なおこの就活道場 略歴

2016年01月12日

ランチを食べながらOB訪問ができる! サービス活用のポイントは?(番頭フッキーの「就活イヤァオ!」その19)

 まいど! 「なおこの就活道場」番頭のフッキーです。毎回、就活生の陥りがちな悩みを「イヤァオ!」と一刀両断する言葉をお届けいたします。

 就職活動でいちばんの悩みは「何をしたらいいかがわからない」ことだ、と何度かこのコーナーでお話しました。大学受験にせよ大学での試験にせよやることがはっきり決まっていますが、就活に関しては「これをやったらこれだけ結果が出る!」というはっきりしたカリキュラムはありません。

 どうしようどうしようと悩んでいる皆さんにとっかかりとしてお薦めしているのが、OB・OG訪問です。連載の12回目「OB訪問しておけばよかった!! 内定者の嘆きの声を聞け」でも書きましたがその大きな理由は、自分がその会社で働くためのシミュレーションができることです。逆に言えば、働くシミュレーションができないような訪問は何度してもあまり意味はありません。

 OB・OG訪問というと「その会社にいる大学OBを探さなければ!」と悩んでしまいがちですが、目的はその会社の社風をつかむことですからOBにこだわる必要はありません。困った時は説明会で知り合った社員を捕まえてOB訪問の橋渡しをしてもらいましょう。

 また、最近は会社の人と直接知り合える便利なサービスも増えて来ています。そのひとつが、IT会社「ビズリーチ」(本社・東京都渋谷区)が提供する「ニクリーチ」というサービスです。学生がサイトに登録し、そのプロフィールを見て企業側がアプローチ。「お肉を食べるスカウト」というアプローチがあった場合、日程があえば会社もちで食事をしながらいろいろ社員とお話ができるという仕組み。ビズリーチ自身もこのサービスを使っていて、渋谷にはニクリーチ専用のランチメニューを出してくれる焼肉屋もあります。ビズリーチでは、今年春に入社予定の60人中11人が「ニクリーチ」経験者となりました。
 ということで今回、その焼き肉屋で行われたビズリーチの社員と学生2人の「ニクリーチ」を見学してみました。ビズリーチ側は入社2年目で新卒採用担当の本田沙貴子さん、学生はともに都内私大3年生の沖山さんと原園さんです。最初は肉の到着を待ちながら、「サマーインターンシップはどこを受けたのか」「大学ではどんなことをしているのか」といった軽い雑談から入ります。肉が来ると、まずは本田さんの自己紹介から始まりました。

「2014年入社で、最初に法人営業を5カ月やりそれから採用の部署に来ました。今は採用の計画づくりや仕組みづくりにかかわっています。学生時代はファッションに興味があって1年間アメリカに留学しました」
沖山さん「ファッションに興味があって就活をされたんですか?」
本田さん「30歳までにファッションのビジネスを自分で立ち上げたいと思っているんです」
(写真左から沖山さん、原園さん、本田さん)

 思い切った自己紹介に、学生からの質問もスピードアップします。

沖山さん「ビズリーチを選んだ決め手は何でしたか?」
本田さん「会社の組織とは何なのか、ゼロから1を立ち上げるプロセスを知りたいと思ったことです。すごいスピードで成長していますし、面白いと感じたんです」

原園さん「ビズリーチから起業した人はいるんですか?」
本田さん「何人かはいます。ビズリーチはまだできて6年目ですし、離職率も低いのでまだ多くはありませんが」

沖山さん「起業するために今やっていることを教えて下さい」
本田さん「そうですね、自分が経営者の立場ならどうするか、何をすればいいかを考えてアウトプットし、上司からフィードバックをもらうようにしています」

 途中からは、就職活動全般に対する相談タイムも。
原園さん「ベンチャー企業はたくさんあるんですが、どうやって会社探しをされていたんですか?」
本田さん「人事担当者以外の社員に会うようにしていました。その会社の方針などを尋ねてみるといろいろわかったりします」
沖山さん「実際に面接してみて、学生の印象ってどうですか?」
本田さん「ビジネスに対するマインドが他の国の人に比べると弱いかなと感じますね。本来は大学3年生になる前に自分はどういう人間か、何をしたいのかということについて考えはじめたほうがいいのでしょうが、日本は就活が始まってからいきなり考え始めるのでやりたいことがみつからない学生が多い気がします」

 ビズリーチという会社の成り立ちや目標についての説明もあり、ニクリーチは約1時間半に及びました。「業界のことについて聞けたのが一番参考になりました」(沖山さん)
 どういう学生が印象に残るか、本田さんはこう語ります。
 「自分のやりたいこと、軸がはっきりしている学生はいいなと思います。そういう学生はこういう機会でもいろいろ吸収しようとしてたくさん質問が出てきますので。逆に自分のやりたいことがまだ定まっていない学生さんでも、沢山質問をして学んでほしいですね。」

 自分は日本人だからまだやりたいことなんて見つからないよ~とびびってしまう人もいるかもしれません。そんな時は、自分がもしこの会社で働くとすればどんな風なのか、詳細に思い描けるようにいろいろ質問してみましょう。新入社員の時はどんな仕事をしているのか、最初はどういう部署につく可能性があるのか、日常のルーティーンワークにはどんなものがあるのか、異動のタイミングは、転勤はあるのか、周りの社員にはどういう人が多いのか、会社内での「やりがい」は……自分がそこで働くと思ってみると、質問したいことはきっとたくさん出てくるはずです。質問の答えにピンとくればよし、「なんか違う!」と感じるのも、自分のやりたいことを探すためには大切な経験です。