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就職活動をはじめるうえでまず大切なことが「自己分析」です。
就職活動は、企業に自分を売り込む活動です。ということはまず「自分」について知らないと、売り込みに苦労してしまうことになります。また、自分のことをよく知らないままに自分とあわない会社に入ってしまうと、早期に離職する可能性も高くなります。
しかし、「自分を知る」と言葉では言えても、具体的に何をどうすればいいのか迷ってしまう人が多いのではないでしょうか。これから数回にわたり、就活における「自己分析」はどうしたらいいかについてさまざまな角度から迫ってみたいと思います。第一回はコワーキングスペース経営や行政書士など多角的に活動しながら学生の就活支援も続けている本多夏帆さんにお話をうかがいました。
【プロフィール】
本多夏帆(ほんだなつほ)
株式会社Office Breath 代表取締役・行政書士。大妻中野中学高等学校・中央大学法学部を卒業。こどもも利用できるコワーキングスペースを起業し、自身も3人の子育てをしながら多店舗運営に取り組む。「人生のための就活を」をテーマに2013年からキャリア支援に尽力。
就職活動は、企業に自分を売り込む活動です。ということはまず「自分」について知らないと、売り込みに苦労してしまうことになります。また、自分のことをよく知らないままに自分とあわない会社に入ってしまうと、早期に離職する可能性も高くなります。
しかし、「自分を知る」と言葉では言えても、具体的に何をどうすればいいのか迷ってしまう人が多いのではないでしょうか。これから数回にわたり、就活における「自己分析」はどうしたらいいかについてさまざまな角度から迫ってみたいと思います。第一回はコワーキングスペース経営や行政書士など多角的に活動しながら学生の就活支援も続けている本多夏帆さんにお話をうかがいました。
【プロフィール】
本多夏帆(ほんだなつほ)
株式会社Office Breath 代表取締役・行政書士。大妻中野中学高等学校・中央大学法学部を卒業。こどもも利用できるコワーキングスペースを起業し、自身も3人の子育てをしながら多店舗運営に取り組む。「人生のための就活を」をテーマに2013年からキャリア支援に尽力。
自分のしてきたことを大きく3つのカテゴリーで整理
企業に自分を売り込むのが就活です。自分を知らなければ、どう売り込んでいいかもわからなくなります。間違った自己分析のまま就活を進めると、自分とあわない企業に行くことにもなりかねません。そして、就活時の自己分析は、あくまで自分がこれから社会に出て働くためにやるものです。なので自己分析と並行して、「働く」とはどういうことかを知ることも大切です。会社に求められる人材、会社や組織で働く人材とは何かを知ってやらないと、自己分析はなあなあで自己満足に終わってしまいます。企業はお友達を探しているのではないので、「自分はいい人です!」といくら売り込んでも採用はしてくれません。
自己分析は大きくわけて2つ必要です。まずは過去の自己分析。過去の自分の経験を棚卸しして深掘りしていきます。
すばらしい経験が必要ということはありません。まず自分のしてきたことを大きく3つのカテゴリーで整理しようと伝えています。①学業 ②学校の中の活動(サークルなど) ③学校の外の活動(アルバイト、ボランティアなど)です。それぞれピンポイントで聞かれる可能性もあるので、1つずつエピソードを語れるくらいまで整理しておきましょう。理系の方など、学業がかなり忙しかった方は①と②は一緒にしてもいいかもしれませんし、大学時代に限る必要もないと思います。パソコンで整理するより、紙とペンで整理したほうがやりやすいように思いますが、やり方は人それぞれでいいです。
「なぜそんなことをしたのか」を常に考える
大切なことは、自分がやってきた行動ひとつひとつについて「なぜそんなことをしたのか」と考えることです。学生がしやすい勘違いとして、自分が「何を」してきたか、つまり「what」ばかりを重視して自己分析をしてしまうということがあります。面接官は学生がやってきたことではなく、その学生がどういう人物か、どういう思考のくせや行動パターンをもっているかに注目しています。そのために面接官が聞いてくるのは、whatではなくなぜその行動をとったのか、「why」の部分です。なので、自分の過去を振り返ったときに自分が「なぜ」その行動をしたのかを言語化して理解する必要があるのです。たとえば「TOEICで800点をとりました」というエピソードがあったとして、聞きたいのはその点数ではなく、なぜそこにチャレンジしたか、なんです。映画が好きで原語で見たかったからなのか、外国の人に道案内ができなくて悔しかったからなのか、絶対外国で働きたいからなのか、そこをちゃんと答えられるようにしておく。自分の行動の理由を探っていくとそのうち自分の思考のくせ、行動パターンがわかってきます。
人が喜んでくれると自分もうれしくなるのか、責任感が強いのか、信頼できる人からの頼みは断れないのか、体育会系の環境があうのか、あわないのか、報酬よりも休みが多い方がいいのか、報酬を優先したいのか――。自分がどういう理由で行動するかを理解すれば、自分がどういう環境でパフォーマンスを発揮できるかもわかってきます。自分は人と仕事するより一人で仕事するほうがベストだと判断すれば、そういう仕事ができる企業を選んだほうがいいのです。
行動を続けた理由を言語化する
ただし、自分が求める理想的な環境に100%マッチする企業はありません。自己分析を深めることでどの要素が自分にとって優先順位が高いのかを理解すれば、よりよい会社選びができます。繰り返しになりますが大切なのは「何をしたか」ではなく「なぜしたか」です。多くの学生さんは、そこを勘違いしているんですね。毎年、ここを説明するとみなさん「そうだったのか」という反応になります。
行動の最初のきっかけが「なんとなく」でもいいと思います。そこからその行動を続けた、はまっていった理由があると思いますので、その変化の部分を言語化できるように考えてみましょう。
「未来の自分」について自己分析をする
自己分析でもうひとつ大切なことは、過去の行動の分析に加えて「未来の自分」に関して自己分析をすることです。面接が進んで役員クラスとの面接になると、これまで何をしてきたかよりも、これから何をしたいかを聞かれることが増えていきます。その人の向かう方向性が会社の方向性とマッチしているか、入ったあとで「何か違うな」と思わないかを確認したいからです。なので、「これから何をしたいか」ということも自己分析に含まれていきます。
よくある質問ですが、「5年後、10年後に自分がどうなっていたいか」を聞かれたときに答えられるように具体的にイメージしてください。そのためには、自分がどういう方向性に進みたいのかを考え、どういう働き方をしているか具体的にイメージできるよう、「働く」について情報をあつめることです。「満員電車に乗っていたくない」「転勤はしていたくない」ということでもいいと思います。そういうことが可能な働き方をめざすべきで、何も考えず会社の名前だけで就職を決めるといい結果にならないですよね。
就活は「自分と向き合える期間」
自分と向き合える期間がとれるのは就活の期間、それもできれば3年生のうちと学生には伝えています。選考スケジュールが忙しくなると、時間がとれなくなります。大切な期間ですので、まずはペンと紙をもって自分のこれまでやってきたことを洗いざらい棚卸ししてみましょう。
冒頭に述べたように、「働く」ことを知ることも大切です。インターンシップや説明会に参加したりいろいろな社会人の話を聞けるイベントに参加したりという機会をつくってください。
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