2015年10月21日

BtoBの化学メーカーに注目!でもどうやって知るの?

テーマ:経済

ニュースのポイント

 あさって10月23日は何の日か知っていますか。「化学の日」なのだそうです。化学メーカーの多くは、BtoB(Business to Business=企業間取引)事業がメインであまり有名ではありません。このため就活生の目が向きにくいのですが、日本が世界に誇る高い技術力をもった企業がたくさんあります。今日はBtoB中心の化学メーカーを取り上げます。(編集長・木之本敬介)

 今日取り上げるのは、10面の広告特集「10月23日は化学の日 暮らしを支える化学の力」です。
 広告特集の紙面では「私たちの快適な生活や社会にとって、化学の力は欠かせません。世の中のありとあらゆるところで役に立っている化学の素晴らしさの、ほんの一部を見てみましょう」として、カネカ、日本合成化学、日本触媒、日本ペイントホールディングス、東ソー、日本ゼオン、ダイセル、住友化学の化学メーカー8社が自社の取り組みなどを紹介しています。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 横浜市の大型マンションが傾いた問題で、化学大手の旭化成が大きく取り上げられています。傾いた原因とみられる杭を施行した旭化成建材の親会社、旭化成の浅野敏雄社長が20日、記者会見で涙ながらに謝罪しました。経済面(8面)「旭化成ブランド揺らぐ」の記事にあるキーワードでは「旭化成」についてこう説明しています。
 1931年設立の総合化学大手。2015年3月期の売上高は1兆9864億円。グループの従業員数は約3万人。「ヘーベルハウス」を展開する住宅・建材は売り上げの3割を占める主力事業で、「サランラップ」などの製品でも知られる。

 この問題では、日本を代表する化学メーカー旭化成が今後どう対応するのか注目ですが、今日は他の化学メーカーに目を転じましょう。

 10月23日を「化学の日」としたのは、物質のもとになる粒子(原子・分子・素粒子)などの数の単位である1モルの物質中に存在する粒子の数が6.02×10の23乗個あるためだそうです。この説明からして文系出身の私にはとっつきにくいのですが、化学は私たちの暮らしの様々なところで役に立っています。

 広告特集では、「化学の力」で生み出された身近なものを紹介しています。
【医療】医療器具の殺菌に使われる紫外線、金属アレルギーの心配がない歯科治療用のセラミックスチタン合金、がん予防の薬
【建築】シックハウス症候群を予防するため低ホルムアルデヒドの化粧パネルや接着剤、LED、有機EL、太陽電池、蓄電量の住宅産業向けリチウム電池発泡プラスチックやガラスを繊維状に加工した断熱材
【自動車】水素と酸素の化学反応を利用して電気を作りモーターを回す燃料電池自動車、天然ゴムを使わない新素材のタイヤ、耐熱性や強度に優れ弾性に富んだエンジニアプラスチック
【衣料・繊維】外気の温度を感知して吸熱・発熱を調整する防寒衣料、汗をかいて湿度が上がると外に蒸気を逃すスポーツウェアに使われるインテリジェント繊維、着ているだけで体のデータが病院に送られたり家や車の鍵が開いたりする機能を持つ「スマートテキスタイル」

 専門用語も多いですが、化学メーカーが少し身近に感じられますよね。多くの会社は、理系の技術者だけでなく、文系出身の総合職社員を求めています。
 就活ではどうしてもBtoC(Business to Consumer=消費者向けビジネス)に目が行きがちですが、ぜひBtoB企業に目を向けてください。東京証券取引所などに上場している企業は3500社以上あり、実はその大半はBtoB企業です。ところが、有名なBtoCばかりを受ける就活生が多いのです。あさがくナビの就職人気ランキングの総合ランク100位を見ても、BtoBは商社、広告、大手部品メーカーなど20社ほどしかありません。就活ではBtoBは狙い目。早めに目を向けて企業研究を深めましょう。

 BtoB企業を知るには、いくつかの出版社が発行している「業界地図」が便利です。たとえば業界地図の「素材」などの分類を見ると、「化学」「繊維」「ガラス」などさらにさらに細分化されていますが、国内の主な化学メーカーは載っています。
 就活ニュースペーパーの「人事のホンネ」では、大手化学メーカー帝人を取り上げています。こちらも読んでみてください。

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