あきのエンジェルルーム 略歴

2016年06月16日

インターンに“行った甲斐”は自分でつくろう! ♡Vol.71

 いつも心にエンジェルを。

 就活の前哨戦としてここ数年、注目されているインターンシップ(就業体験)。今年は警視庁が大学生向けのインターンを初めて実施するというのも話題ですね。就職情報会社・学情による企業アンケートの回答(2267社)をみると、2017年卒学生を対象とするインターンは、約3割の企業が実施、上場企業に限ると5割以上が実施しています。実施時期は夏休み期間の「3年生の7~9月」と3月の広報解禁直前の「3年生の2月」に集中しています。今年の夏休みにインターンをしてみたい人はそろそろ準備が必要です。 
 一口にインターンといっても、期間も体験できる内容も千差万別です。経団連の指針では5日間以上でないとインターンという呼称を使えないことになっていますが、現状では、半日程度のものから数カ月に及ぶものまでさまざま。上記の企業アンケートによると、一番多いのは実は1日だけのインターンです。特に2017年卒対象では、56.5%と半数以上が1日インターンです。たった1日でその会社の何がわかるのか、という人もいるかもしれません。インターンを経験したみなさんの中にも、「行ってよかった」という人がいる一方で「期待外れだった」「時間の無駄だった」という人もいるでしょう。しかし、インターンは就活本番に向けて、ESや面接などの実践的なリハーサルになるのはもちろん、そこで得た人脈をOB・OG訪問につなげることもでき、やっておいて「損」ということはありません。しかも、希望者が全員参加できるとは限らないので、なるべく多めにエントリーすることをオススメします。

 数年前、私が週刊誌の編集部にいるころは、インターンに来る学生がちょこちょこいて、アンケートのデータ処理や、インタビューのテープ起こしなどをしてくれていました。3カ月から半年程度の長めの期間で来るマスコミ志望の学生が多かったのですが、専属のサポート社員がいるわけでもなく、手持ちぶさたの時間もけっこうあるようでした。当時は就活事情がよくわからず、採用選考で有利になるといった“特典”もないし、スキルアップに直結するとも思えないのになぜ?と思っていました。仲良くなった後で本人から、ESや面接でアピールするための実績づくりが目的と聞き、合点したのを覚えています。
 こういったアルバイトに近いような長期インターンとは別として、就活に関連する短期のインターンには大きく分けて3種類あります。名付けるなら見学型、体験型、プロジェクト型といったところでしょうか。

 見学型は半日から1日程度の短いもので、オフィスや工場、施設などを見学したり、社員や役員の説明、講演を聞いたり、というものです。こうなると、就業体験というより、説明会に近いものかもしれませんね。とりあえずその業界のことを知りたい程度の就活の初期段階のときに向いています。

 体験型は1~5日間程度、セミナーやワークショップを通じて、仕事や業界を疑似体験します。見学型より少し詳しい説明が聞け、社員と交流する時間なども設定されていることが多いです。まだ志望業界がしぼりこめていない人が複数のインターンを受ける場合、このタイプのインターンを選ぶ学生が多いようです。ただインターンが体験できる仕事は本来の業務とはかけ離れていることも多く、仕事への適性の判断ややりがい、業務内容の深い理解までは望めないかもしれませんので、期待しすぎないことです。

 プロジェクト型は主に1~2週間程度、中には1カ月といった長めのものもあります。就活生同士でグループを組み、与えられた課題に取り組むというもの。グループごとに社員がサポートしてくれることが多いので、プロジェクト運営のノウハウを教えてもらったり、その業界の課題などをつかんだりできます。同じグループになった就活仲間と親密になることができるので、就活に役立つ情報交換もできます。ただし、このプロジェクト型は、企業側としてもソフト、ハード面ともに多額の投資が必要なので、実施回数も多くありません。参加希望者にはESや面接など、ほとんど採用選考と変わりないくらい準備が必要なこともあり、ハードルは低くありません。
 自分がいま就活のどの段階にいるのか、企業への関心の深さなどによって、参加すべきインターンのタイプは変わってきます。志望業界が絞れていて、具体的な仕事内容もイメージできているのに、今さら見学型インターンに参加しても、収穫がなかった、ということがあるかもしれません。まだ、志望業界も絞れてないのに、あまり興味のない業界の、長めのインターンを「一つくらいやっておかなきゃ」という安易な動機で経験したとしても、期間の長さや課題の大変さについていけず、ただ疲れただけ、ということも考えられます。

 インターン先を選ぶとき、一つアドバイスがあります。志望している業界はもちろんですが、志望業界と異なるタイプの業界、自分は向いているとは思わないけど、周囲からやたらとすすめられる業界なども一つは受けてみるといいでしょう。
 参加した結果つまらないと思ったら、なぜ自分がこの業界はNGだと思うのかがよりクリアに見えてきて自信をもって志望業界を絞り込めるというメリットがあります。もし、そのインターンでその業界が面白く見えてきたら、エントリーをすればいいのです。第1、第2、第3志望の業界に万一落ち続けたときの「持ち駒」が増えます。

 良いインターンになるか、悪いインターンになるかは、そのインターンで、「得たい」と思っていた情報や経験が得られたかどうか、そこにかかっています。もし、説明会よりちょっと詳しい情報を得たかった、というだけなら、見学型で十分満足かもしれません。プロジェクト型に参加し、企業に優秀な学生として「目をつけてもらいたい」というのが動機なら、当然、目の前の課題に対し、ただ受け身で過ごしていてはもったいないですよね。サポート社員に迷惑にならない程度に話しかけて関心の強さをアピールし、グループの中で「こういう人がいると会議がスムーズに進む」「話し合いが活性化する」といった立ち回りをする、インターン終了後に個別に社員を訪問するなど、工夫はいろいろできるはずです。
 
 いずれにしても、インターンを実施するにはお金も手間もかかりますから、積極的に実施している企業は景気がいい、あるいは採用への気合いがハンパないという見方もできます。
 さまざまな企業が、就活生を集めるため、魅力的なインターンを企画しています。まずは情報収集してみましょう。

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