私自身も娘が0歳児の後半から保育所探しを始めました。案の定、自治体の認可保育所は66人待ち――。運良く協力企業の事業所内保育所の枠に抽選で当たり、そこに2年間預けながら、認可保育所に空きが出るのを待ちました。私も夫もフルタイム勤務でしかも勤務が不規則なマスコミ業界、その上、夫は地方に単身赴任中。そんな条件でも66人待ちなのですから、待機児童問題の深刻さを痛感しました(左写真はトヨタ紡織の工場内にオープンした事業所内保育所)。
友人の中には、妊娠がわかった段階で「保活」を始め、保育所の充実した地域に家族で転居する人もいました。
私の場合、ようやく空きが出て通えることになった認可保育所は自宅から地下鉄で4駅。インフルエンザなどが流行っている時期は怖くて満員電車に乗せられず、タクシーで送り迎えをすることもありました。ベビーシッターさんの手も借りました。経済的に可能だったからできたことで、一つ歯車がずれれば破綻しかねない綱渡りの子育て環境でした。
先日、保育所時代のママ友とたまたま待機児童の話題になりました。その友人は住んでいた地域の認可保育所が130人待ちで、空きが出るまで自宅から電車で片道1時間近くかかる認可外保育所に子供を預け、またそこから30分以上かけて職場に出社していたそうです。
乳児を抱いた母親が毎朝、満員電車に1時間近く乗っている姿を想像してください。「子供が日に日に衰弱しています」「このままでは私も子供も死にます」――。何度も自治体に掛け合い、窮状を訴える手紙を送り続け、ようやく入れた保育所で私たちは出会ったのです。ちなみに私たちの子供は一度も待機児童としてはカウントされていません。