
(写真は断熱クイックセーバーTR=三和シヤッター工業提供)
■気候変動緩和への対策
──気候変動の「緩和」という観点ですと、御社商品は断熱性が高く、省エネに役立つそうですね。
「Re-carboシリーズ」という、お客様の消費エネルギーを削減し、気候変動の緩和に貢献できるような商品群があります。工場はすごく暑い、寒いということがありますよね。その場合、「Re-carboシリーズ」をつけると冷気や暖気を逃さず、空調効率がよくなります。断熱性を高めたこれらの商品は、温度帯の管理が求められる物流センターに多く利用いただいています。シャッターは隙間から空気が漏れるので、その隙間を防ぐための気密性を工夫しているのです。
冷蔵・冷凍倉庫、車の整備工場などに使われている、シート状で速く動く高速シートシャッター「クイックセーバー」という商品もあります。素早く開閉することで空調効率を上げ、省エネに資する商品で、30年ほど前に商品化しました。食品工場向けに「防虫レッドシート」という虫が視認しにくい色を用いたものもあります。
シートの中に断熱材を入れることで、普通のシートより断熱性能を高めたクイックセーバーもあります。「断熱クイックセーバーTR」に関しては当社唯一の商品になりますので、そこは強く推せるポイントです。これらの商品群によってお客様のScope1、Scope2(温室効果ガス)排出量を削減し、働いている人たちの職場環境改善にもつながります。
■ESG推進
──業種そのものがサステイナブルに結びついているのですね。特にこういった取り組みを強調されるようになったのはいつごろからですか。
これまではCSRなど社会貢献活動をしていましたが、2019年にESG推進課ができ、そこから投資家やステークホルダーに向け、ESG投資を呼び込む活動を意識するようになりました。企業価値を上げ、ESGのインデックスに組み込まれ、それによって株価の安定性を高めるという目線で活動するようになりました。
──田村さんが特に力を入れて発信していることは?
ものづくりの力、事業活動の中で SDGsやサステナビリティに貢献していくというところです。資源を使っているメーカーとしてCO₂や水、廃棄物の削減にも取り組んでいますが、我々ができる最大のことは「モノをつくって売ることでサステイナブルな社会につながる」ことです。そこをウェブサイトや統合報告書で強く打ち出しています。