今回のプロジェクトのリーダーでもある、ファザーリング・ジャパン代表理事の安藤哲也さん(左写真)は3児の父。バリバリ働く妻を支える「元祖イクメン」でもあります。
「イクメンと同じで、“イクボス”ってカッコいいよな、と管理職本人はもちろん、社会全体が思うようにならないと、イクボスは増えていかない。イメージ先行でもいいから、各企業や管理職に『やってみようかな』と思ってもらうことが大事。男性管理職でよくいるのが、子育て中の女性社員にだけ『早く帰っていいよ』と言えばイクボスだと勘違いしている人。そうじゃなくて、まず自分自身がちゃんと早く帰るのが理想のイクボスなんです」(安藤さん)
50代くらいの管理職の多い職場で「イクボスセミナー」を開講して、「部下の子育てをうまくフォローできるイクボスになりましょう」と言っても、半分くらいは寝ているのだそう。自分自身の子育てがもう終わっていて、しかも、その年代だと子育てが妻任せだった人も多いため、興味も関心もないんですね。そういうときは、介護施設に入りたくても入れない待機老人の話をして、介護で休まないといけない社員にどんな配慮をするべきか、という話に切り替えるそうです。
それでも、「そんなに部下に配慮しなきゃならないなら、管理職なんてなるんじゃなかった」と冗談っぽくグチる管理職も多いとのこと。まだまだ課題は山積みです。