あきのエンジェルルーム 略歴

2015年04月09日

「世界一熱い男」に学ぶ キャッチフレーズのつく人間になろう! ♡Vol.31

 いつも心にエンジェルを。

 就活で一番大切といわれるコミュニケーション能力を上げるためにはどんなことをすればいいのでしょうか。ハーバード大出身のお笑い芸人パックンは、「あさがくナビ」で連載中の「パックンの就活ワークショップ」(画像:あさがくなびHPより)で、「自覚」「自信」「自己主張」の3点セットが“コミュ力”アップのポイントだと繰り返し語っています。
 「自覚」とは自分の強み弱みを知ることですが、そのための簡単な方法を私からも一つ紹介します。

 それが自分のキャッチフレーズづくりです。
 以前はアイドル歌手がデビューするときは、必ずといっていいほど、レコード会社や所属事務所がキャッチフレーズを作っていました。榊原郁恵「1億円のシンデレラ」、中森明菜「ちょっとエッチな美新人娘(ミルキーっこ)」、山瀬まみ「国民のおもちゃ新発売」などなど。最近ではももいろクローバーZの「週末ヒロイン」、橋本環奈の「天使すぎるアイドル」などが有名ですね。
 アイドルの場合、売れるにつれて仕事やキャラクターの幅が広がり、キャッチフレーズが不要になるケースが増えていきますが、一方で、売れるにつれて、ますますイメージが定着し、需要が伸びていく人もいます。
 良い例が「世界一熱い男」、タレントで元テニス選手の松岡修造さんです。海外取材に行くと「日本の気温が下がる」とネット上で話題になるほど熱血漢のイメージが定着しています。スポーツ番組などでの熱い解説、アスリートへのリスペクトが感じられるインタビュー、特にジュニア時代に指導したプロテニスプレーヤー錦織圭選手の活躍もあって、昨年来、好感度がぐんぐん上昇しています。
 2014年秋に発売した日めくりカレンダー『まいにち、修造!』(PHP研究所)は累計売上20万部を超える大ヒット。調査会社ニホンモニターが発表した「2014タレントCM起用社数ランキング」では11社で男性タレントの1位に輝いています。さらに2015年3月、明治安田生命が発表した、毎年恒例の「理想の上司」ランキングの男性上司編では、前年の10位から2位に躍進、とにかくノリにノッています。

 ことほどさように本人のイメージに合致したキャッチフレーズには、人をひきつける力があります。

 ということで、みなさんも、初めて会った人に自分のキャラクターが伝わりやすいキャッチフレーズを考えてみましょう。ESや面接での自己PRに使うつもりで、真剣に考えてください。キャッチフレーズは自分が「こうありたい」というモットーや座右の銘ではありません。「全力投球」「有言実行」など、すでにある言葉やただポジティブなだけの言葉ではなく、「へぇ、それってどういう意味?」と、会話が広がるようなツッコミどころのあるものがいいですね。できれば自分ひとりで考えるのではなく、ぜひ周囲の親しい友人や家族に「俺にキャッチフレーズつけるとしたらどういうのがいい?」「私に似合う自己紹介の前振りってなんだと思う?」と聞いてみましょう。
 きっと自分の思いがけない魅力が見つかります。就活では「恥ずかしい」など、諸般の事情で結局使わなかったとしても、そのときの友人や家族の言葉(おそらくは褒め言葉)がこれからの長い人生の支えになるかもしれません。

 ちなみに私にも友人知人がつけてくれたキャッチフレーズ(?)がいろいろあります。なかなか絞りこめませんが、そのなかで気に入っているものを一つ紹介します。
 「感じがよくてずうずうしい

 つけたのは『サラダ記念日』(河出書房新社)で知られる歌人の俵万智さん(写真)です。20代のころ、週刊朝日の連載担当者として出会って以来のおつきあいですが、俵さん曰く「世の中には感じがよくて押しの弱い人も、感じが悪くてずうずうしい人もいっぱいいるけれど、感じがよくてずうずうしい人はなかなかいないよ」と。
 当時担当していた「ちいさい旅みーつけた」というカラーグラビア連載では、日本全国津々浦々(たまに海外)を俵さんと写真家平地勲さんと一緒に旅していました。俵さんがその土地をテーマにしたエッセイを書き、短歌を詠み、平地さんの写真とコラボさせるという企画です。編集者の仕事は、行き先の選定、メンバーのスケジュール調整、交通手段や宿の手配、取材先へのアポ入れ、撮影の許可取り、原稿をもらった後の入稿作業までさまざまです。いまほどネットや携帯電話が普及していませんでしたから、事前の「段取り力」が勝負でした。
 それでも突発的に「こういう人にも話を聞きたい」「ここも撮影したい」ということが起きるのが現場です。そのとき先方にどうやって「OK」をもらうか。そのときの私の交渉ぶりから「誕生」したキャッチフレーズなんだそうです。

 単純な褒め言葉ではないけれど、記者として編集者として「適性」を認めてもらったようですごくうれしかったのを覚えています。今でも自分が行動するとき「感じいいだけの人になっていないだろうか」「ずうずうしいだけの人になっていないだろうか」と自問自答しています。
 最後はおまけです。今週からWEB限定で放映されているサントリーの炭酸飲料「C.C.Lemon」のCMでは「世界一熱い男」が心のロッカールームから100通りのニックネーム(苗字もアリ)で応援ソングを歌いながら、応援してくれます。「キミは太陽だから!」「今日からキミは富士山だ!!」「今すぐサバになれ!」「夢は起きて見るものだ」など、松岡さんならではのメッセージが込められていて、聞くと元気になれますよ。

 私も気だるい午後には「あっきー」編でモチベーションをアゲています。