で働くやりがいについてもじっくりうかがいました。(編集部・福井洋平)

【お話をうかがった方のプロフィル】
三和ホールディングス コーポレートコミュニケーション部 ESG推進課長 田村麻子(たむら・あさこ)さん
 2006年早稲田大学教育学部卒業、同年三和シヤッター工業入社。三和シヤッター工業 広告宣伝課、教育企画課、三和ホールディングス 広報課、三和ホールディングス CSR推進課(2019年4月 ESG推進課に改称)を経て2024年4月から現職。
(前編はこちらから

提案、製造、取り付けまで一気通貫で行う

■全国の拠点
 ──三和シヤッター工業の営業拠点は全国津々浦々にあるのですか。
 そうですね、全国の都道府県に約350所課あります。シャッターは不具合があったらすぐに点検や修理をしないといけないので、津々浦々に営業拠点を置いているのです。商品がすぐ届けられるように工場も全国8拠点ありますし、本当に人で成り立っている会社です。

 ──工場はどちらにありますか?
 本州ではシャッターは栃木県の足利工場と岐阜工場で、ドアは群馬県の太田ドア工場と広島工場、ほかに北海道の札幌工場、福岡県の九州工場、主に窓シャッターなどの住宅建材をつくる静岡工場があります。

 ――商品は取り付けもされるのですか?
 そうですね。取り付けもするというのが、当社の強みです。お客様に「こういう商品はどうですか?」と提案して、図面を描いて、工場で商品をつくって、それを納入して、取り付けて、メンテナンスもする。売って終わりではなく、初めから最後まで一貫して行うのが強みですし、参入障壁にもなります。
 取り付けに関しては社内にも技術者がいますが、請負で全国3900人ぐらいいる施工技術者にもお願いします。大きい現場になるともう何百箇所もシャッターがあるので、工程を全部考えながら取り付けていくのはプロ、匠の技ですね。
■グローバル展開
 ──最近ネット上で、御社のロゴが「よく見たらシャッターになっている」と話題になっていました。
 みなさん、ご存じなかったのですね。でも、当社の事業はシャッターだけではないですよ、と伝えたいです。たとえばドアですと、SD(スチールドア)に関しては日本ナンバーワンで、高いシェアを持っています。アメリカ、ヨーロッパではシェアポジションが2位ですね。アメリカでは1996年にODCという大きな会社を買収し、2003年にノボフェルムというヨーロッパの会社を買収して、そこから事業を拡大しています。世界の28の国と地域でシャッター、ドア、その他商品を取り扱い、日米欧で高いシェアを持つなど、グローバルな広がりがあるのです。

製造、工務、開発、設計が連携

■大変だったこと
──田村さんのこれまでのSDGs、サステイナブルに関するお仕事の中で一番大変だったなということは?
 前編でお話させていただいた、インデックス銘柄入りに向けた取り組みです。ESGは株価に直結する大事な取り組みだなと分かり、社内のエンジンが回り始めました。ESGに続いてMSCIという格付けにもチャレンジして入ることができたのですが、全ての始まりはインデックスを目標にして取り組もうというところでした。

──一番苦労されたポイントはどこだったんですか?
 社外開示の判断と、コンセンサスの形成です。「サステナビリティ委員会」という会議で「こんなにいいことがある」「定量的にこれをクリアすることで、ここの評価ポイントが上がって、組み入れられる可能性がある」と具体的に、納得感があるように説明しました。それでもどうしてもダメなところはもう引いて、別の評価項目で勝負しようと。かなり議論を重ねながら社内のコンセンサスを得て、「よし、これで開示しよう」となったのが2020年9月です。それが次の年に実を結んだのは、すごくいい経験でした。
(写真は太田ドア工場物流棟の太陽光発電設備=三和シヤッター工業提供)
 ──今後、御社の取り組みがこうなっていったらいいなと思われるポイントはありますか。
 太陽光発電のソーラーパネルが2019年12月に太田ドア工場の物流棟の屋根に初めてつきました。その後、九州工場、静岡工場、2025年4月に太田ドア工場のカーポートにもつき、どんどん取り組みが拡がってきました。社会からどう見られているか、社会に対して何ができるかを考えながら取り組みを進めていきたいです。

 ──田村さんは発信される立場ですが、もっと「ここに注目してもらいたい」ということは。
 名前が「三和シヤッター工業」なので、シャッターが注目されがちですけど、「ドアや間仕切でみなさんの365日を支えているんだよ」と伝わってほしいですね。水害のときにもお役に立つことがあると思います。

■三和シヤッター工業のネットワーク
 ──あらためて、三和シヤッター工業の強みはどういうところですか。
 商品力と全国のネットワークですね。つくって、売って、納めて、取り付けて、最初から最後まで一気通貫でやる。「三和シヤッター工業」という看板を背負って全国に営業拠点を構え、商品取り付け後も修理やメンテナンスへ行って、というところは強いと思います。

 ──お話を聞いていると、「面倒見がいい」会社と感じます。
 当社は連携を大切にしています。例えば、帳票一つにしても、人が増えている中では誰もが分かりやすい帳票にしないといけませんし、指示書を書くときも「こういうやり方のほうがいいよね」と会議で議論します。開発、設計、製造、工務が連携しながら、日本中のお客様の毎日を守るということを意識しています。

