
就活を終えた学生に自身の活動を振り返ってもらう「先輩に聞く!」。5回目は、大手人材業のエンジニア部門に入社を決めた都内私大情報系学部の男子学生、熊谷さん(仮名)に登場してもらいました。1年生のときからダイレクトリクルーティング系のサイトに登録し、3年夏には大学が提供するインターンシップに参加して就活意欲を高めた熊谷さん。
自分のしてきた活動を紙に書いて整理し、自己アピールをブラッシュアップしていったことが内定につながりました。(編集部・福井洋平)
(写真・PIXTA)
●「先輩に聞く!① 大学のキャリア相談室はとにかくフル活用を!」 は
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●「先輩に聞く!② 就活はなるべく早くスタートを ネガティブ情報に踊らされず」 は
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●「先輩に聞く!③ 内定9社の女子学生 業種は絞らず、志望動機の書き方は「型」で」 は
こちらから
●「先輩に聞く!④ 大手IT内定女子学生 面接は「しゃべりすぎない」のがコツ」 は
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1年生からダイレクトリクルーティングのサイトに登録

■就活スタート
本格的に就活を始めたのは大学3年生 だった2022年11月ごろでした。
就活の準備と考えて、1年生から企業側からオファーが来るダイレクトリクルーティングのサイトに登録し自己アピールを書いていたら、2年生の夏が終わるころからちょくちょくいろいろな会社から説明会への誘いが来るようになりました。どんなものか一度経験してみようと、IT系企業の説明会に1社だけ行ったことがあります。
3年生の夏は、大学が授業の一環として、
企業と連携し実施しているインターンシップに参加しました。半導体・集積回路のメーカーに夏休みのあいだ2週間通い、製品についての知識を教えてもらったり、回路を実際に制作したりといろいろな経験をさせていただきました。それで就活への意識が高まり、11月ごろから本選考やワンデーインターンなどに申し込みを始めました。IT系や、趣味のゲーム業界などをみていました。エントリーは最終的に30社程度にしたと思います。
■対策
就活のときにエピソードを話せるよう、
サークル活動にしっかり取り組んで学園祭に参加するなど大学生活をちゃんと過ごそうと考えていました。演劇サークルで演出を担当し、学園祭で賞をとったりもしました。演出は出演者や裏方の意見を聞いてまとめていく仕事でもあり、グループワークのトレーニングにもなっていたと思います。たくさんの人の意見をとりいれ、どうやれば相手に伝わるかよく考えてコミュニケーションをとっていたことが、就活につながったように思います。
中高生から自分のやってきたこと振り返る
■自己分析、PR
中高時代はサッカーに打ち込み、大学進学にあたっては誰かの役にたちたいと考えてプログラミングを学ぼうと学部を選びました。サークル活動も含め、自分のそれまでの道を振り返ると自分が興味を持ったことに対して深く取り組もうとしてきたということが認識できたので、自分の強みは好奇心の強さと挑戦的に動いてきたこと、というように整理して自己アピールできるようにしました。会社の説明会でその内容を褒めてもらったことが自信につながりました。
「伝え方」については就活を重ねてブラッシュアップしていきました。数字を入れて、なるべく具体的に相手がわかりやすいように話せるよう工夫しました。
■企業研究
自分が楽しく働けるよう、福利厚生はしっかりチェックしていました。給与体系や社員へのサポート体制、子どもができたときの支援や勤務地、寮の有無などです。会社のオフィシャルサイトでチェックしたり、実際に説明会で質問したりしました。
メモを手元においてオンライン面接に

■面接
3年生の12~1月ごろは受けたいと思う企業がたくさん出てきて、ESを準備するにあたって
同じことばかり書かなければならないのがきつかったですね。
自分が選考に参加した企業はオンライン面接がほとんどだったので、
メモを手元に置いて基本的には聞かれたことに答えるようにしていました。面接はどれも基本的に「自分という人間を知りたい」という質問で、自分の経験は整理できていたので、あとはそれを話すだけでした。丁寧な言葉遣い、「です・ます」言葉になるように気をつけ、オンラインでタイムラグがあるといけないのでゆっくり話すように心がけていました。
ある企業の面接では、「日本にある電柱の数を答えてください、ただしインターネットは使ってはいけません」という質問が出ました。都道府県なら電柱の数は把握しているのではないかと思い、各都道府県の役所に問い合わせて数を足していくと答えたら、ウケてましたね。そこの選考は通過しました。
■アドバイス
自分のことを知ることが大切です。
紙やノートに自分のやってきたことを書き出し、整理整頓することでESや面接で話せることが見えてきます。