あきのエンジェルルーム 略歴

2016年03月18日

OG訪問でエンジェル企業を発掘しよう! ♡Vol.66

 いつも心にエンジェルを。

 2017年卒の就活が本格的にスタートして、あっという間に半月が過ぎました。就職情報会社、学情の企業アンケート結果(2267社回答)によると、8割近い企業が3~5月に選考を始めると回答しています。みなさんのなかにも、すでに面接などを受けた人もいるでしょう。

 このコラムでは、女性でも働きやすく、結婚、出産、子育て、介護といったライフイベントでキャリアが途絶えないような制度や風土をもった企業を「エンジェル企業」と命名して紹介しています。「エンジェル企業とホワイト企業、どう違うんですか?」とよく学生に聞かれます。大した理由はありませんが、個人的に、「黒=悪」「白=善」という単純な線引きの仕方、ブラックよりホワイトが良い、という表現に、なんだか差別的なものを感じて、いま一つ好きになれないという意見もありました(それでもときどきは使ってしまいますが)。また、客観的な評価ではなく、あくまでも主観的な物差しで選んだに過ぎない、ということを伝えたい気持ちもあります。
 ポイントは、「こんな会社だったら私も働いてみたい」と思えるかどうか。ちなみに私がエンジェル企業を見分ける指標として参考にしているのは次の6項目です。

正社員に占める女性の割合 ← 業界平均以上
管理職に占める女性の割合 ← 業界平均以上
男女別平均勤続年数    ← できれば差が30%以内
35歳時の男女賃金格差   ← 少ないほうがベター
有給休暇取得率      ← できれば60%以上
勤務時間の柔軟性     ← 時短制度、在宅勤務制度などが整っているか

 いずれにしても、もし私がいま就活するとしたら、まずエンジェル企業はどこか、というところからスタートするのではなく、志望業界、志望職種の中で、エンジェル企業と呼べそうなところがないかを探します。言うのは簡単ですが、採用HPや就職四季報などの情報だけでは上の項目がすべてクリアになるわけではありません。さてどうしましょう。
 そこでぜひみなさんにトライしてほしいのがOG訪問です。合同説明会や、企業のセミナーなどで、志望度が高まってきたら、なんとかルートをたどって、OG訪問してみましょう。キャリアセンターなどにある卒業生名簿、大学などで開催されるOB・OG懇談会、ゼミやサークルの先輩、企業の人事部で紹介してくれるケースや、就職イベントや合同企業説明会で、会社説明をしている社員本人に依頼してみる、という方法もあります。
 OG訪問の準備については、このサイトの「教えて!編集長Q&A」(OB・OG訪問の際、どういった準備をしていけばいいのかわかりません)に詳しく載っています。ぜひ目を通してください。絶対NGなのは、会社案内や採用HPなどに書いてあるようなことを聞くこと、「とりあえず話を聞きたくて」といった失礼なアプローチです(写真はリトルエンジェル・花名)。
 
 採用フローなどを聞く学生も多いようですが、OG訪問で聞くべき質問はだいたい次のようなものです。

仕事内容・職場環境 OG社員の今の業務やスケジュール、新入社員の仕事内容、働きがいや苦労話
社風 部署の雰囲気、男女比や年齢層など
制度 研修制度や福利厚生
一番の魅力 OG社員がなぜその会社を選んだのか
 OGとじっくり話すことで、志望動機を固めたり、エントリーシート(ES)を添削してもらったり、その企業の求めている人物像に自分がマッチしているかなどを確認することができます。

 もし、かなり打ち解けて話せるような関係になったら、「御社はこの3つのタイプのうち、あえて選ぶとしたらどれに近いですか」というのを聞いてみるとその企業のエンジェル度が測れます。カッコ内は言わなくていいですよ(写真は流氷の天使、クリオネ)。


A:女性社員は一般職採用や非正規が主流。総合職コースがあっても、男性並みに長時間労働できる「いつでも、どこでも」の女性社員しか求められていない。(非エンジェル企業)
B:育休や時短、在宅勤務制度など福利厚生は整っている。ママになっても働き続けられるが、やり甲斐や出世までは望めない。(準エンジェル企業)
C:男女ともに結婚・出産・介護といった環境の変化に合わせた働き方を選べる。休暇や時短制度の取得が、賃金や評価に直結しない。(真性エンジェル企業)

 そのOG社員が「うちはCだよ」と言ってくれたとしても、あくまでも公式見解、建前かもしれません。そのときは、「女性社員でなく、男性社員で育休取る人ってどのくらいいますか」と聞いてみるのも手です。男性社員が育休を取りにくいとしたら、真性エンジェル企業とは言えません。逆にいまはAやBでも、これからCへ進化していく可能性は十分ありますので失望する必要はありません。現状を認識した上で、「それでもこの会社に行きたい」と思えるかどうか、志望度を確かめてみましょう。

 2016年4月から女性活躍推進法が施行されます。まだデータを公表している企業は多くありませんが、厚生労働省「女性の活躍・両立支援総合サイト」内の「女性の活躍推進企業データベース」に、エンジェル企業を見分ける際に参考になる情報が業界別に掲載されています。気になる企業があればぜひOG訪問の前にチェックしてみてください。