今週の月曜、7月6日は「サラダ記念日」でした。
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日 (『サラダ記念日』より)
1987年、歌人の俵万智さんが出版した第一歌集を代表する短歌です。新しい感覚の作品が話題になり、歌集として異例の260万部を超えるベストセラーになりました。
実はこの記念日にちなみ、毎年この季節にサラダをテーマにした短歌が一般募集されています(読売新聞主催/キューピー協賛)。10回目ということもあって今年の「サラダ記念日・短歌(うた)くらべ」には過去最多の応募総数9006首が集まりました。その中で、私がみなさんに紹介したいな、と思ったのが優秀賞10首のなかの1首です。
水曜の昼にセブンのコブサラダさよなら御社負けるなあたし 唐田佳奈さん(福岡県)


就活中の女子学生の歌でしょうか。「さよなら御社」というからには、思わしくない結果、「お祈りメール」が届いた直後かもしれません。セブンイレブンのコブサラダといえば、ボリュームがあって、お値段もそこそこしますよね。学生にとってはちょっとした贅沢なのかも……。「コブ」と「鼓舞」が掛け言葉になっている気もしますし、「負けるなあたし」としめくくっているところに、彼女の前向きになろうと懸命に努力する様子が伝わってきて、心から応援したくなりました。
いま読めば、当たり前のことですが、100年も前、コンプレックスやトラウマを心の病の要因とする考え方が主流の時代に、劣等感をポジティブにとらえる理論を提唱していた人がいたのです。