なくてはならない「毎日をつくる会社」

■田村さんの経歴
 ──田村さんの社歴を教えてください。
 三和シヤッター工業に、新卒で2006年4月に入社しました。持株会社として三和HDが誕生したのは2007年です。
 はじめは広告宣伝課で商品のカタログや取扱説明書をつくりました。何もわからない状態で入社したのですが、そこでいろいろな商品知識を得られました。どのように当社商品がお客様に使われているか、実際のユーザーのところに行って写真を撮ったりインタビューしたりと、エンドユーザーの声を直接聞くことができ、貴重な体験でした。
 その後2010年4月から教育企画課に行き、営業担当者用の販売ツールをつくっていました。半年後に三和HDへ出向になり、広報に配属されました。1回目の産休のあとにESG 推進課の前身となるCSR 推進部へ2015年の11月に異動。2018年4月に2回目の産休明けでCSR推進部に戻り、2019年に発足したコーポレーションコミュニケーション部のESG推進課に移って、現在に至ります。

■田村さんの就活
 ──ご自身は、就活のときはどういった業界を見ていましたか。
 「世の中になくてはならないもの」がいいと思い、鉄道会社などのインフラを見ていました。

 ──三和シヤッター工業はどんなイメージだったんですか?
 正直に言うと、サークルの友達が「三和シヤッターという会社を受けたよ」と言っていたので「聞いたことがあるし、受けてみようかな」と思ったのが接点です。初めはみなさんと一緒で「シャッター」のイメージしかなかったんですけど、面接を重ねていくにつれて、シャッターだけじゃないんだな、と。当時の面接担当者も人当たりのいい、すごくいい感じの人で、それも一人だけではなかったので「こういう人が多いんだろうな」とも思いました。

 ──「ここに入ろう」と思った決め手は何だったんですか?
 シャッターはこれからもなくならないし、なくてはならない会社と感じました。「毎日をつくる会社」だと思いました。

一人ひとりに活躍できるフィールドある

■社歴
 ──入社されてからも「社員が優しかった」というイメージは変わりませんでしたか。
 そうですね。シャッターは見た目が殺風景で「シャッター通り」という言葉もあったりしますが、面接で「むしろシャッターを広告みたいにしたらいい」と生意気にも言ったら、「じゃあ、あなたがやればいいじゃない。やってください」とニコニコして言ってくださり、結局広告宣伝課に配属になりました。そのとき、若い人の意見でもちゃんと聞いてくれそうだなと思いました。

 ──実際に入ってみて、働きやすさを感じましたか。
 私が入社した頃は、あまり労働時間のことを考えなかったかもしれません。最近になってワーク・ライフ・バランス、生産性を高めて労働時間を減らそうという動きが出てきて、いい取り組みだと思います。

 ──これまで印象深い仕事はありましたか。
 カタログをつくったときに誤植をしてしまい、訂正用シールを急いで発注し、ひたすら貼った思い出があります。シールを貼るのも間に合わない時は、印刷会社ではなく会社のコピー機で刷って、折り曲げられるように真ん中をホチキスで止めて、透明な袋に詰めて対応したこともあります。

 ──20代の時に楽しかったことは。
 ガレージドアのカタログをつくるために、お客様のお宅に取材に行ったことです。素敵なお宅に行ってガレージの撮影をさせてもらったり、すごくかっこいい外国車が動くシーンを撮影させてもらったりしました。熱が入って撮影スタッフが隣の敷地に入ってしまい、怒られたこともありました。もちろん、謝るしかなかったです。
■やりがい
 ──田村さんが三和HDで働く、やりがいは何ですか。
 会社で言うと「なくてはならないもの」をつくっているところ。私たちの仕事の一つひとつが目に見えるわけではないですけど、お客様の毎日を支えていることがやりがいです。

 ──日々の仕事で喜びを感じるポイントは?
 自分の仕事で言えば、裁量権があるところです。「まず、こっちをやろう」「これはこっちに置いておいて、この仕事をやろう」と決められます。また例えば、さっきのFTSEやMSCIなどのインデックスに結びつき、それが企業価値の向上につながったり、以前よりいい評価をもらったり、というのはやりがいになるし、励みにもなりますね。

 ──就活生に三和シヤッター工業の良さを伝えるとしたら?
 開発、設計、製造、工務に至るまで、いろいろなフィールドがあります。その一つひとつの仕事がシャッター、ドアを使う人々につながって、喜びや毎日の安心につながります。一人ひとりが活躍できるフィールドがあるのは強みですし、みなさんにも活躍してほしいと思います。

(写真・岸本絢)

SDGsでメッセージ!

 安全、安心、快適を提供することにより社会に貢献する三和シヤッター工業です。シャッターだけじゃなくて、ドア、間仕切、ステンレスなどさまざまな商品で人々の安全、安心、快適な毎日を支えています。みなさんが活躍できるフィールドも営業だけじゃなくて、開発、設計、製造、工務などたくさんあります。ぜひ、みなさん興味を持って、三和シヤッター工業にアクセスしてみてください。

三和シヤッター工業株式会社

【建材メーカー】

 1956年の創立以来、シャッターやドアなどを通じて安全・安心・快適を創造する総合建材メーカーとして産業や暮らしに貢献してまいりました。  国内No.1のシェアを誇る、シャッターとスチールドアを筆頭に、フロント、間仕切など扱う商品は実に多彩です。  三和シヤッター工業は「安全、安心、快適を提供することにより社会に貢献します」を使命として、住空間、商空間、そして都市空間へ、質の高い技術と製品、サービスを提供していきます。