あきのエンジェルルーム 略歴

2015年01月08日

イライラしないための秘密の呪文、教えます。♡Vol.18

 いつも心にエンジェルを。

 2015年になりました。みなさんはお正月、どんな風に過ごしていましたか? 実家から離れてひとり暮らしをしている人は、久しぶりの帰省で家族との団欒が楽しめたでしょうか?
 就活の本格的スタートを前に、親や親戚から「どういう企業を狙っているの?」「もっと○○しなきゃダメでしょ?」などと干渉され、うるさく感じた人もいるかもしれません。親のイメージしている就活とは時代も違うし、素直に耳を傾けられない……。心配してくれるのはわかるけど、なんとなくムカッときちゃう……。きっとそんな瞬間もあったことでしょう。
 私はアンガーマネジメント・ファシリテーターという資格をもっています。怒りや不安とうまく付き合うためのアンガーマネジメント(AM)を人に教える立場なのですが、それでも、イラッとすることはたくさんあります。私事ですが、この前、夫にキレかけたときの話をさせてください。

 共働きの我が家では洗濯物は主に部屋干しです。洗濯物をハンガーから外して畳んで、クローゼットやタンスに片付ける、というのは、たいがい私の仕事です。
 ある日、私がハンガーから外した洗濯物をリビングに山にしておき、次の洗濯物をせっせと干していると、何やら夫が洗濯物をゴソゴソとさわっている気配が……。
 「珍しいこともあるのね、ウフ♪」と思いながら、リビングに戻ると、山はほとんど小さくなっていません。アレ!?と思いつつ、娘(8歳)と畳み始めたところ、なぜか夫の分だけないのです。夫に聞くと、悪びれもせず「おおっ、オレの分は畳んで片付けといた!」と自慢げです。(写真はイメージ)
「ありえなーい!!」 私は心の中で絶叫しました。

 洗濯物には家族で使うタオルやら、もろもろあります。なぜ、自分の分だけ畳んで満足しているのか。しかも、てんこもりの山の中から、あえて自分の分だけほじくり出すなんて、利己的というか個人主義というか……。
 
 ほかにも朝食後、夫が自分のマグカップだけサッと洗い、私と娘の食器はそのまま流し台に放置しておく、というのもややイラッときます。ごはんを作っているのはこちらなのですから、食器ぐらいはみんなの分をまとめて洗おう、となぜならないのか。確か、2014年の男女共同参画週間のキャッチフレーズは「家事場のパパヂカラ」だったはず……(遠い目)。

 でも、私はAMを学んだ身、こんな些細なことで、不用意に「キレる」わけにはいきません(笑)。しつこいようですが、AMは、「怒らない」技術ではありません。怒るべきときには怒ってよいのです。基準は自分が怒った後に後悔するかどうか。「あ~、怒んなきゃよかった」と思うようであれば、その怒りはムダな怒り、怒りをグッとこらえたその後で、「あのとき、もっと怒っておけばよかった」と思うようであれば、怒り損ねた、ということになります。いずれも精神衛生上、よくありませんよね。
 さて、洗濯物事件。私を怒らせた者の正体はフツーに考えれば「夫」です。でも、AM的な発想で考えると、その正体は「私自身」、細かく言えば、私の「べき」ということになります。

 つまり、私は「家族」についての「べき」が多い人間なんですね。「家族で食卓を囲むべき」「助け合うべき」「喜びも悲しみも分かち合うべき」といったように……。だから、「自分の分だけ」「自分のためだけ」という行動に怒りが起きやすい傾向があるのです。

 夫は休日の夕方、昼寝をしていて、18時過ぎて突然ムクッと起き出し、「スポーツセンターで汗を流してくる!」と出かけることがあります。私が「エッ、もうすぐ夕飯できるけど……」と言うと、「先に食べといていいよ~!」と明るく旅立ちます。家族3人揃って食卓を囲める日は限られています。でも、夫の優先順位では「体を動かしたい!」ことのほうが上なのです。

(右写真は日本アンガーマネジメント協会の安藤俊介代表の著書。他にもいろいろ出ています)
 かといって、夫が家族を大事にしていないわけではありません。娘の運動会などはビデオ撮影のために、式次第から娘の立ち位置まで用意周到に調べ、カメラ位置を決め、編集します。
 夫と私とは、家族への愛情の出しどころが違う、それだけのことなのです。

 そんな風に、私がいま怒っているのは、私が大事にしている「べき」をこの人が守ってくれなかったからなのだ、でも、この人(家族、友人、恋人、店員、上司、部下など)に、私の「べき」を守る義務なんてないのだから怒っても仕方ない、そう思ってしまえば、あ~ら楽チン。夫にも、周囲の人にもめったに怒りを覚えなくなりました。

 みなさんも「イラッ」と来たら、「私の“べき”は目の前の人と共通の“べき”かしら?」と、秘密の呪文を唱えてみてください。
 なんだか我慢してばかりで疲れそう……、そう思ったアナタ。自家中毒を起こさない秘策もありますよ。それは、周囲の人に自分の「べき」をできるだけオープンにすることです。

 「時間にルーズな人は苦手」「大事な話はメールじゃなくて電話がいい」など、あなたの「べき」を、常日頃から、周りの人に見せておく、伝えておくのです。そのときの主語は「私は」です。「フツー、こんなことしないよ」「ありえない!」ではなく、「私は○○されると悲しい気持ちになる」「私は△△することが大事だと思う」などと表現してみましょう。
 
 「アナタはどうして○○するの!?」では、相手は「攻撃された」「非難された」と思うだけで、自分の行動を改めようとは思わないものです。
 就活の第一歩は自分を正しく知ることです。書き初めのつもりで、そもそも自分がどんな「べき」を持っているのか、思いつくままに書いてみるのもオススメですよ。