2015年04月01日

「眠っている財産」に会社研究のヒントあり!?

テーマ:経済

ニュースのポイント

 今日から2015年度がスタートしました。入社式、人事異動、新しい法律の施行、4月1日はさまざまな節目の日です。これを機に社名を変更した企業もあります。家庭用ゲームソフトや業務用ゲーム機の企画開発を行うバンダイナムコゲームスは、今日からバンダイナムコエンターテインメントになりました。今日の朝刊に掲載されていた全面広告には「ゲームにとどまらず、もっともっといろんなアソビをみなさんにお届けできる会社になりたいから」と変更のねらいが書かれていました。
 そんなバンダイナムコエンターテインメントが新たな戦略を打ち出しました。それが、「眠っている財産の掘り起こし」です。 (副編集長・奥村 晶)

 今日取り上げるのは、経済面(11面)の「懐かしのゲームキャラ、他社に開放/「パックマン」「ゼビウス」」です。
 記事の内容は――バンダイナムコエンターテインメント(バンナム)は、「パックマン」「ゼビウス」など、1980年代にはやった人気ゲームのキャラクターや音楽を、他社が自由に使えるようにする。対象は、旧ナムコの家庭用ゲーム機向けの17作品。希望する会社は企画内容を伝え、簡単な審査を受ければ、ゲームやゲーム以外にも使える。有料配信するときは、売り上げの数%をバンナムに払う。バンナムは過去の作品を幅広く使ってもらうことで、新たな収益を生み出す考えだ。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 自社のキャラクターを他社に開放……。このニュース、聞き覚えがありませんか。そうです、2014年には同じくゲーム大手の任天堂が「マリオ」などの人気キャラクターを外部企業に積極的に開放する方針を打ち出しました。さらに2015年3月には、DeNAとの提携を発表、「スマホでマリオ」が近く実現することになりそうです。
 一方、バンナムの前身、ナムコが開発した「パックマン」は1980年に業務用ゲーム機として誕生し、家庭用ゲーム機にも登場、日本だけでなく海外でも大ブームとなりました。最近では、「パックマン」のテレビアニメ『パックワールド』を製作、放映するなど、自社キャラクターの人気、知名度の維持に懸命に取り組んでいますが、ブーム再燃とまではいっていません。
 
 ゼロからキャラクターを生み出し、新たな収益の柱にするのは簡単ではありません。しかし、休眠状態にあるかつての人気キャラクターを他社の手で再活用することは、開発費、宣伝費といった先行投資もリスクも負わずに収益を生むことにつながります。有料配信での売り上げの分配はもちろん、無料配信する場合も、ゲームやアプリ内に広告枠を設定し、広告収入を開発者と分け合う予定です。

 ゲーム業界に限らず、企業にはこういった「眠っている知的財産」があります。企業研究をするときはその企業の歴史を振り返り、かつての大ヒット商品や話題になったサービスなどを調べてみてください。「再活用」の方法までは思いつけなくても、密度の濃い志望動機が語れるようになります。その商品がなぜヒットしたのかを知ることで、市場のニーズの変化も同時に学べます。もしかしたら、目の前の面接官がそのプロジェクトにかかわった人で、話が盛り上がるかもしれませんよ。
 
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