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買収の狙いについては、日本製鉄は期待できない国内需要の伸びを海外生産で補うためで、東京ガスは脱化石燃料の過渡期の対策として天然ガスを伸ばすためとしていて、それぞれ違います。ただ共通するのは、人口が減っていく国内にとどまっていては成長がおぼつかないという認識です。この認識は多くの業界で共有されていて、日本企業による海外企業の買収はこれからさらに増えるのではないかとみられます。そうなると、企業は海外事業向けの人材をほしがる流れになるでしょう。語学を含めたコミュニケーション能力や心身のタフさなどが、これまで以上に求められることになりそうです。
2023年の「週間ニュースまとめ」は今回で終了です。2024年の「まとめ」は1月9日からスタートします。(ジャーナリスト・一色清)
(写真・日本製鉄の看板=2019年4月、東京都千代田区)
★【経済】日本製鉄、USスチールを買収へ 総額2兆円、日米またぐ大型再編に(12/18.Mon)
日本製鉄は18日、米鉄鋼大手のUSスチールの買収を決めたと発表した。付加価値
が高い鋼材需要が伸びている米国の事業を拡大し、成長のエンジンに育てるねらい。買収総額は2兆円を超え、日本製鉄として過去最大の買収案件となる見通しだ。発表によると、日本製鉄は米子会社を通じ、USスチールを完全子会社化する計画。USスチール株の15日の終値(1株39.33ドル)に40%のプレミアムを加えた1株55ドルで買い取る。同社も買収に賛同している。USスチールは、米国有数の鉄鋼メーカーで、最先端の電炉技術を持つ。エネルギー効率が良い製鉄所の運営や、米国内に保有する鉄鉱石鉱山によって高い競争力を持つ。
★【社会】安倍派・二階派を捜索 パーティーめぐる規正法違反容疑 東京地検(12/19.Tue)
自民党の派閥が開いた政治資金パーティーをめぐる問題で、東京地検特捜部は19日午前、最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)と「志帥会」(二階派)の事務所(いずれも東京都千代田区)に、政治資金規正法違反(不記載・虚偽記載)容疑で家宅捜索に入った。億単位の収入が政治資金収支報告書に記載されていないなどの疑いがあり、政権や党を揺るがす問題は刑事事件に発展した。特捜部は安倍派、二階派ともに派閥側の立件を視野に入れて会計責任者らの任意聴取を進めてきたが、指揮系統などの解明には事務所の強制捜査が必要と判断したとみられる。
★【社会】公取委が損保大手4社に立ち入り検査 カルテル疑惑解明へ調査厳格化(12/19.Tue)
損害保険大手4社が企業向け損保の保険料を事前調整していたとして、公正取引委員会は19日、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で4社に立ち入り検査に入った。関係者への取材でわかった。東京都向けの保険などでも受注調整を繰り返していた疑いがあるという。関係者によると、立ち入り検査を受けたのは、東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険、損害保険ジャパン、あいおいニッセイ同和損害保険の4社と、保険代理店2社の計6社(いずれも東京都内)。各社が扱う損害保険のうち、独禁法違反容疑の対象となっているのは、東京都のほか、コスモエネルギーホールディングスとコスモ石油▽JERA▽シャープ▽京成電鉄▽独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構の計6団体を契約先とするもの。それぞれ年間5億~80億円の保険料を損保側に支払っている。
★【社会】ダイハツ、64車種で174の不正確認 出荷停止は国内外の全車種に(12/20.Wed)
ダイハツ工業は20日、車両の認証試験をめぐる不正で、新たに174の不正が行われていたと発表した。不正はすでに生産を終えた車種を含む64車種と3種類のエンジンに及ぶ。同社は国内外で手がける全ての車両の出荷を当面停止する。親会社のトヨタ自動車も統治体制が問われる事態だ。ダイハツの奥平総一郎社長は安全性を再確認し「乗り続けて問題がある事象はなかった」としている。ダイハツは軽自動車の国内シェアの3割を握る。昨年度の世界生産台数は約170万台。不正と出荷停止の対象には、トヨタやマツダ、スバルにOEM(相手先ブランドによる生産)などをしている国内16車種、海外7車種も含まれる。不正は試験データの捏造(ねつぞう)や改ざん、車両や実験装置の不正な加工や調整など25項目に及ぶ。排ガスの認証手続きで、試験直前にガスの浄化装置の触媒を新品に差し替える不正なども見つかった。
★【経済】平時ほど遠い「膨張予算」閣議決定 歳出112兆円、過去2番目規模(12/22.Fri)
政府は22日、一般会計の歳出総額が112兆717億円となる2024年度当初予算案を閣議決定した。コロナ下で膨らんだ予備費を減らしたことで、12年ぶりの減額に転じたが、歳出は切り込み不足で、過去2番目の規模となった。「歳出構造を平時に戻す」からは、ほど遠い内容だ。歳出は前年度と比べると2兆3095億円減。大きな要因は国会の議決なしで使える予備費を減らしたことだ。また、政府が防衛力強化の財源確保策として新設した「防衛力強化資金」は来年度は計上しない。
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